2014年12月18日木曜日

詩 「噴煙のゆめ」

三石博行

岩本拓郎作(2014年11月30日)














岩本拓郎氏のフェイスブック
https://www.facebook.com/takurou.iwamoto.73?pnref=story

岩本拓郎氏の絵から

噴煙のゆめ


蒼ぞらの向こうに
怒りの山があるという。

大昔にある老婆がい言った
深海に沈んだ黄色の火山。

「私に何ができる」
絶望の声は期待の蒼ぞらの下で
叫ぶ。

「私に何ができる」
悲しみのつぶやきはミドリの雨雲の下で
滴り落ちる。

「私に何がでいる」
怒りの目は薄茶色の山に
降り注ぐ。

もし、君が望むら
紅い大地の動脈を切り裂いて
黒い噴煙のこぶしを挙げよ。

もし、君が行き詰ったなら
紅い大地の動脈を突き破り
黒い噴煙の叫びを挙げよ。

蒼空の向こうに
怒りの山があるという。

大昔にある老婆が言った
深海に潜む黄色の火山。

私の
苦く、懐かしい、
想いでの
深海に
沈んだ
あの人。

もう、
会う事のない
あの人。

私が
深く傷づけた
あの人。

もう、
海面に浮かび上ことのない
沈黙の懺悔。

2014年12月3日


三石博行詩集 『心象色彩の館』

三石博行のフェイスブック



0 件のコメント: