2020年5月4日月曜日

COVID-19感染防止に対して、日本政府は正常な科学的判断力を持っているだろか。(4)

4、公衆衛生学の基本、隔離の概念

a. 感染症とは

感染症とは病原菌が人から人へと感染して起こる病気の一般的名称である。感染症を引き起こす原因(病原体)は、寄生虫・細菌・真菌・ウイルス・異常プリオン等がある。感染を引き起こす病原体の種類によって感染症は種類は異り、その研究分野も異なることになる。例えば、微生物による感染症を研究する学問は微生物学、細菌によるそれは細菌学。ウイルス感染に関する学問はウイルス学、真菌や寄生虫による真菌学や寄生虫学も感染症学の中に分類される。

また、病原体の種類によって感染症の病名が決定される。例えば、RNAウイルスのインフルエンザウイルスがインフルエンザの病原体であり、これまでA型からC型のインフルエンザウイルス3種類が存在すると言われてきた。

今回の新型コロナウイルス感染もRNAウイルスであり、「ウイルス粒子表面のエンベロープ(膜構造)に、花弁状の長いスパイク蛋白の突起(S蛋白、約 20 nm)を持ち、外観がコロナ(太陽の光冠)に似ていることからその名が付けられた」(Wikipedia)と言われている。はじめてコロナウイルスが発見されたのは1960年代で、ニワトリの伝染性気管支炎ウイルスであったが、その後、風邪をひいたヒト患者の鼻腔からの2つのウイルスが発見された。そして、2003年にSARS-CoV、2004年にHCoV NL63、2005年にHKU1、2012年にMERS-CoV、2019年に2019新型コロナウイルス (COVID-19) が発見されている。


b ,PCR検査、感染確認者と非感染確認者の確認・隔離の方法 

色々な病原体による感染が、その病原体によって生じる感染症を引き起こすのであるなら、当然ながら、感染しないように病原体との接触を避けることが、感染症対策の基本となる。

病原体の感染能力を調べることが感染症対策の基本となる。つまり、今回の新型コロナウイスは飛沫感染や接触感染が問題となっている。接触感染の場合でも素材によってCOVID-19の生存時間が分析されていた。そして、プラスチック素材が銅などの金属より、コロナウイルスの生存時間が長いことなどが判明していた。

感染予防の基本として、病原体に触れないこと、つまり感染者との接触を避けることが原則となる。そのため、まず感染者を探し出さなければならない。感染者の調査は、まず、病原体に侵された感染者がもつ病状の医学的判明がなされなければならない。医学的な診断によって感染症の疑いがなされ、それを正確に診断するために生物学的検査が行われる。今回問題となっているPCR検査は、RNAウイルスの遺伝子を検出する検査である。この方法を用いて、感染者か非感染者かを判断することが出来る。


C,  感染症対策としての隔離 PCR検査による感染確認者のあぶり出し

感染症予防のための隔離とは感染者から非感染者を引き離すこと、つまり、非感染者と感染者の間に感染しない距離(物理的な)を築くことである。これが最も原始的・初歩的な感染症予防策である。当然のこととして感染者を見つけ出すことがその感染症対策の第一の課題となる。

感染者を見つけ出すために、前記したように感染者が持つ病理的特徴(症状)を細かく観察、診断する作業(診察)が必要となる。今回のCOVID-19でも、これまでの臨床データから、色々な症状が取り上げられている。そして、COVID-19の症状は、さらに多くの臨床事例から、付け加えられてきた。

問題はそれらの症状群の中の一つが充たされるなら、すべて検査の対象となると言うことになる。それが隈なく感染者を見つけ出す方法であり最善の手段となる。PCR検査による感染確認者のあぶり出しは、感染確認者から非感染者を隔離するためのもっとも有効な手段である。

しかし、今回のCOVID-19感染症が、その隔離を困難にしているのは、無症状の感染者が存在することであった。つまり、病理的特徴(症状)を確認できない感染者が存在していることがCOVID-19感染の拡大を広めている。言い換えると、COVID-19は、極めて対処しにくい病原体(敵)である。病理的特徴をもって感染可能者を判明し、検査し、感染確認を行うことが不可能となる。つまり、感染症対策としての隔離が困難になるのである。

そのため、もし、COVID-19と戦うためには、感染者が持つ病理的特徴(症状群)をさらに詳細かつ繊細に見つけ出し、それらの一つがある場合にはすべてPCR検査を行い、感染の確認を急ぐべきなのである。


D、科学的感染症対策としての検証が必要、しかし時間がない。

しかし、不思議なことに、日本では、今までPCR検査の対象者は、それらの症状の全てを持つ場合に限定され、それらの症状群の中の一つの症状がなければ、検査の対象から切り捨てられてきた。これは、感染症対策としては全く間違いであり、出来る限り多くの感染者を見つけ出し、非感染者が感染者と接する機会を出来る限り少なくする手段を自ら放棄する行為であると言いようがないのである。それも、日本が、感染症の専門家をして、世界七不思議の感染症対策を行っているという、話となっている。

PCR検査を徹底的に行った韓国やドイツをはじめ多くの先進国の感染症対策と異なり、PCR検査を出来るだけ控えた日本の対策の根拠は何か。その考え方を列記してみた。

1、PCR検査を行い、多くの陽性者(感染確認者)が出れば、医療崩壊が起こる。(この考え方は2月から3月に掛けて、多くの感染症専門家や政治家たちまでもが主張していた意見であったことは事実である。

2、PCR検査は極めて難しい検査であり、日本では困難である。この考え方は多くの報道機関が、PCR検査が何故少ないかを、専門家の意見と述べていた。

3、日本でのPCR検査は、国立感染症研究所・保健所が行う行政検査を中心として行われていたため、その検査能力に限界があった。それを民間検査に素早く移行することが出来なかった。その理由の一つとして、民間検査会社では、PCR検査を行うスキルがないと言われた。

以上、それらの理由が正しいのかどうか、検証しなければならないが、そうゆっくりと検証する時間はない。それほど感染爆発の状況、医療崩壊の危機が起こる切羽づまった状況にあるのではないだろうか。


E, 最もコスト高の感染症対策、 都市封鎖

さらに不思議なことは、日本ではPCR検査によつ感染確認者のあぶり出しを行う前に、何と小池東京都知事から、都市封鎖「ロックダウン」が持ち出された。ロックアウトは、感染者を非感染者から隔離するための最終手段とも言うべき方法である。

まず、感染者がどこに、何人いるのか不明であり、そうした状況の中で、感染爆発が生じている情況、例えば2月の中国武漢市の状況や3月の韓国テグ市のような場合に、緊急事態として取り挙げられる感染症緊急対策である。

平たく考えて、ある集団があるとする。その集団の中での感染者と非感染者の分離が極めて困難な状態があり、しかも、非感染者が急激に感染している状態の時、感染者と非感染者の物理的接触の可能性をすべて絶つというのがロックダウンのやり方であり、いわゆる家からの外出の禁止となる。

ロックダウンはすべての社会経済活動の中止を意味するため、それによる経済的打撃は非常に大きくなる。そのため、政治は出来る限りロックダウンを行わないように、まず、事前に出来る限りの対策を取るのである。それが徹底したPCR検査である。家、地域社会、町全体の閉鎖という方法でなく、病理的症状の違いによる隔離を行うこと、つまり感染確認者を症状に応じて、韓国が行ったように、生活治療センター、病院、高度医療病院に振り分けて隔離・入院させ、治療を行い、陰性になった患者(非感染化を確認した者)から退院させて行く方法が、最も経済的な方法であると言える。

最も高くつく方法は、すべての人、非感染者も感染確認者もすべて、感染者として扱い、それらの人々を物理的に隔離し、その中で、重症者を、集中治療室に入院させるという方法である。まず、すべての人々の社会・経済活動が奪われる。そのために支払われる犠牲が、想像を超えて大きいこと。さらに、軽症者の感染者が重症化するまで放置される可能性が高いことである。そして、それことは結果的に莫大な医療費負担が伴うことを意味する。

2021年になるまでもなく、韓国や台湾と日本の今後の経済状況への影響が、この事実を証明するだろう。PCR検査を行わない日本のCOVID-19感染症対策による経済的負担、社会的損失が明らかになるのは時間の問題であり、その犠牲を払うのは、私たち国民であることを忘れてはならない。
 

2020年5月4日、フェイスブックに記載


三石博行 ブログ文書集「パンデミック対策にむけて」

COVID-19感染防止に対して、日本政府は正常な科学的判断力を持っているだろか。(3)

3、感染者数でなく感染確認者数、それは国別の感染状況を理解するデータなのか。


日本の報道から流れる大きな誤解情報、それは日本のPCR検査陽性者を「感染者」として、その数を「感染者数」とし、他の国々の「感染者数」と絶対比較していることである。PCR検査を制限し、その制限された検査数によって陽性になった感染(確認者)者の数を、徹底して検査を行っている世界の国々の感染(確認者)数と絶対比較しているのである。この比較は、そもそもその母数(検査件数)とその母数を導く検査条件が異なることによって、不可能であるという科学的理解すら日本の感染対策を担う専門家には、不思議なことに、ないのである。

ある集団の感染者数という概念は仮定の数を意味する。何故ならその集団の全ての人々の感染状態を調査した上ではじき出された数を意味するからである。保健所の判断基準にしろ、医師の判断基準にしろ、そこからPCR検査を行って検出された感染者は「感染確認者「」であり、その感染者数は「感染確認者数」と呼ぶことが正確な呼び方・概念になる。

では、何故、公衆衛生のプロ中のプロ、WHOで活躍した専門家、そうした人々が「厳しく制限されたPCR検査によって陽性と判断された日本の感染者の数と、徹底してPCR検査をおこなっている国々の感染者数とを、絶対比較するという科学者らしからぬことを平然と行っているのだろうか。不思議な話である。それにはもっと深い理由があるのではと思われる。

その理由とは何か、それがむしろ重大な問題に見えてくる。世界的に評価されてきた日本の公衆衛生や感染病や感染対策の専門家に対して、彼らの科学的合理性に問題があると言い切れる人はそう多くないだろう。また殆どの科学者がそう言わないだろうと思う。しかし、私は、どう自分の論理を疑っても、PCR検査を積極的に行わない専門家の判断に対しては、腑に落ちないのである。

何が彼らの判断の基準なのか。これほど不可解なことはない。

2020年5月4日、フェイスブックに記載
三石博行 ブログ文書集「パンデミック対策にむけて」

COVID-19感染防止に対して、日本政府は正常な科学的判断力を持っているだろか。(2)

2、日本政府(COVID-19感染拡大防止対策の司令塔)の判断は正しいのだろか。

日本政府の取ったCOVID-19感染拡大防止対策は、第一段階が2月初期からの中国武漢から入国者への対策・クラスター対策であった。この対策は一応評価できた。徹底したクラスターの調査と感染者可能者への調査による感染確認者のあぶり出しによって、感染拡大は食い止められた。

しかし、感染源が判明できない「市中感染」が広がった段階からは第一段階の感染対策(クラスター対策)では対応できない状態になっていた。

しかも、第一段階の感染可能者の判明基準が現実的ではなかった。それをいち早く指摘したのが病院でのCOVID-19感染が起こった和歌山県の対策であった。この教訓を厚労省・感染対策本部は学ぶことはなかった。何時までも、「37.5度以上の熱が4日以上続く場合」「中国からの帰国者」等々の条件に拘っていた。

ましてや、PCR検査を行うことを判断するのは保健所の職員であり、医療の現場で患者に接する医師ではなかった。数少ない保健所の職員が電話で相談してくる人々に対して、一人30分以上の時間を掛けて、きめ細かい行動・移動歴を調べ、また発熱等の症状を事こまめに聞き取り、基準に合う人々に対してのみ、PCR検査を行った。その数は相談者数のなかのほんのわずかな数に過ぎなかった。。

PCR検査の普及拡大が問題にあっても、あた総理大臣がお願いしても、国会で一日万件できますと答弁しても、検査件数は検査を希望する数に比例して増えなかった。

こうした現実に対して、PCR検査は技術的にも難しく、それが出来る専門家がいないとか、PCR検査をこなう装置や検査試薬がない とか、耳を疑うような話がまことしなやかに報道されている。もしそうなら、「医先進国」日本と言う形容詞をやめて「医療後進国」日本であると、まず厚生労働省の官僚、日本政府は自覚しなければならないだろう。

2020年2月初めから一貫してCOVID-19感染拡大に関する報道を行い続けてきた「報道1930 BS-TBS」で、PCR検査の必要性が常に課題になっていた。2月初旬から4月初旬の2か月間の時間が経っても、PCR検査は普及しないのである。この原因は何か。それは単に、PCR検査体制を阻止している人々(集団)がいるという問題と言うよりも、もっとその原因を生み出している問題の深さを感じるのである。

つまり、日本ではPCR検査によって陽性となった感染者を「COVID-19感染者」と呼んでいる。その数が世界の他の国々に比較して少ないことが「日本でのCOVID-19感染対策が成功している事実を示すデータ・現実」として評価されてきた。今でも、その評価は変わらない。

しかし、「慶応大学病院のHPには、4月6から12日では97人の検査では0%、4月13日から19日までは、67人中5人、7.46%、4月13日から19日までは67人中4人、5.97%、そして4月20日から26日までは60人中2人、3.33%、さらに4月27日から30日までは34人の検査で誰も陽性者はいなかったと報告されている。」(1) 同時に、「その後同じ病院で研修をしていた医師99人に対してPCR検査を行なったところ、18人が陽性となったことが明らかになっている」(2)と報道されていた。

この事実から、慶応大学病院では外来患者や医師のPCR検査を行うことで、院内での感染状況を調査し、その対策を取り、院内感染を防止する努力がなられた。しかし、他の多くの病院では、このような対策が取られているかが問われる。医療機関はCOVID-19パンデミック対策のための基幹機能である。その意味でも、院内感染をまず防止するための政府の一貫した対策が急がれる。

この現実は、言うまでもなく、病院の外(院外)に多くの感染者がいて、それらの未確認感染者が通院や入院をしていることによると理解しなければならない。そのことが、最も恐れる「医療崩壊」の原因となっているという今後の状況を予測させていることである。

この深刻な事態を理解できないほど、日本の厚労省官僚や政府、感染症対策本部の専門家たちは無知なのだろうか。無知という次元で語っていいのだろうか。私が恐ろしく思うのは、この国を滅ぼしかねない人々がCOVID-19感染拡大防止対策の司令塔にいるということなのだ。


2020年5月4日、フェイスブックに記載

2020年7月8日、修正
(1) 高鍬博医師からの情報で修正を行う。
(2)https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ea0dbfcc5b699978a32fbbc
三石博行 ブログ文書集「パンデミック対策にむけて」

COVID-19感染防止に対して、日本政府は正常な科学的判断力を持っているだろか。(1)

1、民主主義国家の中でのCOVID-19感染爆発対策への二つの成功事例

COVID-19感染爆発に最も合理的(少ない労力で多い成果を得る方法)に対応した国は韓国と台湾である。

台湾は中国のご機嫌を伺うWHOの支援もなく独自にCOVID-19の中国大陸での感染情報を昨年12月に入手し、徹底した水際対策と検査体制を構築し、感染を食い止めた。

韓国は最も経済活関係の深い、しかも陸続きの中国からの人々の移動を敏速に制御することは出来なかったが、その後、政府中心の合理的で強烈な感染拡大防止の対策(疾病対策の実務をこなす専門家集団でなる疾病管理本部・コントロールタワーの設置、3月17日に1兆円の感染拡大防止対策予算の成立、選別診療所・国民安心病院・ドライブスルーで行う徹底したPCR検査体制、軽症感染者の医療を担う生活治療センターの設置)を取った。韓国式のCOVID-19感染対策は世界のモデルとなり、ドイツや米国カルフォルニア州のモデルとなった。


2020年5月4日、フェイスブックに記載

日本社会は、COVID-19感染対策として正しい判断を行っているだろか。(1)

1、何が9月入学なのだろうか?


今、COVID-19感染爆発で教育を受けられない子供・青年たちが抱えた深刻な問題は大きく二つある。一つは学習環境の問題だ。この課題の二つの具体例を示す。

1、例えば、自宅でのインターネットを通じての学習環境がない。タブレット学習のためのインフラや機材がない特に、貧しい家庭の子供たち。

2、また、タブレット学習教材を作成しなければならない教師たちへのサポートが不十分であること。

二つ目は経済的な問題だ。この課題の二つの具体例を示す。

1、例えば、、高い授業料の大学・高等教育を受けている学生たちの13%が退学を考えているという。この学生たちをサポートしなければならない。

2、また、これまで給食等のサポートを受けていた子供たちが長い休校のためにそのサポートが受けられない状態にある。その子供たちのサポート(こども食堂等のボランティア運動のサポートも含め)が必要である。

それらの二つの課題以外にも、深刻な問題が多くあるだろう。

例えば、家庭内暴力の苦しむ子供たち、また、貧しい家、自宅環境の悪い家、遊びを奪われた子供たち等々、多くの課題、貧困からくる課題が噴出している。

それなのに、何だろう、全国知事会では9月入学(新学期を9月にする)の問題が話し合われたとか。少し、現実離れしていないのか。確かに、その課題も話し合ってもい今も知れないが、その課題の優先順位は、上記した深刻な二つの課題に比べると、低いと思う。

今、困っている問題に集中しなければならない。そのことを優先的に解決するのは、敵(COVID-19感染爆発)が余りにも大きく、その闘いに我々の力・資源が余りにも限られているからなのだ。

問題を有効に解決するためには、取り組むべき課題の優先順位を考えなければならない。そうでないと、結果的に、国民に犠牲を強いることになるだろう。

また、そのこと、つまり自分たちが出す指示によって国民が不必要に経済的な負担を負うこと、生活や生命を犠牲にすることを理解できないリーダーは、その資格を持たないと言える。そうしたリーダは、さっさと辞めて欲しい。この戦いで、出来るだけ多くの犠牲者を出さないために、私たちは、有限な私たちの力や資源を集中させなければならないのである。

2020年5月4日、フェイスブックに記載
三石博行 ブログ文書集「パンデミック対策にむけて」

目次、「パンデミック対策にむけて」

ハイブリッド型災害としてのパンデミックとその対策

21世紀型の災害、パンデミックの構造

三石博行


第1部 21世紀型災害COVID-19̶̶パンデミックの構造とその対応

1章  災害の三つの形態:自然要因、人工要因と自然・人工要因
   http://mitsuishi.blogspot.com/2020/07/1.html
1-1  自然現象による災害、自然災害
1-2  人工物による社会や人への災害、人工災害
1-3  自然現象と社会的要因による災害、ハイブリッド型災害

2章  ハイブリッド型災害としてのパンデミック
   http://mitsuishi.blogspot.com/2020/07/b.html
2-1  病原菌による疾病(自然的要素)
2-2  疾病大流行の社会経済的被害(社会経済的要素)
2-3 二つの災害形態:安全管理可能と安全管理不可能な疾病災害
   http://mitsuishi.blogspot.com/2020/07/d.html

3章  日本政府の COVID-19 対策を検証する
3-1 民主主義国家の中での COVID-19 感染爆発対策への二つの成功事例
3-2 日本政府(COVID-19 感染拡大防止対策の司令塔)の判断は正しいのだろうか
3-3 感染者数でなく感染確認者数、それは国別の感染状況を理解するデータなのか
3-4 公衆衛生学の基本、隔離の概念


第2部 パンデミックへの三つの対策戦略

1章 予防策のない新型感染症対策期間:第一期

A 最も重要かつ最優先の課題(国、大学、企業が担う防疫政策)


A1 病原体の遺伝子、感染媒体、感染症の病理的特徴に関する情報
 A2 ワクチン・治療薬の開発
 A3 検査キットと検査体制の確立
 A4 予測される危機的状況に対する公衆衛生・医療体制の確立

B 科学的でより現実的な対策(健康保険行政と医療行政)
 B1 感染拡大を防ぐ人と人との空間的隔離(ソーシャルディスタンス)の設定
 B2 検査体制確立、経済的な感染者隔離
 B3 既存治療薬の援用

C 合理的、経済的な政策(政府)
 C1 既存の体制の敏速な援用と最適な体制のための改革:
 C2 人命や生活被害と社会や経済被害の双方を最小限に食い止める政治的判断:
 C3 国民と国家の負担を最小限に食い止めるための経済政策:
 C4 感染症拡大と格差社会
 C5 総合的にパンデミック対策を担う政府機関と地方自治体の体制
この後の記載予定(2020 年 7 月 6 日現在)

D 民主主義社会の文化、教育政策(報道、教育機関、文化施設、NPO、市民運動、自治体運動)
 D1 感染症恐怖と感染者差別への対応
 D2 人権問題、教育、育児問題への対応
 D3 文化施設、イベント、娯楽施設の保護
 D3 感染症対策の主体が問われる( 国家か市民か)

E 防災 緊急時の安全対策 (防災関係の政府・地方行政、等々)
 E1 移動制限
 E2 生活活動の自粛
 E3 プライバシー保護と感染防止、ソフト開発
 E4 地方自治体の課題、
 E5 複合災害対策


2章 ワクチンや治療薬開発後から始まる医療・社会経済対策:第二期

A マクロ社会学的課題
 A1 第一期の被害の修復作業
 A2 防疫安全保障と国際協力
 A3 経済安全保障と国際連携

B ミクロ社会的課題
 B1 新しい社会経済活動や生活スタイルの普及 経済活動の在り方
 B2 民主主義社会の在り方 市民参加型
 B3 総合的パンデミック対策を課題にした社会インフラ


3章 パンデミックが繰り返し起こり、常態化する時代:第三期

A 社会文化的課題
 A1 21 世紀の災害パターン:繰り返し起こるパンデミック
 A2 第一期での被害を最小限に食い止めるための対策
 A3 第二期の重要な作業内容の再確認
B 地球環境的課題
 B1 環境問題、熱帯雨林の保護、地球温暖化対策
 B2 国際協力体制に向けた課題とその解決の道筋

 B3 関連課題との連携 (エネルギー問題、食料問題、教育、公衆衛生、生活文化、民主主義文化の成長への協力)