2010年12月2日木曜日

企業経営の危機から何を学ぶのか、逆境に学ぶ力

三石博行

危機をチャンするために必要な備えとは


つねに危機的状況は存在する

社会や組織を取り巻く状況が悪くなると言う事は、それに関わる、またはそこで生きている人々にとって、労働条件、生活条件や社会環境が悪化することを意味する。その意味で、状況の悪化は危機である。

企業の経営が苦しくなる。すると、リストラが生じる。多くの人々がリストラされる。失業することになる。失業によって生活の糧を失う。

しかし、その会社の経営が行き詰ることに対して、企業で働く人々は、意見を持ち、また改善策を検討してきたと思われる。その上の結果であれば、その責任の一部を引き受けることも出来る。

また、社長や経営陣の度重なる失敗の結果、会社経営が悪化したとする。それに対して、意見しても、聞く耳を持たない経営者の下にいては、将来の見通しは暗い。それなら、割り増し退職金が出るうちに辞めるほうが得策だと思う。

何故なら、その会社の再建は、これまでの企業の体質を根本的に変えなければ不可能であるし、会社の執行部でもない自分ひとりだけでは、会社の変革は不可能である。


辞めるまえにすること

辞めるにあったて、

1、 何故この会社の経営が破綻したかを徹底的に調査する
2、 この会社の執行部の体質を調べ、何故、会社の再建が不可能かを調べる。

これだけの現実のデータを集め、これまでの会社での出来事やそれに関する会社や自分の対応をデータ化して置くだけで、非常に大切なものを獲得したと思える。

言い換えると、ここまでやったときに、危機的な状況から学ぶことが可能になり、その結果が、次の行動に生かされる。もし、この調査のデータを勤務している会社が活用しなかったとしても、自分も味わった(経験した)企業の失敗例からの学習は、どこかで活かされるだろう。


逆境に学ぶ力

よく、危機的状況は、観かたによればチャンスであるということばがある。このことばの裏には、危機的状況に学ぶ、そしてその状況から立ち上がる具体的計画や実行力を前提にして語られている。

多くの場合、危機的状況はネガティブにしか作用しない。しかし、それをポジティブに転回するのは、そのネガティブファクターを掴み出し、それを改善することを理解した場合に限られるのである。

危機的状況を経験し、その状況から理解(分析、解釈した)経営不振を導いた原因(失敗学の用語では、からくりと要因)を理解することが、危機はチャンスという状況の転回を導く力を与えるだろう。






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