2010年12月8日水曜日

アメリカの大学教授法を紹介したサンデル教授の「白熱教室」

三石博行


2010年4月4日にNHK教育テレビが放送した番組、Michael Sandel教授(哲学)の「ハーバード白熱教室」、そして同教授が2010年8月に東大で行った「東京大学特別授業(前編)(後編)」は日本社会に大きな反響を生んだ。特に、学生、大学教育者や大学運営者にとって、日本の大学の教育のあり方、つまり授業や講義のあり方を考える大きな課題を投げかけた。

アメリカの大学では、「現実の社会で問われている課題を考え、それを解決するために学ぶ」方法を身につけるための大学教育のあり方として問題解決型の授業が行われている。例えば、ハーバード方式やカルフォルニア大学バークレー校及びサンフランシスコ校でのPBL(Problem based leaning)は非常に進んだ教育方法を提起している。

そして、今回のマイケル・サンデル(Michael Sandel)教授の授業が特別なのでなく、アメリカの大学で普通一般に行われている参加型授業の中で、ハーバード大学の中で最も評価を得ている授業の一つとして紹介されていると理解することが出来る。

2010年12月2日の深夜、NHKハイビジョンの番組「マイケル・サンデル「白熱教室」を語る」があった。サンデル教授が、講義テクニックについて非常に興味ある話を聞くことが出来た。中でも、講義に参加した学生の一刻一刻と変化する反応を観察し、学生の講義への興味や参加状態を理解する観察力とその的確な対策には感心した。

例えば、学生が講義に興味を持ってない場合、彼らは自然に講義への集中力を喪失し、色々な身体反応の信号(足を組みなおす、咳をする、ヒソヒソと話を始める等々)を講師に送る。その反応を敏感に感じる力が問われ、また、即時的に講義の内容を、状況に合わして変える展開力が必要であると思われた。


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