2014年12月18日木曜日

詩 「愉快な喫茶店にどうぞ」

三石博行

岩本拓郎作(2014年11月18日)













岩本拓郎氏のフェイスブック
https://www.facebook.com/takurou.iwamoto.73?pnref=story

岩本拓郎さんとの会話を通じて思いついた芸術喫茶店論


「愉快な喫茶店にどうぞ」

*** 1 ***

絵画クッキーを口にしたら、音楽が聞こえ
生命の紅い音がし
脈動の蒼い鼓動を感じる

だから、心象響きが伝わり
光と形象にことばが共鳴し
心象スケッチの協奏が始まる

しかし、詩は絵にとって伴奏にすぎない
だから、詩は芸術家の音声を彩る楽器にすぎない

詩人が絵画を観たときに
絵画に混在した音符の粒が踊りだし
心象メロディーが生み出され
不思議な光と形象の協奏曲の始まる


*** 2 ***

言うまでもないことだが、
作品は芸術家の生命力の表現手段なのさ

生きる意味が生きている現実の中で生まれるように
作品の意味は作品活動の結果の中で不随されるのさ

存在していることの意味付けは
存在している現実の中で形成されるのさ

絵の目的や意味付けは
作品形成の結果の中で語られるのさ

絵画行為の後にしか、絵画の意味は存在しようがない
しかし、結果として生じたものが、その存在の理由を問いたがるのさ

ことばは生きている現実から生まれ
その存在理由は、ことば化された世界から始まるのさ

これは、倒錯した存在理由論

存在に必然的に付随した意味を探す
哲学者たちの逆立ち駆けっこゲームなのさ


*** 3 ***

つまり、評論解釈はすべて可能なのだ

作品の意味や評価は、自分以外の誰かによって
くっ付けられた張り紙のようなも
にわかに付けられた地名のようなものだ

不運なことに
芸術家は、作品の存在意味を問うのだ
芸術家は、活動の目的を問うだ

だから、優しい野次馬たちの
ワイワイガヤガヤ評論を騒音を聴きなるのだ

少しピントの外れた
間違いだらけの解釈の狂った音程に
芸術家は耳を澄ますのだ

しかし、不思議なことに
騒音と狂った音色は、
芸術家に休憩時間を与えるのだ

*** 4 ***

間違いでもいい
正しくてもいい

優しい彼の友人たちが立ち寄って
芸術家の作品クッキーをつまみながら
勝手にお茶を楽しんで行く

ここは愉快な「芸術喫茶店」

さあさあ、みなさま新作ケーキはどうですか
さあさあ、みなさま創作料理ができました

ワイワイガヤガヤ
ワイワイガヤガヤ

愉快で真剣なコンサートの始まり

もう、時計は真夜中1時を指している
もう、ピンぼけ哲学者は夢の中
もう、優しい野次馬たちは夜食を終えた

それでも、ピエロ服で新作ケーキを創っていた
それでも、道家姿でレシピ-を描いていた

騒がしい孤独の夜が明けて、
芸術喫茶の準備が始まる

2014年12月8日

三石博行詩集 『心象色彩の館』

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