2016年3月10日木曜日

第二回関西政治社会学会研究会の案内

研究者と市民、政策理論と実践活動の交流


第二回関西政治社会学会を3月26日土曜日、同志社大学で開催します。研究会は第一部「自然エネルギー社会は可能か」と第二部「京野菜生産の現場を学ぶ視点」で構成されています。各発表者の発表内容の簡単な要旨を付けて、案内をお送りします。参加して下さい。また、関西政治社会学会の研究会ではグループディスカッションの時間を十分取ってあります。皆様と共に政策課題の議論ができることを期待しています。ご参加をお待ちしております。

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2016年第2回関西政治社会学会研究会のご案内 (要旨付)

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日時 2016年3月26日(土)13時00分-18時20分 
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館2階共同研究室SK288
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開催 挨拶 13時00分-13時05分
関西政治社会学会会長 三石博行氏
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1部 テーマ 「自然エネルギー社会は可能か」
時間 13時05分-15時45分 (150分)
(認定NPO太陽光発電所ネットワーク後援)
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報告者1 仁木住男氏 一般社団法人 南紀自然エネルギー 代表 
「市民共同発電事業と地域貢献 和歌山の事例報告」(報告25分 質問10分)
南紀自然エネルギーの活動は自然エネルギーで地域を元気にすることを目的とし、地域貢献、セルフビルドと共同出資を特徴としています。これまでに3つの太陽光の共同発電所を作りましたが、①利益は地域に役立つ活動を行う団体に寄付し、②近所の人と一緒に手作りで、③地元の出資者に利益の一部を分配する、というモデルを続けています。
 皆に少しずつメリットがあるモデルで、上手くいきそうに思われましたが、新しい取組みを、新しい組織が、周囲の人を巻き込んで進めていくには、信用力を高めること、地元に理解者を増やすことが必要でした。
 そのため、最初はメンバーの一人が個人で発電所を作ることから始め、様々なイベントを通じて支援者を増やして来ました。最初の頃は目論見通りに進まないことが大半でしたが、今では小規模な太陽光発電所を市民の力で作るためのコツはわかってきましたので、今後は他地域を応援していきたいと考えています。
 
1,自然エネルギーを使った地域貢献
 1)地域で自然エネルギーを作る意義(遊休地活用、富の創出、域内経済循環など)
 2)利益の還元方法、インパクト(共同発電の仕組み、寄付先、寄付額など)
2,市民共同発電所を作るプロセス
 1)仲間づくり
 2)お金集め
 3)セルフビルド
 4)地域の中での受け止められ方
3,課題の克服と地域に根付いてゆくプロセス
 1)これまでの取組みの振り返り(お金、仲間、地域での受容)
 2)「自然エネ×地域活性化」をスムースに進めるには
4,今後の展望
・太陽光は定常状態に入ったが、広がる余地あり
・小売り自由化で地産地消ができるように
・地域間の連携で各地の事業が安定成長に
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報告者2 伊藤博文氏 PV-Net理事 伊豆の国電気の畑代表 
「地域分散型手作り太陽光市民共同発電所のエネルギーシフトに果たす役割」(報告25分 質問10分)
NPOPV-Net静岡世話人会では、2011年1月に手作り太陽光発電所(10kW 第0号機)を数人で設置し、市民共同発電所の建設の実験を行った。3月11日東日本大震災・福島原発事故が発生し、5月に現地視察と調査を行い、原子力に頼らない電気の生産をモットに掲げ、本格的に市民共同発電所建設に取り掛かった。建設作業は会員のボランティア活動(手作り)で行われた。18.24kWの伊豆の国電気の畑(市民共同発電所第1号)が2012年9月に完成。二つの発電所建設の経験を総括・反省しながら手作り共同発電所建設の資金集め、作業行程、発電所の維持管理等々、市民共同発電所の在り方を検討点検した。更に、震災被災者の支援に手作り発電所建設の経験を活かし野田村の市民共同発電所の建設に協力した。また、地元地域の市民活動との連携も積極的に形成してきた。 その後、2号、3号機と共同発電所を作り現在6号機(2015年9月)を建設し、現在合計88.56kW出力の市民共同発電所に成長している。我々は、小さな市民共同発電所建設活動を社会全体の大きなエネルギーシフトに貢献できるための活動を模索、点検、展開しようと考えている。今回の発表では、地域分散型手作り太陽光市民共同発電所のエネルギーシフトに果たす役割と課題に関して述べる。
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報告者3 朴勝則氏 関西学院大学総合政策学部教授
「ヨーロッパの再生可能エネルギー普及政策」(報告30分 質問10分)
 西欧諸国では再生可能エネルギー(再エネ)普及策の実施は、電力市場の自由化および気候変動政策の具体化と、ほぼ同時期にEU共通政策の下で行われた。EU法の指令(directive)を加盟国が国内法化する際には、再エネ普及という目的に対し、政策措置の選択に関して幅広い裁量の余地がある。その結果、再エネの伸び率は、国によって大きな違いが生じた。端的には、実効性のある固定価格買取制度(FIT)等を採用したドイツ、スペイン等に比べ、固定枠制度(クオータやRPSと呼ばれる)をとった英国等では、政策を大幅に転換するまで、なかなか普及が進まなかったのである。この点を、欧州委員会の補助を受けたOPTRES研究に基づいて明らかにする。
 後半はドイツに注目して論じる。国策として脱原発が決められ、再エネ普及が一層進むなか、再エネ法賦課金の負担増加が叫ばれている。その一方で「メリットオーダー効果」による電力市場価格の下落の恩恵を、大企業ばかりが受けているとも指摘される。再エネ普及と電力自由化の相互作用と、ドイツのエネルギーシフトの成果と課題、それを巡る政治経済学について論じる。日本はここから何を学ぶべきなのか。
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グループデスカッション (40分、報告10分)
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休憩16時00分-16時15分 (15分)
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2部 テーマ「京野菜生産の現場を学ぶ視点」
時間 16時15分-18時15分(120分)
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司会と課題提供 (報告10分)
佐藤洋一郎氏(大学共同利用機構法人 人間文化研究機構 理事)
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報告者 関谷大貴氏(京都大学大学院農学研究科食物栄養学研究室)、(報告25分 質問10分)
京大農学研究科の間藤研究室では、京野菜の生産の現場を学ぶという趣旨から、京野菜の生産者である石割氏の指導を得て京野菜生産の実地を学習してきた。野菜の農家経営には単に栽培の技術の習得だけでなく市場が求める安定的な生産や販路の確保という経済面の知識や経験が欠かせない。食物栄養学研究室(間藤 徹教授)では京大生協への大根の販売という取組みもおこなって学生にトータルな知識と知恵を身につける機会を提供してきた。こうした教育上の取り組みに対して、学生の立場から、種々意見を述べる。
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コメント佐藤洋一郎氏  (報告20分 質問10分)
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グループデスカッション (40分、報告10分)
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閉会の挨拶 18時15分-18時20分
政治社会学会理事長 新川達郎氏 
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懇親会 18時40分-20時30分
場所 サンゼリア今出川駅前店
京都府京都市上京区今出川通室町東入今出川町313 SAKURA BLD.今出川Ⅱ 2F
参加費2000円、学生1000円、招待者0円(飲み物1杯以上の料金は自己負担)
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関西政治社会学会 研究会事務局 
連絡 090-8201-0993
Email hiro.mitsuishi@gmail.com
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