2011年1月11日火曜日

「レポート材料の作り方」について(3)

三石博行

資料の整理分類と分析作業


資料の優先順位を決める

レポート作成に必要な資料を集める場合に、主なキーワードや課題名が事前に選択されて資料は集められる。それらの事前に選択されたキーワードや課題別に、資料をリストして行く。例えば、レポートの書き方の課題では、「図書館を活用した資料収集の仕方」に関する資料がリストされてくる。「図書館の活用」というキーワードで資料が採取される。「図書館の活用」に関する情報を持つ資料、著書、論文や報告書がリストされる。

資料目録を作りながら、レポート作成に必要な資料分析(精読必要)の優先順位を作る。つまり、速読しながらそれぞれの資料にA(非常に大切)、B(大切)、C(時間があれば読むに値する)、D(あまり重要でない)、E(まったく関係ない資料) の5段階評価を行う。



優先順位の高い資料の収集と保管

集められた資料の中で、まず、Aにマークされた資料を集める。それらの資料は、次に述べる資料分析作業の中ですぐに活用されるものである。そのため、資料の収集作業を行っておく。資料収集は、大学付属図書館を活用する。仮に付属図書館に収集したい資料がなくても、付属図書館のサービス機能を活用すれば必要な論文や著書を他の図書館から取り寄せることができるので、資料の収集は効率よく行うことができる。

次に、収集された資料(アナログ及びデジタルデータ)を保管する。保管作業は資料の整理や分類する作業を伴う作業である。上記した形態の異なる資料、アナログデータとデジタルデータの資料の整理と分類も、情報形態が異なり、その保存方法、つまりPC上のメモリーに保管するかもしくはファイルボックスに保管するかの違いはあるものの、資料整理の基準は基本的には同じである。この資料整理、分類の方法に関しては、別途、章を設けて詳しく述べる。


資料の読み方 精読と速読

一般によいレポートを書くためには、出来るだけ多くの資料を調べ、その中で色々な角度から書かれている資料を出来るだけ多く読解しなければならない。しかし時間の制限やレポートページ数の制限もある。そこで、レポート作成のために集めた多くの資料に重要度のリストを作り、まず大切な資料から読む必要がある。

一般に、レポート作成を進める中で、上記に示した資料リストの重要順位A,B,Cのものは、読まなければならない資料である。その読み方は優先順位によって異なる。

優先順位Aの非常に大切と評価された資料や、大切と評価されたBの資料の読み方は読みながら徹底的に文章を分析する作業つまり精読(しっかり読む)が必要となる。

また優先順位C つまり時間があれば読むに値する資料には一応目を通しおく必要がある。また、出来ればDのあまり重要でない資料にも、何が書いてあるかという情報を得るために簡単に目を通しておくのもよい。資料に目を通すというのは、資料をじっくり読むのでなく、ざっくり読む、つまり、その資料の中で重要な点を取り出しながら読む作業を意味する。

多くの資料に目を通すためには、一般に言われる速読の技術が必要とされる。速読とは資料の情報の概略をつかむ作業である。さらに、速読によって、資料の再評価を行い、また資料の部分的に存在している大切な情報をつかむ作業を行う。



資料分析ノート、「テキスト評価」の材料作成

優先順位AとBの資料は精読するのであるが、ただじっと本を読めばよいと言うわけではない。レポート作成のために精読するのである。そのため、精読された資料はその後レポートを各材料になっていなければならない。

レポート作成は、丁度、料理と似ている。まず、どんな料理を作るかを決める。例えば、餃子を作る(具体的なテーマ)と決める。餃子に必要な食材(情報)を集める。家にあるもの、無いもの。無いものは、どこに行けば手にはいるか。その価格は高いか。高いならそれに代わる安い食材はないかを検討する。そして、すべて必要な食材を集めて、それから食材を料理用に加工する。すべて必要な食材の加工が終了してから、料理に必要な調理器機(道具)を揃える。そしてすべての加工された食材、調理道具が揃った段階で、料理を始める。出来た料理を盛り付けるお皿やお野菜等々も忘れずに準備しておく。

つまり、レポート作成に活用する材料(料理用の材料と同じ)を用意しておくのであるが、レポートを書くためにすぐに役に立つように準備されていなければならない。

その準備の仕方の一つが精読であった。これは料理で云えば包丁の使い方のようなものである。包丁の使い方が分かったからといって料理用の食材の準備が完了した訳ではない。

レポート作成用の資料分析ノートは、資料(テキスト)の解釈や評価の作業によって作られる。その方法は大きく分けて、四つの要点によって構成されている。

一つは、その資料の説明(資料作成者、資料名、資料のあった論文集や著書名、資料を出版した組織や出版社名、資料の発行年度月日、資料ページ数)である。

二つ目は、資料に記載されている内容の紹介である。資料の文書を使いながら、出来るだけ資料に忠実に記載する必要がある。

三つ目は、資料の内容への評価である。評価とは、資料が示すテーマ(課題)に関して資料は十分に展開しているかという点に関する分析である。つまり、資料の内容で評価できる点や不十分な点を具体的に指摘する。

四つ目は解釈である。解釈とは、上記の評価を前提にして、こんどは自分の視点から、つまり自分のレポートの課題の視点から資料に関する感想(主観的であってもいい)を述べることであうる。

レポート資料分析ノート、もしくはテキスト評価解釈ノートは、上記した四つの課題を明確に示しながら書くことになる。つまり、テキスト分析ノートの構成は、はじめにで資料を選択した意味や課題を書く、第一節は資料の説明、第二節は資料内容の要約、第三節は資料評価と資料解釈(感想)となる。 出来れば、最後にまとめで資料分析作業に関する問題点を書く。


参考資料

1、「大学でのノートの作り方」(1)
http://mitsuishi.blogspot.com/2010/11/1_24.html

2、「大学でのノートの作り方」(2)
http://mitsuishi.blogspot.com/2010/11/2.html

3、「レポート材料の作り方」について(1)
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/01/1.html

4、「レポート材料の作り方」について(2)
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/01/2.html






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