何故、インターネット上で科学哲学研究会を開くのか
プログラム科学論研究会 会員 三石博行
情報ネットワーク上での研究活動の意味
プログラム科学論研究会は、昨年2007年12月に、槇和男氏と三石博行の二人によって呼びかけられ、結成されました。この研究会は、インターネット上に存在し、参加は自由、議論もオープン、会費は無料、これまでの研究会とは違う。つまり、勝手にやっている研究会である。その意味で、これまでの大学研究者を中心とした学術学会とは違い、学術研究会としての権威も資格もない。
吉田民人先生の提案されたプログラム科学論は、科学技術文明社会で生活し生産する人々の世界認識と世界改革の哲学、科学哲学である。この研究会は、新たに形成されようとする文明社会、科学技術文明社会の社会観念形態の基本構造に関係する社会思想を問題にしている。科学技術文明社会の生活世界で活動する人々が、この思想形成の主体である。
したがって、研究メンバーは大学の研究所に限定されない、科学技術文明社会の課題を受け止め、それを何とか解説したいと思うことが、この研究会への参加資格である。参加する人々の学歴、職歴、国籍、年齢、性別などは入会の条件とはならない。参加したいから参加するということで、この研究会の参加資格は成立するのである。
研究活動の目的
プログラム科学論は科学技術文明時代を生きるための知である。科学技術が生活世界の基本要素であり、社会文化環境の中心構造である以上、人間存在の志向性を決定する知としての科学哲学が求められている。これが、プログラム科学論は課題なのである。
Post工業社会、科学技術文明社会の彼方に、我々が目指さなければならない社会と文明のあり方を巡って、このプログラム科学論は新たな科学の基礎理論を提起する。
そして、新たな科学哲学としてのプログラム科学論の構築は、確実にしかも深刻に迫りつつある科学技術文明社会の限界、それ以上に我々の哲学の貧困に立ち向かうために、取り組まれる作業である。
つまり、我々の研究会は、現実の問題を解決するための活動として位置づけたい。何故なら、問題解決に有効なプログラムを正確なプログラム構築と評価できるからである。近代科学の伝統を引き継ぐ「理論的整合性を持つことは、実践的合理性を持つことである」というテーゼは、同様にプログラム科学論の公理でもある。
我々の研究活動の内容と現実
多くの人々がこの理念やプログラム科学論という新しい科学哲学に賛同してくれると、我々は決して期待しない。事実、現在、我々の研究会の会員は現在非常に少数である。しかし、少数であっても、我々には、現実の問題を受け止め、それを解決するために、日々、思索と実験を繰り返す生真面目な姿勢がある。今、我々が唯一、確信をもって言えることは、この生真面目な姿勢を貫き通す態度が、我々にあるということだけである。
情報化社会では、多くの人々が情報を入手することが出来る。この研究会は、情報を公開し、研究活動を公開し、議論を公開する。すべての同時代の人々に、我々の問題提起を述べ、それを展開するための理論を提起し、プログラム科学論を進化させる活動を提案する。
我々の直感が、そして真面目な問題提起が、必ずや多くの人々に共感されることを信じたい。
今後の課題
今、我々にはやらなければならない多くの作業がある。
1、プログラム科学論研究会のホームページの作成。これは、プログラム科学論の議論を体系化するために必要である。
2、吉田民人先生の論文のダウンロードファイル
3、すでに個人のホームページで語られているプログラム科学論に関する文書を紹介する。