2009年9月17日木曜日

提案 「高速道路の無料化と地球温暖化対策」

三石博行


高速道路の無料化と地球温暖化対策は可能か


鳩山総理の地球温暖化対策に対する具体的な方針は世界に日本の政治的リーダーシップを示すすばらしいものでした。現在の人々の生活と100年後の世界を考えるのが政治の姿勢であると確信しています。

1、高速道路の無料化の意味は大きいと思います。

現在、週末高速道路が値下がりしたでけでも、ETCの利用者は増え、週末家族で都会から地方へと遊びに行く人々は増えました。その経済効果はあると思います。その意味で、高速道路の無料化の方向は決して間違いではないとおもいます。しかし、この政策が一番民主党のマニフェストの中で不人気ではないでしょうか。なぜか、それは、利益を受ける国民ですら、高速道路が混雑すること、また、それによって二酸化炭素を多量に排出する現在の自動車社会が継続することを懸念しているのではないでしょうか。

2、エコカーに対する高速道路料金の値下げ

そこで、高速道路料金をエコカーに対して、もしくは環境基準を守っている車に対して、下げるということは出来ませんか。例えば、ジーゼルエンジンのトラックですが、発がん性物質である浮遊粉塵の対策をしていない車は、高速料金を無料にしてはいけません。逆に、ハイブリッド車や電気自動車などは優遇すべきだと思います。エコ対策を進めることと、高速道路無料化を一本化すると、おそらく、企業も民間もその対策を取るでしょう。その経済効果も大きいと思います。そして、高速道路周辺で起こる公害問題に対しても、説明がつくと思います。

3、高速道路無料化に対する専門委員会を開いて、幅広い人々の意見を聞きながら、マニフェストを実行してください。

昨夜の諸大臣の所信表明演説を聞きました。すばらしいに一言。これまでになかったことが起こると確信をしました。しかし、明治以来続いてきた、しかも戦後もそのまま引き継がれた官僚主導の国家運営を改革することは大変だと思います。日本の近代化に貢献してきた官僚制度だけに、それが今日、まったく機能せず、また弊害を起こしていても、伝統の強さは恐ろしいものがあると思います。そのことに挑戦できるのは民主党だけです。がんばってください。
問題は、いかに多くの専門家を集め、豊かな知識と多様な意見を取り入れて政策に活かすかということです。過去の貧しい日本社会では民間に多くの専門家が居なかったため、官僚がそれを支えていたのだと思います。科学技術文明社会では、大学、研究機関、企業、NPO,NGOに多くの専門家がいます。それらの人々(国民)を活用することが、多分、官僚主導型の国家運営から国民主導型の国家への変換を生み出すと思えます。
この高速道路無料化でも、多くの専門家を集めて議論してください。これまでは官僚が自分の意見を通すために、言いなりになるような人々を集めて、専門委員会を作りました。それではだめです。民主党は、政策を検討する時に、幅広い専門家を集めてください。高速道路無料化に対しても、交通工学、流通経済、環境問題、地域経済、観光開発、家庭経済等々の専門家の参加が必要でしょう。そして、すべての専門委員会のメンバーの業績を公開してください。その上で、高速道路無料化と意中温暖化防止が両立できる政策、法案、システム改革を提案作成してください。

最後に

何事も成果しか見ない社会になっています。確かに、成果も大切です。しかし、ものごとを成し遂げるまでの、また失敗したとしても、その過程を理解し共有することも大切です。つまり、どのようにして高速道路無料化と地球温暖化防止を両立するための政策が検討されたか、その努力がどのようにして払われてきたのかの過程を大切にすることが必要です。マニフェストは実現しなければなりません。そしてその成果を国民に示めさなければなりません。その上で、その努力の過程、手段、方法も示すことが大切です。何故なら、必ずしも100パーセント成功しないからです。しかも、その不成功に学ぶことが多くあり、それを国民と共有することだと思います。それが国民による国民のための国民の政治であり、そして、それしか官僚主導型国家運営から脱却することが出来ないと思います。その理念、つまり国家の改革に参画することを国民に訴え続けてください。
その民主主義の理念が日本の文化とするときに、鳩山首相のいう「友愛」が日本の伝統文化になると信じます。

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