2017年10月11日水曜日

主権者としての社会的責任の自覚と理性 

私たちは主権者としての社会的責任を自覚し、政治に冷静な理性を求めます

 日本は「日本国憲法」によって、国のカタチを定め、国会で定める法律によって“法治”する立憲民主国です。思想信条の自由を人権として位置づけ、多元価値・多様性を尊重し合って主権在民の理念で成立しています。
 しかし、現実はどうでしょうか。安倍政権の5年間を冷静に吟味してみる必要があります。大臣を安倍首相の“お友達”で構成し、政治が私物化されているのではないでしょうか。安倍首相への「忖度」によって森友・加計疑惑は国税の使途としては不明のままです。国会で虚偽答弁の疑いのある財務省局長があろうことか国税庁長官に栄転しています。秘密保護法、戦争法、共謀罪などの国会審議においても、大臣達の答弁に混乱や虚偽が重なったにもかかわらず、オトガメなしで、審議不十分なままに強行採決されました。国民の信託を受け、国権の最高機関である国会、つまり主権者国民に対する侮辱です。
 今般の解散総選挙は政治の恥ずかしい実態を背景に混迷を極めています。「逃げ切り解散」と世間で言われているように、森友・加計問題で安倍首相は「誠実で丁寧な説明」する臨時国会を回避するためなのでしょうか、憲法の規定に沿った野党の臨時国会請求を先延ばしただけでなく、所信表明演説もしない冒頭解散という理不尽でした。ここにも憲法無視の「ご都合」が見られます。憲法の精神が踏みにじられて来たのです。
 このような恥ずかしい政治の現実の中で、アベノミクスは破綻が明白となってきました。ゼロ金利で財布のヒモはかたいままです。先行き不安が深刻だからです。笑っているのは輸出関連の大企業だけであり、中小零細企業は四苦八苦です。貧富格差は拡大し、庶民に希望はありません。社会的・経済的な閉塞感はやがて全体主義を引き寄せ、破局的未来につながりかねません。すでに安倍一強体制によって「忖度独裁」は進んでいます。憲法無視の「力の政治」は全体主義的です。希望の党も小池独裁で、その危険性を露出しています。
 時代の閉塞感は庶民の中に不安・不満と苛立を呼び、分かりやすい政策を独裁に求める危険があります。この危険のもたらす全体主義は壊滅的戦争への流れを強めることでしょう。すでに安倍首相はアメリカのトランプ大統領のお先棒を担いで危機感を煽っています。そして、国連の非核条約に反対しました。広島・長崎の経験を持ち、非戦の憲法を持つ日本国ですから、世界の不信感を集めたのも当然で、悲しいことです。
 このような危機的状況の中で、政治の混乱をどう受け止めるべきなのでしょうか。熱狂と興奮は危険な世への雪崩を呼ぶでしょう。私たちは冷静で理性的にものごとを見つめ、一人一人が主体的、自立的に主権者としての自覚を大切にしたいと思います。私たちは混乱に巻き込まれ、うろたえることはもちろん、小池劇場を楽しむ傍観者となるのは無責任です。一人一人の力は小さくとも、力を合わせ社会を健全にする社会的責任を自覚し、日本国憲法が認める国民の権利を行使したいと思います。

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                    政治に冷静な理性を求める京都の有志

 石田紀郎、石野はるみ、伊藤正子、岩本真一、大津定美、大津典子、大見哲巨、岡田直紀、小川光、荻野晃也、小椋純一、落合祥尭川那部綾子、川那部浩哉、北川政幸、楠瀬佳子、黒田末壽駒込武、白井聡、新谷英治、住友剛、田平正子、槌田劭、中尾ハジメ、浜 矩子、平松幸三、藤原 辰史、細川弘明、松久寛、松良俊明、三木草子、三石博行、宮本正興、文殊幹夫、山田國廣、山田耕作、吉竹幸則、和田喜彦      


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