2011年1月11日火曜日

「レポート材料の作り方」について(2)

三石博行


資料情報を収集と資料リスト作り


資料の多様な情報形態

レポートのテーマが決定したら、そのテーマに関する資料を集める。レポート作成にとって資料収集は大切な作業であり、レポート作成作業の第一歩である。

ここで述べている資料は、筆記資料、音声資料、画像資料、統計資料等がある。それらの異なる資料にはそれぞれの収集(採集)作業の仕方がある。例えば、紙面に表記されている資料、つまりアナログ資料(データ)はノート、フォルダー、ファイル、バインダイー、ファイルボックス等に収集される。また、デジタルデータは、PC及びその周辺機器や記憶媒体によって収集される。

アナログ資料とは主に印刷されたもの、例えば図書館で調べた本、文献、インターネットを通じて調べた情報の印刷資料、チラシや配布資料や報告書等々である。また会議、研究会、講演会や取材活動で自ら筆記したノートや描写したスッケッチ等の資料も含まれる。 
取材など現場に行ってインタービューを行う作業では、筆記やスケッチした資料以外にも、録音した音声データ、デジタルカメラや写真機で取った静止画像データやビデオで撮った動画画像データもある。

特に、会議、研究会、講演会や取材での筆記資料の作り方に関しては、講義中のノートのとり方が基本となる。大学でのノートのとり方は、レポート作成資料のもっとも基本的な作業である。大学では、講義を通じて、口頭情報(声の情報)を筆記する技術、つまりノートのとり方を教える。その技術がそのまま取材ノートの作り方に活用できるのである。大学でのノートの作り方、特に口頭情報のスケッチ方法については、別途用意された教材( )に記述したので、それを参考にするとよい。

音声資料は取材で録音した音声資料、ラジオの番組や研究会や講演会等の口頭発表を録音したものなどがある。最近では、テープレコーダでなくIPレコーダーが使われ、そのデータの管理もPC上で保存できる。また、それらのデジタル音声データを掘り起こし、音声データを文書データと変換して、筆記資料として管理することもできる。同様に、取材やテレビ番組で録画した画像や映像資料もデジタル化してPC上で管理することができる。

アンケートや街頭(街角で行う)調査で得られた資料は統計的に処理され統計資料となる。また、白書やインターネット上で公開されている政府や専門調査機関が作成した統計資料もレポート作成用の大切な資料である。それらの統計資料は論文や報告書の紙面に記載されたアナログデータかデジタルデータとしてExcel やPDFファイル形式になっている。


大学付属図書館での資料調査

まず、大学付属図書館の資料を調べる。付属図書館の資料検索はインターネット上で可能で、学内のパソコンから付属図書館のサイトを開くことができる。

付属図書館のサイトには必ず「資料検索」ができるようになっているので、その検索エンジンを活用する。例えば、「本学の資料」をクリックして、「所蔵検索OPAC」をクリックすると、検索用語入力によって図書館の資料(本、論文等)を調べることができる。例えば「レポートの書き方」と「検索語1」に入力し、「検索開始」をクリックすると、付属図書館にある「レポートの書き方」に関する蔵書12件が検索される。

絞込み検索は、検索語1「レポートの書き方」と入力した後で、「AND」で検索語2に「心理学」と入力すると、心理学系のレポートの書き方の資料が検索される。


論文や雑誌記事検索

論文を調べる場合には、「資料検索」の中の「データベース」をクリックする。「雑誌紀要等の論文・記事情報を調べる」の中の国立情報研究所の「CiNii 論文情報ナビゲータ」のサイトを呼び出し、同様にして調査した用語(キーワード)を入力して論文資料を検索することができる。

1. 論文情報ナビゲータで検索した資料を収集するには、図書館の窓口で相談するとよい。論文が学内にある場合は、すぐに資料を入手することができる。学外にある場合は、付属図書館から学外の図書館に資料の複写を依頼することができる。

2. さらに、図書館には日経新聞などの新聞記事のデータベースのCDもあり、キーワード入力で記事の検索ができる。レポートの材料として、日経新聞などに記載された記事を活用することもできる。記事検索を行う場合、そのやり方に関しては付属図書館の窓口に相談するとよい。


資料目録(リスト)の作成

レポート作成の課題を決め、それに関する著書、論文、報告書やインターネット上での資料を調べ、必要と思われる資料のリストを作る。

リストに記載されたものはあくまでも、レポート作成に必要と思われるものである。レポート作成に必要な資料を集める場合に、主なキーワードや課題名が事前に選択されて資料は集められる。それらの事前に選択されたキーワードや課題別に、資料をリストして行く。例えば、レポートの書き方の課題では、「図書館を活用した資料収集の仕方」に関する資料がリストされてくる。「図書館の活用」というキーワードで資料が採取される。「図書館の活用」に関する情報を持つ資料、著書、論文や報告書がリストされる。

課題別に資料リストに基づき、資料を集める。例えば「図書館の活用」という情報を持つ著書「山田太郎著、図書館学入門」、論文「佐藤和男著、図書館を活用した知的生産の技術」等数件の資料が付属図書館の中から見つかる。それらの資料名と作者名を記載しリスト化する。
それらの付属図書館が所有する著書や論文を閲覧しながら、それらの資料の大まかな情報を記載する。

課題別の資料リストの作成は、調べる資料を精読するのでなく、速読しながら、作成する。まず、著者名、著書名、出版社名、出版年月日、ページ数を記録し、レポート作成に必要と思われる章や節を拾い出す。それらの章や節のタイトルを記入する。簡単なコメントを書く。

上記した作業を繰り返しながら、一応必要と思われる資料には簡単に目を通す。簡単に、速読しながら、レポート作成に必要な資料分析(精読必要)の優先順位を作る。つまり、速読しながらそれぞれの資料にA(非常に大切)、B(大切)、C(時間があれば読むに値する)、D(あまり重要でない)、E(まったく関係ない資料) の5段階評価を行う。

資料リストは、レート課題の中の部分課題名、資料の重要度(AからEまで)、著者、資料タイトル、出版社名、発行年月日、ページ数、それらの大まかで簡単な情報、概略を記入する。これでリスト作成は終了する。


参考資料

1、「レポート材料の作り方」について(1)
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/01/1.html







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