2013年1月23日水曜日

アジア共生・東アジア共同体を実現するために

三石博行


第一回「アジア共生」ジョイント・コンファレンス


2013年1月12日から13日に、東京外国語大学で、第一回「アジア共生」ジョイント・コンファレンスが行われた。このジョイント・コンファレンスは5つのシンクタンクの共催と2つの市民団体(日本ビジネスインテリジェンス協会と京都奈良EU協会)の後援で行われた。

ジョイント・コンファレンスとは、学会や研究機関が集まり、共同でシンポジュームを開催するものである。国際アジア共同体学会、グローバル・ガバナンス学科、政治社会学会、日本公益学会、東京外国語大学国際関係研究所の5つの学会と研究所が共同で、現在問題となっている課題を個々の専門分野の領域を越えて、俯瞰的、横断的に検討するために、報告討論会を開催した。日米関係と東アジア共同体構想に関して、多くの議論がなされた。

これまで、日本では、異なる学会が共同でシンポジュームを開催するジョイント・コンファレンスは行われておらず、今回のジョイント・コンファレンスは、これからの学会活動の新しいスタイルを示す事例になった。つまり、現在の課題は複雑で専門性の高い問題分析力とその解決方法が問われる。そのために、多様な専門分野の研究者が、課題に合わせて集まり、問題解決を巡る討論を行う必要がある。

特に、国際化や情報化の進んだ科学技術文明社会では、政治や社会の問題は、科学技術、国際政治、文化人類学や民族学、環境問題、地政学的視点、法学(国内法や国際法)、経済学(ミクロ、マクロ)、政治哲学等々の多様な分野の専門的な視点からの検討や分析解釈が必要となる。その意味で、今回のアジア共生の課題は、国際政治的には日米関係を含めて議論しなければならない。また、アジア共生の課題として取り上げられる地域連合(ASEANや東アジア共同体構想)に言及しようとすると、EUモデルも課題となる。その意味で、国際政治社会学の分野でも、アジア地域の専門家以外の研究者の参加が必要となっていた。

今回、このジョイント・コンファレンスは、日本では始めて俯瞰的横断的立場に立った議論を試みたものであった。今後、こうした問題解決を求めるジョイント・コンファレンスが多く行われるだろう。これらの研究討論の企画が新たな研究の方法論・俯瞰型、横断型研究活動をプロジェクトし、融合型研究活動を創設するのではないかと期待できる。


参考資料


1、第一回「アジア共生」ジョイント・コンファレンス プログラム添付資料 日本語版
http://globalgovernance.jp/wp/wp-content/uploads/2012/12/20121228asia_prosperity_jp.pdf

2、英語版
http://globalgovernance.jp/wp/wp-content/uploads/2012/12/20121228asia_prosperity.pdf

3、政治社会学会
http://aspos.web.fc2.com/index.html

4、グローバルガーバナンス学会 「第1回「アジア共生」ジョイント・コンファレンスのお知らせ」
http://globalgovernance.jp/?p=84

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