2016年8月22日月曜日

戦争という悲劇


戦争には殺される側の被害者と殺す側の加害者が居る。戦争は、同時にその二つの立場を同一の人物が持つことになる。その意味で、犯罪者と犯罪被害者の構図とは異なる、加害と被害の関係が生まれる。
戦争に行って敵を殺した私が、もし、反戦を言うなら、私は、私の戦争加害者を語らなければならない。
戦禍の中で家族を殺された私が、もし、戦争を憎むなら、私の家族が戦地に行って、他国の家族を殺さなければならない兵士となった悲しみを語らなければならない。

戦争という悲劇は、殺す側と殺される側が、1秒ごとに交互に立場を変えて、殺したくない、殺されたくない、人の心を、奪い去り、殺されないために、殺す、惨めな存在者たちにの同じ色の軍服を着た名前のない人々の群れの一人に化すことだろう。

それは、もはや私という個別の色の名前を持たない、同一色化した代名詞化した兵士なのだ。

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