2016年8月23日火曜日

向き合うことについて

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向き合うこと


私は私に真剣に向き合ったことがあったか。
私は君に真剣に向き合ったことがあったか。
私は社会に真剣に向き合ったことがあったか。

向き合うということは、受け止めることだ。
向き合うということは、理解しようとすることだ。
向き合うということは、共に生きようと努めることだ。

どんなに苦しくとも、受け止めなければならない現実がある。
どんなに嫌でも、聴いてやらねばならない意見がある。
どんなに苦手でも、共に生きなければならない人々がいる。

向き合うことを勇気と呼ぶ。
向き合うことを愛情と言う。
向き合うことを優しさと理解する。

どんな時でも向き合う姿があれば、いつか、分かり合える。
どんな時でも向き合う姿があれば、いつか、乗り越えられる。
どんな時でも向き合う姿があれば、いつか、喜びがやってくる。

しかし、向き合うことは、
簡単なことが、出来ないのだ。
単純なことが、難しいのだ。
基本的なことが、理解されないのだ。


詩集『心象色彩の館』 目次


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向き合うこととは何か



当たり前のことだが、誰でも、不都合なことを避けたいと思う。それは、自分に不利になるし、厄介なことに巻き込まれるし、ややこしい後始末が待っているし、ともかく、自分に不都合に近づかないのが賢明な人々の生き方なのだ。子供の頃から、不都合なことを避けるようにと教えられ、不都合なことを敢えて頭を突っ込むのは「バカ、キチガイ、ヘンジン」と言われた。賢い人とは、自分に不都合なことから上手に逃げる技を持ち、自分の身を守る人だと教えられた。 だから、不都合な現実から人は、自然に逃げるように出来ているのだ。

しかし、その不都合なことが、自分の現実であり、または、家族や親しい友人たち、自分の所蔵する会社、町は社会、そして国の現実であったら、それからも逃げることが「賢い生き方」だと言えるだろうか。と言うのも、これらの不都合な現実は、結局、自分を含む社会、集団、家族の不利益を導くことになる。それらの不都合な現実に向き合わないことによって、いつか、自分は不利益、被害を受けることになるだろうと察するも出来る。


だから、多分、人は、それらの将来予測される災難にあわないために、今ある不都合な現実を受け止め、それを解決しようとする。言い換えると、私たちが不都合な現実に向き合うのは、何も、その不都合な現実に向き合いたいから、向き合っているのではない。これからのより良い生活や生き方のために、その不都合さに向き合わなければならないからこそ、向き合っているに過ぎない。言い換えると、不都合な現実に向き合う必要がなければ、誰も、嫌で苦しい思いをしてまでも、不都合な現実に向き合うことはないのだ。


不都合な現実と呼ばれる多くの課題、例えば、自分の、家族の、こどもの、社会の問題、それらの問題は、殆どの場合、即座に答えが用意されてもいない。それらの不都合な現実の課題には、一つの回答も、唯一の解決策も、永遠に有効な答えもない。

殆どの場合、不都合な現実と呼ばれる多くの課題の答えとは、答える過程にしか用意していないし、答える過程を通じて無限に用意されている。つまり、それは、生きていいる私たちが、つねに不都合さを生み続ける現実と呼ばれる未知の世界を歩き続けているからこそ、新たに生み出され続ける不都合な現実という課題に過ぎない。だから、答えは、そこに在って、そしてそこにたどり着くことで、またそこから消えていく。やっとたどり着いた答えの中から、新たな不都合が見つかる。生きていいる現実は、限りない疑問の中に、生きている私を留め続ける。それが不都合な現実の正体なのだ。

だから、得られた答えに、求めるものは、得られた意味よりも、得ようとしたこころしかない。
だから、得ようとした人に、求められるものは、その人の横にいた得ようとした人でしかない。
それが、不都合な世界のなかで、向き合うということの、意味になり、
それが、不都合な世界のなかで、向き合うことから得られた、答えになる。

向き合うことは、異なる文化の人々、立場の違い、意見の相違と呼ばれる、不都合な現実の在り方に対して、共存の可能性を照らす、唯一つの手段なのだ。だからと言って、答えが見つかった訳ではないが、不都合な現実が引きここしている問題の半分が、すでに解決されている。



2016年8月22日月曜日

官僚の力に敗北した民主党政権の歴史

政治活動の基本としての政策点検と政治思想点検(1)


2009年7月、民主党政権が成立した。多くの人々が政権交代に期待した。また、民主党政権成立は、同時に、マニフェスト選挙という新しい民主主義政治文化の形成も意味していた。21世紀の成熟した民主主義文化の社会・日本の始まりと、民主党政権の成立は、重なり合って、国民に大きな期待を与えたようにも思えた。

しかし、民主党政権は、その始発から熾烈な官僚体制との死闘を繰り広げ、官僚のボイコットが起こり、行政機能はマヒしていた。まさしく、民主党政権の本当の敵は自民党ではなく、霞が関の官僚達であったと言っても過言ではなかった。

陰険で狡猾、そして高度な策略と直接的に政権運営の機能性を左右する行政力を持つ官僚制度、それこそ、明治以来、日本の近代化を成功させ、戦後の復興に起用した日本で最も有能な集団、それが官僚組織であった。その強烈な集団を敵にして戦えるほど民主党は強くもなければ、有能でもない。だから、その勝負はあまりにも、明らかだった。

例えば、最も典型的な事例は、小沢一郎という政治家の社会現象である。それこそ、民主党政権を語る政治指導型権力と官僚とのし烈な闘争劇であったとも言えるだろう。

そして同時に、その闘争は、菅直人という政治家現象とも言える、原発事故をめぐる官僚と政府との駆け引きが闘争として展開しながら、ついには民主党政権が官僚に敗北しその強烈な官僚軍団に平伏した。それが野田政権という政治現象と言えるだろう。

つまり、民主党は自民党に負けたのではなく、官僚に徹底的に負けた。そして、政治権力を失った。
もはや官僚のいう事を聴くために、彼らはマニフェスト選挙運動の在り方までも破棄した。そして、国民との選挙公約を軽々しく破棄し、消費税を上げた。消費税を上げることが悪いのでなく、マニフェスト選挙という間接民主主義制度の中で、国民主権を強烈に推進する政治手法を破壊したことが、最も民主党政権の犯した大きな間違いで会ったことにする気付かなかった。

そのことが、彼らが民進党と改名したとしても、今日の国民の民主党政権を担った政治家への不信となっていることに気付くべきだと思う。

そして、我々は、民主党政権を根底から解体した力を持ち、また、今日の自民党政権を実務的に支える強烈な軍団·官僚制度に対して、より正確に理解することを求められている。

つまり、彼らを超える、政策と行政の専門家集団を国民自ら準備することが出来るのかという課題に実践的に取り組まなければならないのである

装置としての政治社会学会

私にとって政治社会学会活動の意味とは

私は、元々、哲学分野の研究者であった。勿論、社会問題に関心はあった。哲学と反省学と位置づけ、応用哲学を科学基礎論と考えて「生活資源・情報論=生活学原論」に関して論文を書いていた頃、吉田民人先生に出会った。吉田民人先生のプログラム科学論やその展開としての設計科学論に大いに共感した。

生活主体を含み系としての生活環境を調査研究する生活学(今和次郎が唱えた生活学)は、その意味で、「自己組織系の生活プログラム・設計科学」であると理解した。

槙和男氏と、「自己組織性の情報科学」から吉田論文のほとんどを毎日、インターネットで学習研究会を続けた。また、Eddy VanDrom氏と主な吉田論文のフランス語訳をした。
さらに、政治社会学会の理事長(当時)の荒木義修氏と出会う機会があった。荒木氏から政治社会学会を紹介され、学会に参加した。

総合的な人間社会政策学・設計科学としての政治社会学

政治社会学は人文科学、人間社会科学によって理解認識された課題に対する「問題解決のために設定された学問」、言い換えると、政治社会学のテーマは、すべての社会現実を受け止めた所に存在すると言える。そこで我々は、政治社会学を「総合的な人間社会政策学・設計科学」であると考えた。

こうした政治社会学の学問的特性(科学性)から、研究会の課題は、時代の流れや文化的広がりに沿って、自己増殖的に増え続けるだろう。その意味で、この研究会の課題が、この研究会を構成する会員の研究課題に限定され、そして規定されていることは言うまでもない。

我々は、この半無限の政治社会現実をすべて相手にして語ることは出来ない。しかし、我々は、すべての政治社会現実が我々一人ひとりの研究者の課題に、時代的にそして社会文化的に、相互に関係(相関)していることを理解するのである。

研究会の意味、個別研究者の利益保証、集団的相互関係、学問的刺激

当然のことながら、この学会での研究活動や研究交流活動は、この学会を構成する会員の研究課題に一次的に規定される。学会員が積極的に自分の研究課題を他の学会員たちに示し、共通する課題、または拮抗するテーマを相互に理解し、意見交換し、自分の研究に役立てることが、この研究会の存在意義となる。

この限定的な構成会員の研究活動上の利益を無視しては、この学会の現在的な発展はない。その意味で、我々は、政治社会学会員のそれぞれの研究課題やニーズを理解しなければならないだろう。と言うよりも、学会のメンバーの参加とその広がりによって、この学会はアクチィブになるだろう。

つまり、この研究会はそのための機能であると謂える。つまり、この研究会が、構成メンバーの学問的ニーズをくみ上げることが出来れば、この研究会活動によって、多くの有意義な議論、共同研究の可能性、学問的刺激を生み出すことが出来る。これこそが、学会活動のあるべき姿であり、その存在理由でもあると言える。

「文理融合型総合政策学・設計科学」研究の装置としての政治社会学研究とその研究会

日本学術会議の登録されている学会は、大凡500以上もある。その中で、人文社会学系の学会は、半分以上、三分の二ぐらいを占めている。つまり、300近い人文社会系学会がある。政治社会学系にしろ、同じ単語を使い、また、それらの組み合わせをもって、複数の学会がある。そこには、戦前から続く所謂伝統的な学会、例えば、日本社会学会や日本政治学会などもある。しかし、その殆どが、200から300人の会員の弱小学会である。

政治社会学会は、伝統的な学会、日本社会学会と日本政治学会の「政治学」と「社会学」とを用語結合させた学会であると揶揄することもできるが、こうした新しい学会組織化活動の、それこそ政治社会学的な理解に立てば、古い学会の権威主義や組織硬直化に対して、新しい学問の息吹と流れを模索した人々が、新しい学会を組織したと言える。この学会は、その意味で、科学技術文明社会で必然的に課題となる文理融合型の政策学を課題にして、文系理系の融合型政策立案活動を前提とした学会を提案組織した。
しかし、その謂わば「大風呂敷」に「実」を包み込めるか、それとも「幻」を包んで喜ぶかは、今、この現在の「闘い」としての「学会活動」以外に何もないと言える。古い体制に反抗した人々が、力尽き反旗を下すか、それとも彼らを超えるかは、新しい学問「文理融合型総合政策学・設計科学」の創造以外にもはや他に何も見当たらない。

多くの弱小学会が、少なくともその呼びかけや組織化の初期段階では、形骸化した学問研究の組織や課題に対して、反旗を翻したのだとすれば、今、それらの思春期の終わりに、もはや大人への反抗力を持ち合わせていない状態になってはいないか。そうだとすれば、それらの学会を一日も早く、解散して、確り安定した伝統的な学会に吸収されるべきではないだろうか。その自己解散を決意できない学会は、若手研究者の研究費の無駄遣いをするだけで、それ以上の何物でもないと言われることになるだろう。
こうした夢見る弱小学会が、大きくなり、学術集団の主流となり、それを中心とした新しい学術体制化、学術研究の流れを生み出すことが出来る条件とは何か。その源流として伝統化されるには、まず、新しい学問「文理融合型総合政策学・設計科学」が成立し、そしてこの学問が社会的に認められ、かつ、学問の主流を形成しつつある状況が生まれているが条件となるだろう。例えば、欧米では、1960年代、科学哲学は哲学研究の主流ではなかった。しかし、1980年代になると、それは次第に哲学研究の大きな研究課題となり、そして、現在では、その主流になっている。同じことが、癌免疫学でも謂える。学会の栄枯盛衰とはその学会が展開する学問の時代的評価に依存し相関しているのである。

言い換えると、我々政治社会学会の研究者が、科学技術文明社会での人文社会学・政策学の在り方として「文理融合型総合政策学・設計科学」を形成展開できることなくして、この学会が弱小学会から脱却できる道はないと理解すべきだろう。その意味で、この学会の組織問題とは、この学会の趣旨や目的を実現する戦略を、この学会活動を通じながら課題化し、そして具体化できるかと言うことになるだろう。

この学会の研究会活動は、そのための装置である。つまり、それは、この学会の設立理念「文理融合型総合政策学・設計科学」の創造のための研究活動に執着し続けることが出来る装置にすべきであると言える。この大風呂敷の学問的課題に一人の研究者が固執し続けることは天才的な力がなければ不可のであが、しかし、集団となり、そこに、云々この理論や実践によって「文理融合型総合政策学・設計科学の創造は可能である」といい共同主観的世界を構築することで、一歩、そのまた一歩の道のりが可能になると言えるだろう。

さて、新しい学問の形成装置としての政治社会学会とその研究活動の在り方を、新しい学問の方法論として考えてみたい。学会研究会の運営もその一つの課題だと思う。では、それはどうすべきか、考えてみた。それは、多分、決して、無駄な作業ではないと思う。政治社会学が政策学であるなら、学会運営はその政策学の一つの実験に過ぎない。実験ができる機会を持つことによって、より、理論は確かなものになると言うことは、すでに説明するまでもないことだと思う。

すべての現実社会の課題としての政治社会学のテーマ

政治社会学の課題は多岐多様な課題がある。その基幹的な課題を列挙するなら、以下のような課題が存在する。それも全ての課題の中の一部に過ぎない。

経済社会構造改革、
食料問題(農業、漁業政策を含む)、
エネルギー問題(原発問題、再生可能エネルギー、省エネ対策、エネルギー資源枯渇等々の問題を含む)、
鉱物等自然資源問題、
立法制度改革、
選挙制度改革、
財政改革(税制等の課題を含む)、
司法改革、
行政改革(地方分権を含む)、
教育(義務教育、高等教育、海外や通信教育、生涯教育、社会や企業内での再教育等々を含む)、
科学技術政策(先端技術開発、伝統技能、融合型科学技術開発、国内科学技術資源管理等々の課題を含む)、
育児・幼児教育(人口問題対策を含む)、
医療(先端治療、健康、医薬に関する課題等を含む)、
福祉、
文化、
環境、
自然災害、
治安(防犯、消防等を含む)、
情報政策(通信、秘密保護と情報公開等を含む)、
外交(国際交流、国際支援、軍事的外交を含む)、
国防、
労働政策(労働人口、労働力保全政策、雇用問題等々を含む)、
家族政策(婚姻制度等を含む)、
村落、市町村、都市計画、
市民社会政策、
交通流通政策、
観光政策(環境、文化政策等と重なる課題)、
報道(公共放送や市民メディアの課題を含む)、
人権(性的、社会的、経済的、人種的、等々の差別問題を含む)、
等々、
謂わば、現実社会のすべての課題が政治社会学の課題となる。



君に理解して欲しかった「命の別名」 

中島みゆきの「命の別名」を槙さんから教えてもらった。19名の命を奪った彼に聴いてほしかった曲であり詩であった。命という課題に向き合うこと、それは自分の生き方に向き合うことだと思う。

昔、母がメスの赤ちゃんを育てている「野良猫」に対して、同じ母親の経験をしてきた人間(動物)として、語った言葉があった。その時、母は、その赤ちゃんを育てている猫に対して共感に満ちた言葉を掛けていた。

命の尊さ、それは自分の生きた人生への愛情や生きてこられた人生への感謝の念をもって生まれる。だから、生きていることの意味は、生きていることという事実の中にしか見えない。

それはことばではない。それはことばを超えた、そこに居たた人々や存在者たちなのだろう。
もう一度、彼にこの曲を聴いてもらいたいと思った。


https://www.youtube.com/watch?v=L46IEE46jvU&feature=share

- 系統連結の課題 : 変動電圧の調整機能を創る課題とは何か (歴史的視点からの理解)-

自然エネルギー社会を目指して(1)


8月6日、PV-Netの中部地方ブロック代表の武田氏、愛知交流会の吉田幸二氏、都筑健PV-Net代表、系統連結の研究をしている大阪大学工学部の野間口氏、私を含め他のメンバーと、名古屋市の郊外で、系統連結の課題に関する調査を行った。

発電所から高圧送電線で送られる3万5千Vの電圧は第一変電所で6600Vに変換され、それが町の送電線に送られる。我々が街で見かける電柱には6600Vの電流とそれから220V(110V)の電流が流れている。それらは、発電所から第一変電所、そして自動変圧器やトランスと、常に、生産地(発電所)から消費地(家庭、企業、公共設備等)に一方的に流れる仕組みが出来上がっている。

電気の流れは、丁度、水の流れをイメージすればいいだろう。例えば、日常目にする田んぼの風景であるが、あれも、稲作が始まり、その生産量を上るために3、4千年掛けて我々の先祖が造り上げた灌漑システムである。高い所から低い所に流れる水の性質を利用し、広大に広がる水田地帯を創り上げるために、すべての田んぼに水を均等に配分する灌漑システムを作り上げたのである。今、自然に田んぼを流れる水も、そうした壮大で機密な設計、土木事業、日常の水路管理の努力によって、流れているのである。

それに比べると送電の歴史は明治初頭から約150年ぐらいしかない。これまで、単純に発電所から消費地へ、一方方向に作られる高低差を前提に、消費量の違いによって生じる電圧の高低変化を、変換器によって、微調整するだけでよかった。

しかし、消費地であった場所に、分散的に生産地が生まれる。これが、地消地産型の電力システムであるのだが、今までの、電気の流れと異なる事態を生むことになる。これが、系統連結問題として語られる課題である。

もし、220Vで調整されている送電線網内に多くの太陽光パネルが電気を生産すると、その生産量が消費量を越えた場合、その地域内での電圧がそこに送電する送電線の電圧よりも上ることになる。
丁度、ある地区の田んぼで湧き水が発生し、今まで、その田んぼに水を供給していた水路の水笠よりも高くなった場合を想定すると良く分かる。もし、排水機能がないなら、その田んぼは水浸しになるだろう。
電気の場合、水よりも大変である。つまり、電流が逆流することになる。その場合、電流の逆流を防ぐか、もしくは、逆流させ、それをより低い電圧地域に流すように工夫しなければならない。

一般に、こうした事態を避けるために、送電網には手動の変圧器がある。しかし、太陽光パネルや風力発電の場合、時間帯によって電圧が変動するため、手動で電気の流れを切り替えることは不可能に近い。そこで、自動変圧がある。それは、インターネットを通じて、逐次、電圧の変動情報が変圧器に送られ、その情報に従って、変圧器が電流の方向を調整する。

現在の自動電圧調整器で、技術的に部分的に電流の流れの方向をコントロールすることが出来る。その意味で、電気の地産地消のために電圧調整の課題は、負荷のではない。しかし、街のすべての電柱に自動電圧調整器を設置するコストを計算しなければならないだろう。
確かに、理屈の上では簡単な話も、現実には、極めて複雑に事態が進行している。我々の調査団は、吉田氏のこれまでの調査をフォローした。第一変電所から吉田氏の自宅までの送電線網を調べ、吉田氏が自宅で測定している野外電圧の測定装置とそこで測定されたデータ、さらには自宅の太陽光発電によって生産されている電気量のデータと売電データ、そして、その間に生じている系統電圧抑制の資料と野間口氏の理論的な研究論文を基にして、調査と議論を行った。

自然エネルギー社会を創るために、生産者が電気を創るというだけでなく、その電気の経済的な流れのシステムを創り出すことが必要だと思った。大昔の稲作文化を創りだそうとした人々が、稲の品種改良(発電効率の高いパネルの開発)、水田土壌の改良(安全なパネルのフレームは土台の開発)、水田の水はけの改良(最小地域内での電圧調整の開発)、灌漑システムの改良(広範囲な地域電圧調整の開発)等々を行ってきた歴史に深く学ぶ必要があると思った。

参考資料

PV-Net 「太陽光発電に係るさまざまな諸問題への提案書」
http://www.greenenergy.jp/pdf/press_release.pdf
吉田幸二著 『太陽光発電の普及・促進の影で』
http://www.greenenergy.jp/pdf/report.pdf
野間口大 その他6名 「分散型エネルギーシステム構築に向けた補助金制度計画と系統整備計画の連係シナリオの立案・評価」

やっぱり生きていることは素晴らしい

考えるまでもなく、人は自分の人生と対峙しながら生きている。
例え、どんなに幸福な家に生まれようと、
また、素晴らしい才能に恵まれようと、
生きている限り、決して、良いことばかりではない。
苦しいことや、悲しいことが起こる。それが生きるということだ。

ましては、恵めれない生活環境や社会に生まれ、その中で生きるなら、
人は、もっと強くならなければならない。
自らの人生を受け止め、その現実を噛みしめ、
それを肥やしにしながら、生きていくしかない。
それがいつか、その人を鍛え、強く、豊かで優しい心を育て上げる。
それが生きるということだ。

どんな人も、どんな生き方も、
必ず、試練の嵐に叩かれ、またうららな春の日差しに抱かれる。
それらが、どんな人も、どんな生き方にも、強く、豊かで優しい心を贈るだろう。
それが生きるということだ。

生きることを見つめることで、人は、他者を想うことを知る。
生きることにこだわることで、人は、命の重たさを知る。

若者よ。

高校生の政治活動への規制とは何か

昔、1965年の夏だったと思う。私は高校2年だった。ベトナム戦争の映画を観て、ショックを受けた。丁度そのころ青少年赤十字(Junior Red Cross)の活動に参加していた。青少年赤十字では「ベトナムの戦禍に苦しむお母さんに乳児用のエプロン」をつくって送る運動をしていた。その活動に参加しながらも、私はベトナム戦争に反対すべきと、部員を集めて議論をした。そのことが、学校側に伝わり、「これ以上、政治活動をするなら、退学処分になる」と部活の顧問から言い渡された。あの時、私は、まるで頭を鈍器で殴られたようなショックを受けたことを記憶している。深く傷ついた。大人たちの欺瞞。それから青少年赤十字は辞めた(辞めさせられた)。

そして、強烈な挫折と絶望感に襲われた。あの非道なベトナムでの戦争を、ついこの前、戦禍で苦しんだ我々日本人が反対できない。戦争反対という心が、退学に処されるというのだ。その不条理と不正義、それに対してあまりにも無力な自分がそこに居た。暗い青春の挫折に覆われながら、私の高校時代は終わったようだった。

半世紀もたって、同じことを高校でやっているようだ。しかも、当時の教師は戦前の教育を受けた人々であったが、今は、私と同じ、戦後民主主義の教育を一応受けている。ましては、学生時代にベトナム反戦運動や大学教育民主化運動をやった人々も多く居たと思う。それが、高校生の政治活動を行うことを規制しようとしている。

それは、選挙権をもつ人々、つまり日本の社会に責任を持つ一人の国民に対して、取るべき態度なのか。もし、18歳の選挙民に対して「政治活動の規制」を当然のことのように行う大人(教育委員会や教師)は、それらの人々に対して「君たちは子供なんだから、子供が政治活動をすることは、まだ許されていないのだ。だから、我々、責任ある大人が、君たちの行動を規制し、保護しているのです」と言うべきだ。その上で、「君たちは、選挙権を持つ国民で、選挙結果への責任は君たちにある」と同時に言うことが出来るだろうか。

若者が政治活動に無関心であることが、この国や社会では、正しい若者の姿であるとされ、若者が社会や国のことを考えないことが、望ましい若者の生き方であるとされて来た。そして、政治への無関心、投票率40パーセント以下、それが、今の私達の社会で当然のように地方から国までの選挙の姿として定着している。このことへの危機感は無い。このことが未来何を導くのかということへの不安もない。

本当に、こうした社会を作ってしまった私達、戦後世代の責任は重い。

惰性化する感性 風化しつづける現実

当たり前のことが、何だか風化しつつある現実、その風化した世界からの発言で、ふと、現実が何かを理解する。それは、福島や沖縄に、そして被災地に住んでいない我々の鈍った感性を自覚させる契機となる。多分、丸川さんは、もう、福島原発事故で、避難している人々、また汚染されて耕せない土地、人が数分なりとも近づけない放射線量を放し続ける原発内部、半世紀を睨んですすんでいる廃炉作業の現実を、いつの間にか、いや今まで、知らなかったのだろう。この発言は、多分、丸川さんだけでなく、ひょっとすると多くに国民もそうなのかも知れないと思った。私自身も、そのことを自分に返すことにした。

戦争という悲劇


戦争には殺される側の被害者と殺す側の加害者が居る。戦争は、同時にその二つの立場を同一の人物が持つことになる。その意味で、犯罪者と犯罪被害者の構図とは異なる、加害と被害の関係が生まれる。
戦争に行って敵を殺した私が、もし、反戦を言うなら、私は、私の戦争加害者を語らなければならない。
戦禍の中で家族を殺された私が、もし、戦争を憎むなら、私の家族が戦地に行って、他国の家族を殺さなければならない兵士となった悲しみを語らなければならない。

戦争という悲劇は、殺す側と殺される側が、1秒ごとに交互に立場を変えて、殺したくない、殺されたくない、人の心を、奪い去り、殺されないために、殺す、惨めな存在者たちにの同じ色の軍服を着た名前のない人々の群れの一人に化すことだろう。

それは、もはや私という個別の色の名前を持たない、同一色化した代名詞化した兵士なのだ。

2016年8月12日金曜日

関西政治社会学会研究会 KMCイノベーション研究会共催講演会の意味について

三石博行 関西政治社会学会会長


2016827()開催の関西政治社会学会研究会 KMCイノベーション研究会共催講演会 「産業ツーリズムと地域再生」のプログラムをお送り致します。この講演会は政治社会学会が、これまで当該学会の伝統である文理融合・総合的政策を課題にし企画したものです。21世紀の社会・科学技術文明社会での政策研究·実践は、理工系、社会経済系、生活福祉系、生態農林系、医療生物系、行政立法系等々のこれまで専門分野として分化発展してきた個別科学技術の垣根を越えて、政治社会文化や環境問題に対して、総合的に問題解決のための設計図を提案し、より経済的合理的、そして民主的に取り組むことを求められています。その意味で、今回の講演会は、その始めのはじめ、小さな一歩を踏み出しそうとして企画されたものです。講演会では、参加者の皆さんと共に意見交換の場としての「デスカッション」を30分間設定しました。参加された皆様も、講演者と共に議論を繰り広げ、より豊かな、講演者と聴衆の垣根を超えた、意見交換がなされることを期待しています。ご関心のある方は、参加して下さいますようにお願い致します。


三石博行 関西政治社会学会会長

2016年8月5日金曜日

第1回KMCイノベーション研究会・関西政治社会学会 共催講演会(8月27日)

文系と理系の研究者技術者の共同講演会の企画 共催講演会企画の意味

関西政治社会学会は京都大学工学部機械系同窓会(京機会・KMC)イノベーション研究会と共同で講演会『産業ツーリズムと地域再生』を開催することになりました。この企画は、政治社会学会(関西政治社会学会)に取って、新たな試みとなります。と言うのも、政治社会学会は、その成立の当初より文理融合を課題にし、俯瞰的(総合的)政策学の理論と実践の学を形成しようと志した人々の集まりでした。俯瞰的文理融合型政策研究と実践の展開や形成は、文系と理系のあらゆる分野の人々の相互交流と協働を可能にする制度や活動の形成は勿論のこと、その融合型協働が可能になる科学基礎論(科学哲学)やそこから生み出される新しい科学技術、政策、社会理念等の評価点検を行う活動が必要なのです。
この文系と理系の二つの組織の共同講演会は、上から日本の学術文化の変革・2000年日本学術会議が日本の大学教育研究の変革として掲げて俯瞰型研究の提唱(吉川弘之氏と吉田民人氏による)を、ある意味で社会の現場から起こそうとしているとも言えます。つまり、企業や社会の現場では至極当然の俯瞰型文理融合政策・技術開発が、学問の府と呼ばれる大学の研究教育の場では、最も遅れているのが現実なのです。従って、この文理融合型政策提案は、総合的に課題を解決しなければならない社会の問題解決の場で展開されるのだと言えます。
また、この文系と理系の共同の講演会は、今までの講演会、演者と聴衆に二元分離したイベントから、参画型で交流型の討論様式を取り入れながら、新しい研究会と呼ばれる活動を展開しようとしています。それは、問題解決のための議論と交流の場から始まる活動を目指しているのです。言い換えると、この研究会活動自体が、総合的政策提案やや技術開発の企画のための実験だとも言えるのです。問題を解決しようという意志がない限り、新しい方法や技術、知識も生まれ得ないのだと思います。それがこの協働の研究会活動と呼ばれる実験装置の作成に問われているのです。いまだ十分に形成展開されていない俯瞰的(総合的)政策学の理論と技術を提案・検証するための装置として、この研究会活動を位置付けたいと思います。
関西政治社会学会会長 三石博行
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◎第1回KMCイノベーション研究会・関西政治社会学会 共催講演会
『産業ツーリズムと地域再生』
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日時 2016年8月27日(土)14時00分-18時00分 (240分)
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館 
https://www.doshisha.ac.jp/inform…/…/imadegawa/karasuma.html
参加自由、参加費無料
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共催講演会開催の経過と趣旨


京都大学工学部機械系同窓会・京機会(KMC)イノベーション研究会は、本年、「地域再生」(公共圏におけるイノベーション)をテーマとして、科学技術だけでなく、公共政策やイノベーションを支える理論、思想、哲学までを含む俯瞰的な研究ネットワークをイメージし、企業人だけでなく、大学、官庁、諸学会など幅広い活動経験をもつ人々と組織との連携を目指してまいりました。このたび、大阪大学、リヨン第三大学(AM・リュー名誉教授、科学哲学)、ストラスブール大学(PhD三石博行氏)とご縁がつながり、成立の当初より文理融合を課題とし、俯瞰的(総合的)政策学の理論と実践の学を形成しようと志された人々の集まりである関西政治社会学会(三石博行会長)と首記のテーマで合同講演会を開催することとなりました。
京都大学工学部機械系同窓会 KMCイノベーション研究会座長 林 完爾
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開催 挨拶 
林完爾 氏  京機会 KMCイノベーション研究会座長 (10分)
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第1講演 高木英彦氏 NEDO関西支部支部長 NPO法人ツーリズム研究機構コーディネータ
題名「産業ツーリズムを通した地域イノベーション」 (70分)
インバウンドという言葉が、図らずも身近なものになってしまった昨今。インバウンド=爆買いの考えを排し人的交流の一面として捉えて、その経済的、社会的効果を整理・理解し、我が国および海外諸国がともに発展する方策を考えることが重要だ。
人的交流は、ビジネス面での交流が大きな経済効果をもつにもかかわらず、わが国では観光(Sightseeing)という面でのみとらえられている。未だに役所は観光庁となっている。一方、海外ではツーリズム(Tourism)という大きな概念でとらえており、ビジネス出張と物見遊山の観光旅行をトータルに考えている国がほとんどである。
産業ツーリズム(Industrial Tourism)は、海外で通じる立派な英語であり、わが国では、ツーリズム研究会の代表であった故住野昭氏によって広められた概念である。今では耳慣れたものになった「産業観光」もその一部をなすものである。
今回は、これまでさまざまな機関で取り組まれてきた産業ツーリズムを紹介するとともに、その本質を議論し、特に地域経済にとってどのような意味を持つのかを、質疑応答により発見される新たな知見も含めて考えていきたい。地域(企業)には、自らイノベーションを起こすきっかけを提示できれば幸いである。
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ディスカッション  (30分)
問題設定、視点・仮説提供
ファシリテーター 林 完爾氏
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休憩 20分
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第2講演 新川達郎氏  同志社大学教授 政治社会学会理事長
題名「これからの自立的地域再生と政策実現のための環境づくり」(70分)
要旨
人口減少や縮小社会にどう対処するのか。日本は超高齢社会、縮退社会、あるいは縮小社会の時代に入っており、その当面する衰退問題への対応が大きな課題となっている。将来予想では、2060年人口は今の2/3、そのうち40%が65歳以上になるという。人口政策あるいは将来の国民生活のビジョンが試されることになる。残念ながら、これまで高齢者対策はあったが若年層や将来の持続可能な人口への議論はあまりにも少なかった。
この問題は、地域社会においては、より尖鋭に表れる。人口減少や少子高齢化の影響が地域によって大きく異なるからでもある。地域の課題として、それぞれの地域の将来像をどのように描くことができるか。一般には、消滅可能性都市あるいは消滅自治体問題として議論されるようになっているが、市町村レベルの地方自治体の半数が持続不可能かともいわれている。
確かに、従来からの過疎高齢化と大都市圏に見られる限界ニュータウンや限界マンション問題、また都市内限界町内会問題など、持続可能性が課題となっていることは確かである。市街地中心部も郊外住宅地も、そして中山間部も直面する人口減少と少子高齢化に対して、どのように取り組んでいったらよいのか。
こうした現状にあって、地域の活力を維持するとはどのような基準で考えればよいのか、そしてどのような条件を整えれば、そうした地域の活力を維持できるといえるのであろうか。地域の持続可能性こそが問題になるのであるが、それには、経済的にも社会的にもそして環境的にも将来展望の可能性がなければならない。それを端的に表す指標として、基本的に人々が特に若者が集まる地域であり、その若者の集まる数が増える地域、そうした地域にこそ地域住民が集まり力を発揮することができるといえるのではないだろうか。
そうした地域の基本的な条件の一つは前述のように社会経済の機能維持と発展である。産業経済や生業が現実に活性化する地域こそが望まれているし、実際、地域ごとの様々な努力が伝えられている。とはいえ現状のままでこれらを維持することは難しい、地域が持つ資源を総動員して、地域の活力を維持することに努めなければならない。とはいえ、それは、地域資源を使いつくすことを意味しているのではなく、「保続」概念に見られるように、資源を維持し、繁栄を続けることこそが肝要となる。そのためには、同時に日常的な社会経済のイノベーションが必要となる。地域において人々の活力を引き出すことができるイノベーションを社会や経済の諸活動において起こしていくことが肝要となる。
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ディスカッション  (30分)
問題設定、視点・仮説提供
ファシリテーター 三石博行
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閉会の挨拶
三石博行氏  関西政治社会学会会長 (10分)
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懇親会 18時10分-21時00分
場所  芙蓉園
http://www.fuyouen.net/
参加費2000円、学生1000円
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関西政治社会学会事務局 連絡
同志社大学烏丸キャンパス志高館新川研究室
 hiro.mitsuishi@gmail.com
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2016年第5回関西政治社会学会研究会  同志社大学人文科学研究所 共同研究会


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日時 2016年7月23日(土)13時00分-18時25分 
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館2階共同研究室SK288
https://www.doshisha.ac.jp/inform…/…/imadegawa/karasuma.html
参加自由、参加費無料
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開催 挨拶 13時00分-13時05分
三石博行 (関西政治社会学会会長、認定NPO太陽光発電所ネットワーク副代表)
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1部 テーマ「食文化-京料理を語る-」13時05分-15時05分 (120分)
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司会者 佐藤洋一郎氏(大学共同利用機構法人 人間文化研究機構理事 (20分)
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話題提供者:松本隆司氏(「招猩庵 店主) (60分)
「和食・京料理を語ろう―ちょっと舌がすべってしまいましたが―」
松本さんは二条木屋町下ル、一の舟入にある「招猩庵」の店主です。店は小さな店ですが、驚くほどいろいろなお客さんが来られ、通には名の知れたお店で、お料理と松本さんの絶妙な語りをあてに話が弾み、思わぬ人脈ができたりもします。食材には特にこだわっておられ、「能登牛」「近江八幡の赤こんにゃく」や琵琶湖の魚たちなどがおばんざいふうに並んでいたりもします。一方でカレーライスなどの裏メニューもあって、和食とはなにかを考えるよい機会になります。和食業界は「派閥」があって、なかなか交流がむずかしい状況ですが、どこの「派閥」にも属さない松本さんの目を通して、また、料理の現場からみた食を出席者で考えたいと思います。
質問 (5分)
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グループデスカッション (45分)
松本さんを囲んでざっくばらんにお話を聞きます。
デスカッション (40分)
グループ報告 (5分) 
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休憩15時10分-15時25分 (15分)
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2部 テーマ「イギリスのEU離脱をめぐる課題 –何が問われているか-」
15時25分-18時15分 (170分)
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報告者1、鷲江義勝氏 同志社大学法学部教授 日本EU学会理事
題目「イギリスのEU離脱の背景と影響」 (40分)
要旨
6月23日に行われた国民投票によって、イギリスのEU離脱が決定的となった。本報告ではこの国民投票をめぐる賛否両論に入る前に、EUという組織が単なる経済組織ではなく、欧州統合を目指す特異な政治組織であることを明確にする。そのために、EUあるいは欧州統合の理念を明らかにした上で、多くの地域で見られる自由貿易連合との違いを明らかにする。それを受けて、欧州統合とイギリスの考え方の違いを明確にし、今回のEU離脱論争を捉え直したい。欧州統合の理念と単なる自由貿易地域の違いは、ドイツやフランスなどの西欧諸国のEUに対する姿勢とイギリスのEUに対する姿勢そのものであり、今一度、欧州統合とは何かを明らかにする予定である。
 また、イギリスのEUからの離脱手続過程についても解説していく予定である。ただし、現状は、かなり流動的であり、離脱交渉の9月開始の観測から離脱の撤回や再度の国民投票の実施の可能性まで囁かれており、はっきりとした見通しは困難な状況である。したって、その中でも可能性の高いものいくつか示唆することで、今後の可能性についても示唆したい。
質問 (5分)
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報告者2、榎木英介氏 近畿大学医学部講師 サイエンス・サポート・アソシエーション代表
題目「イギリスのEU離脱で科学技術はどうなるか?」 (40分)
要旨
去る6月23日、英国で行われた、EU離脱の可否を問う国民投票は、英国およびEUの研究者に大きな衝撃を与えた。科学技術関連分野において、英国はEUに対し、独仏伊に次ぐ拠出金を出す一方、EUからの恩恵も受けており、国民投票前から研究者たちはEU残留を希望していたからだ。
EUの研究予算は、欧州諸国全体の政府による研究開発資金の6パーセントに過ぎないが、各国の政府の予算はプロジェクト研究に配分されており、個々の研究者が獲得できるものとしては、EUの研究費(ホライズン2020)は非常に重要なものとなっている。また、研究基盤に関する欧州戦略フォーラム(ESFRI)はEUの組織ではないが、一国ではできない大型研究施設などを、いつ頃どこに設置するかなどロードマップを発表している。これらの研究施設のほとんどはEUからの資金を受けている。そして、「マリー・キューリー・アクション」は、国の枠を超え若手研究者を育成し、移動を促している。英国を含むEUの上位国は、人材獲得の面でも、EUから利益を得ている。
英国が抜けたEU、そしてEUから抜けた英国の科学技術がどうなるか…報道等をもとに私見をまじえ考えてみたい。
質問 (5分)
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報告者3、三石博行氏 京都奈良EU協会副代表、哲学博士(ストラスブール大学) (25分)
題目「イギリスEU離脱を巡る国民投票の結果とその評価」
要旨
イギリスのEU離脱問題は、色々な見解や憶測が飛び交う中、国際化する21世紀社会に課題を突き付けている。一つは、平和的共存を確立するためにこれまでの国民国家制度を脱し国際地域連合国家の形成を進めるための最も現実的な過程とは何か、それはどのように可能なのかと言う課題である。もう一点は、法の支配、個人の自由と人権の尊重、社会的平等と公共性を尊守する社会文化の形成を前提とする民主主義社会の形成、その一つの手段としての国民投票の在り方に関する課題である。議論を整理するために、ここでは、二つ目の課題に重点を置いて問題を整理してみる。何故なら、今後、EU内部でEU懐疑派と呼ばれる政党や人々が、イギリスと同様に国民投票でEU離脱を決定してくるからである。この国民投票の結果によって、離脱に反対する人々や報道機関・ジャーナリストから、国民投票自体を否定する意見が出されることに危機感を感じる。どのような国民の総意や民主的手段によって、今後のEU政治システムが運営されるべきかを議論したい。それは、今後憲法改正を巡る国民投票の可能性を持つ我国の問題に直結する課題でもある。
質問 (5分)
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グループデスカッション(50分)
デスカッション (40分)
グループ報告 (10分) 
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閉会の挨拶 18時15分-18時25分 (10分)
新川達郎氏(政治社会学会理事長、同志社大学教授)
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懇親会 18時40分-21時00分
場所 サンゼリア今出川駅前店
http://www.saizeriya.co.jp/restaurant/shop_detail.php…
参加費2000円、学生1000円
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関西政治社会学会事務局 連絡
同志社大学烏丸キャンパス志高館新川研究室
 hiro.mitsuishi@gmail.com
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2016年第5回関西政治社会学会研究会  同志社大学人文科学研究所 共同研究会


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日時 2016年7月23日(土)13時00分-18時25分 
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館2階共同研究室SK288
https://www.doshisha.ac.jp/inform…/…/imadegawa/karasuma.html
参加自由、参加費無料
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開催 挨拶 13時00分-13時05分
三石博行 (関西政治社会学会会長、認定NPO太陽光発電所ネットワーク副代表)
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1部 テーマ「食文化-京料理を語る-」13時05分-15時05分 (120分)
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司会者 佐藤洋一郎氏(大学共同利用機構法人 人間文化研究機構理事 (20分)
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話題提供者:松本隆司氏(「招猩庵 店主) (60分)
「和食・京料理を語ろう―ちょっと舌がすべってしまいましたが―」
松本さんは二条木屋町下ル、一の舟入にある「招猩庵」の店主です。店は小さな店ですが、驚くほどいろいろなお客さんが来られ、通には名の知れたお店で、お料理と松本さんの絶妙な語りをあてに話が弾み、思わぬ人脈ができたりもします。食材には特にこだわっておられ、「能登牛」「近江八幡の赤こんにゃく」や琵琶湖の魚たちなどがおばんざいふうに並んでいたりもします。一方でカレーライスなどの裏メニューもあって、和食とはなにかを考えるよい機会になります。和食業界は「派閥」があって、なかなか交流がむずかしい状況ですが、どこの「派閥」にも属さない松本さんの目を通して、また、料理の現場からみた食を出席者で考えたいと思います。
質問 (5分)
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グループデスカッション (45分)
松本さんを囲んでざっくばらんにお話を聞きます。
デスカッション (40分)
グループ報告 (5分) 
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休憩15時10分-15時25分 (15分)
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2部 テーマ「イギリスのEU離脱をめぐる課題 –何が問われているか-」
15時25分-18時15分 (170分)
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報告者1、鷲江義勝氏 同志社大学法学部教授 日本EU学会理事
題目「イギリスのEU離脱の背景と影響」 (40分)
要旨
6月23日に行われた国民投票によって、イギリスのEU離脱が決定的となった。本報告ではこの国民投票をめぐる賛否両論に入る前に、EUという組織が単なる経済組織ではなく、欧州統合を目指す特異な政治組織であることを明確にする。そのために、EUあるいは欧州統合の理念を明らかにした上で、多くの地域で見られる自由貿易連合との違いを明らかにする。それを受けて、欧州統合とイギリスの考え方の違いを明確にし、今回のEU離脱論争を捉え直したい。欧州統合の理念と単なる自由貿易地域の違いは、ドイツやフランスなどの西欧諸国のEUに対する姿勢とイギリスのEUに対する姿勢そのものであり、今一度、欧州統合とは何かを明らかにする予定である。
 また、イギリスのEUからの離脱手続過程についても解説していく予定である。ただし、現状は、かなり流動的であり、離脱交渉の9月開始の観測から離脱の撤回や再度の国民投票の実施の可能性まで囁かれており、はっきりとした見通しは困難な状況である。したって、その中でも可能性の高いものいくつか示唆することで、今後の可能性についても示唆したい。
質問 (5分)
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報告者2、榎木英介氏 近畿大学医学部講師 サイエンス・サポート・アソシエーション代表
題目「イギリスのEU離脱で科学技術はどうなるか?」 (40分)
要旨
去る6月23日、英国で行われた、EU離脱の可否を問う国民投票は、英国およびEUの研究者に大きな衝撃を与えた。科学技術関連分野において、英国はEUに対し、独仏伊に次ぐ拠出金を出す一方、EUからの恩恵も受けており、国民投票前から研究者たちはEU残留を希望していたからだ。
EUの研究予算は、欧州諸国全体の政府による研究開発資金の6パーセントに過ぎないが、各国の政府の予算はプロジェクト研究に配分されており、個々の研究者が獲得できるものとしては、EUの研究費(ホライズン2020)は非常に重要なものとなっている。また、研究基盤に関する欧州戦略フォーラム(ESFRI)はEUの組織ではないが、一国ではできない大型研究施設などを、いつ頃どこに設置するかなどロードマップを発表している。これらの研究施設のほとんどはEUからの資金を受けている。そして、「マリー・キューリー・アクション」は、国の枠を超え若手研究者を育成し、移動を促している。英国を含むEUの上位国は、人材獲得の面でも、EUから利益を得ている。
英国が抜けたEU、そしてEUから抜けた英国の科学技術がどうなるか…報道等をもとに私見をまじえ考えてみたい。
質問 (5分)
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報告者3、三石博行氏 京都奈良EU協会副代表、哲学博士(ストラスブール大学) (25分)
題目「イギリスEU離脱を巡る国民投票の結果とその評価」
要旨
イギリスのEU離脱問題は、色々な見解や憶測が飛び交う中、国際化する21世紀社会に課題を突き付けている。一つは、平和的共存を確立するためにこれまでの国民国家制度を脱し国際地域連合国家の形成を進めるための最も現実的な過程とは何か、それはどのように可能なのかと言う課題である。もう一点は、法の支配、個人の自由と人権の尊重、社会的平等と公共性を尊守する社会文化の形成を前提とする民主主義社会の形成、その一つの手段としての国民投票の在り方に関する課題である。議論を整理するために、ここでは、二つ目の課題に重点を置いて問題を整理してみる。何故なら、今後、EU内部でEU懐疑派と呼ばれる政党や人々が、イギリスと同様に国民投票でEU離脱を決定してくるからである。この国民投票の結果によって、離脱に反対する人々や報道機関・ジャーナリストから、国民投票自体を否定する意見が出されることに危機感を感じる。どのような国民の総意や民主的手段によって、今後のEU政治システムが運営されるべきかを議論したい。それは、今後憲法改正を巡る国民投票の可能性を持つ我国の問題に直結する課題でもある。
質問 (5分)
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グループデスカッション(50分)
デスカッション (40分)
グループ報告 (10分) 
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閉会の挨拶 18時15分-18時25分 (10分)
新川達郎氏(政治社会学会理事長、同志社大学教授)
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懇親会 18時40分-21時00分
場所 サンゼリア今出川駅前店
http://www.saizeriya.co.jp/restaurant/shop_detail.php…
参加費2000円、学生1000円
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関西政治社会学会事務局 連絡
同志社大学烏丸キャンパス志高館新川研究室
 hiro.mitsuishi@gmail.com
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第4回関西政治社会学会研究会(7月16日)


2016年7月16日(土)開催の第4回関西政治社会学会研究会のプログラムの案合をお送り致します。以前企画しておりました「1部 テーマ 食文化-京料理を語る-」は、2016年7月23日(土)の第5回関西政治社会学会研究会での開催に変更されました。皆さまにご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
今回の第4回目の研究会では「市民参画型社会の構築に向けて」をテーマにしまして、3名の報告者のお話しを用意しております。
一つの報告では、長年、市民による政策提案活動とそのシンクタンクを構築して来ました「市民がつくる政策調査会(市民政調)」を運営されてきました小林幸治氏から、これまでの活動に関する経験談をお話しして頂けると期待しています。
二つ目はは、地方自治の重要な市民参画促進政策として注目をあびている「協働政策過程」に関する研究報告を小田切康彦氏が行います。その行政部門や市民への影響についてお話しして頂けると期待しています。
三つ目は、自然生態文化社会環境に直接影響されて成立する「農業・産業」は、それらの多種多様な条件によって、それぞれの地域固有の多様な形態があり、日本の農業は、それらの条件によって成立してきた日本的生産様式とその生産手段としての農村コミュティによって成立する。この共同体的構造を社会学的視点から分析し、産業革命以後の生産様式を支えている利益社会的構造との違いに触れながら、日本型農村社会がもつ「参画型社会」の様式について、長年、農業社会経済学を研究されてきた河村能夫氏が、農業大学校の教育を通じて得た経験を基にしながらお話しして頂けると期待しています。
2部の自由セッションでは、
銀行は預金の単なる仲介者であり、かつ貨幣が創造している。この「債務貨幣システム」下での銀行の役割について、銀行の機能をシステムダイナミックスのモデリング手法を用いてを分析する。
そして、一定期間の取引高から需給を捉えるフローアプローチと一時点の資産残高から需給を捉える方法ストックアプローチの二つの理論が表裏一体のものであることを示しながら、日銀の量的緩和(QE、アベノミックスの第1の矢)の失敗に言及する。この問題を解決する手段はあるのか。山口薫氏は、「公共貨幣システム」と呼ばれている貨幣システム、貨幣の不安定性を除去する代替的なデザインを紹介する。このシステムによって、貨幣の安定性、景気変動除去、さらに消費増税なしでも可能な政府債務の可能性について言及する。現在、財政政策で苦しむ現代資本主義社会に必要な貨幣システムについてお話しして頂けると期待しています。
三石博行 関西政治社会学会会長 
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◎2016年第4回関西政治社会学会
 同志社大学人文科学研究所 共同研究会
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日時 2016年7月16日(土)13時00分-18時25分 
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館2階共同研究室SK288
https://www.doshisha.ac.jp/inform…/…/imadegawa/karasuma.html
参加自由、参加費無料
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開催 挨拶 13時00分-13時05分
三石博行 (関西政治社会学会会長、認定NPO太陽光発電所ネットワーク)
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1部 テーマ「市民参画型社会の構築に向けて」13時05分-16時20分 (200分)
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報告者1、小林幸治氏 特定非営利活動法人 市民がつくる政策調査会(市民政調)事務局長  
タイトル 「市民による政策提案活動と法制化の取組み事例―市民政調の活動から」 15時30分-16時10分 (40分)
要旨
1997年に設立した市民がつくる政策調査会(市民政調)の約20年間の取組みから、市民政調の目的や活動内容の紹介と、その取組みの過程で市民・市民団体がどのように具体な政策提案に取組み、その実現のためにどのような経過を辿ったかなど、具体的な事例から市民政策提案活動の実践と法制化の取組み事例を紹介する。
質問  (10分)
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報告者2、小田切康彦氏 徳島大学准教授 
タイトル 「地方自治体における協働政策のインパクト」(40分)
要旨
近年の地方自治を議論するうえで重要な概念のひとつとして挙げられるのが市民との「協働」である。地方自治体による協働政策が推進され、その制度化や実践が展開されている。同時に、学術的にも大きな関心が寄せられ、学際的に研究等が蓄積されている。しかし、これまで、協働の概念や形成過程に関する研究が盛んに行われる一方で、その出力や成果については十分に議論されてこなかった。自治体の協働政策の推進が何をもたらしているのか、というインパクトの諸相は明らかになっていないといえる。本報告では、こうした問いについて、次の3つの視点からアプローチすることを試みる。第1は、協働が政策過程に及ぼす影響である。協働によって政策の民主性や効率性は変化するのか、あるいは政策の質や水準等に影響があるのか、といった点である。第2に、協働が自治体行政へ及ぼす影響を検討する。行政部門へもたらす影響として、民主化という観点を取り上げる。そして第3に、協働が市民へ及ぼす影響である。権力関係上、弱い立場にある市民側へもたらす功罪について議論する。
質問 (10分)
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報告者3、河村能夫 (京都府立農業大学校校長 龍谷大学名誉教授 REC顧問)
タイトル 「農大から見えてきた日本農村のすがた 」(40分)
      - 参画型社会の原型としての農村コミュニティ -
要旨
産業革命以降の社会発展をティンニエスは産業革命以降の社会発展をGemeinschaft(英訳:community)からGesellschaft(英訳:association)への転換として把握した。農村社会から都市社会への展開を社会の発展と把握してきたのである。
しかし、農業は地域の自然環境や社会環境により直接的に影響されるため地域固有性が強く「農業は地域によって異な」り、その農業を地域経済の基盤とする農村コミュニティも、地域固有性が強く、地域によって異なる。重要なのは、それがどう異なるかである。例えば、日本の農業とその上に形成される農村コミュニティは、米国の農業とその上に形成される農村コミュニティとは異なる。その違いを本論では、前者をGemeinschaft的農村コミュニティ、後者をGesellschaft的コミュニティと把握している。重要なのは、そのそれぞれに於いて、社会発展のメカニズムと合理性が異なることを認識しながら、環境変化に対応した政策を構築することである。
質問 (10分)
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グループデスカッション (50分)
デスカッション (40分)
グループ報告 (10分) 
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休憩16時20分-16時35分 (15分)
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2部 自由セッション 16時35分-18時15分  (100分)
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報告者1、山口薫氏 (日本未来研究センター代表) 
タイトル 「Head and Tail of Money Creation and its System Design Failures -Toward the Alternative System Design -」 16時20分-17時00分 (40分)
本研究報告は、第34回国際システムダイナミックス学会(7月18日、デルフト、オランダ)で報告予定の共著論文の内容を2日早く国内で紹介するものです。
部分準備制度のもとで貨幣が創造される現行の「債務貨幣システム」下での銀行の役割について、過去1世紀以上にわたって2つの理論が共存してきました。一つは、銀行は預金の単なる仲介者に過ぎない(貨幣は外生的に与えれる)というもので、もう一つは、銀行は無からお金を創造している(貨幣は内生的に創造される)というものです。共存とはいうものの歴史的には前者が支配的で、後者は1929年の大恐慌の直後からつい最近まで「タブーサブジェクト」とされてきました。システムダイナミックス(SD)のモデリング手法を用いて、本研究では、前者を「フローアプローチ」、後者を「ストックアプローチ」と呼びます。
本研究の目的は3つ。第1に、フローアプローチとストックアプローチはお互いに排他的な理論ではなく、コインの表と裏のように同じものであるということを示し、1世紀以上にわたる銀行論争に終止符を打ちます。第2に、ストックアプローチ(フローアプローチでも可)のSDモデルを用いて、現行の債務貨幣システムは、好況と不況、インフレとデフレを繰り返しもたらす不安定なもので、日銀の量的緩和(QE、アベノミックスの第1の矢)を失敗させたように、デザイン欠陥であることを示します。
質問 (10分)
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グループデスカッション (50分)
デスカッション (40分)
グループ報告 (10分) 
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閉会の挨拶 18時15分-18時25分 (10分)
新川達郎氏(政治社会学会理事長、同志社大学教授)
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懇親会 18時30分-20時30分
場所 芙蓉園(既に予約済)
http://www.fuyouen.net/
参加費2000円、学生1000円
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関西政治社会学会(政治社会学会関西支部)
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