2007年12月26日水曜日

文化経済学的視点に立った国際交流活動

NPO京都奈良EU協会の設立趣意書(案)

三石博行

地域社会を国際社会に発信する活動
20世紀後半からの流通、情報や交通の発展によって、国際社会を前提にした地域社会のあり方が課題になっている。そして、海外商品、異文化、外国映画や映像、海外のニュースが私たちの日常生活を形成し、異なる生活文化を持つ海外から来た人々が地域社会の中で共存しよとしている。国際化に伴う日本社会の生活環境の著しく変化の中で、私たちは日常的な生活課題として多文化共生社会での生活様式を身につける必要がある。地域社会の多文化共存のあり方を見つけ出すために、NPO京都奈良EU協会を設置した。
国際化する地域社会の課題は、同時に伝統的な生活文化に対する深い理解を必要とする。伝統的な生活文化への深い理解を土台にすることで、海外の生活文化の素晴らしい側面を理解することが可能になる。この協会活動は、ヨーロッパ社会の文化を私たちの地域社会に紹介するだけでなく、京都や奈良の文化を発信し、その文化を形成する活動として国際交流活動を企画する。
余暇活動として位置付けられてきた国際交流活動では、地域社会の文化事業として持続可能な運営が不可能である。もちろん、私たちの協会の活動は、余暇としての活動の側面を維持しながらも、生活運動への展開の可能性や機会を模索する。つまり、文化活動は経済活動として多くの人々の要求を満たし得るものである。それが、経済的に発達した社会の多くの産業、第三次産業を生み出している。この協会の事業は、営利を目的にした文化サービス活動ではないが、生活者の手作りの国際交流活動、地域社会の伝統文化を発展させる、つまり地域社会の国際化に寄与する国際交流事業を提案し、その活動や事業が持続可能な形態を保障するために、文化経済学的視点に立った経営活動を行う。
従って、この活動は以下の3つの課題を達成することを目的として運営される。
1 、活動の参画する市民の生活の場から始まる文化事業である
2 、地域社会に根ざし、その文化性を基盤とした国際交流活動である
3 、文化事業を通じて、それに参画する人々が生きがいややりがいを求める自己実現型の生産活動である。

持続可能な参加型国際文化事業
このNPO の目的は、事業に参画する過程を重視し、参加者の事業への参画への満足度を常に課題にする。何故なら、このNPO の事業の基本的課題は、事業の経済的利益でけではなく、その事業に参画した人々が、事業構築過程において自己実現を可能にすることにあるからだ。現代社会では、自己の生きがいを求めることも社会的要求となっている。この社会的要求を満たすことには、自己実現を可能にする活動を提供しなければならない。この活動が文化経済的な効果を生み出すのである。
文化事業は、人々の生活経済を豊かにし、生活環境を快適にするものである。国際文化の知識や情報だけでなく、参加者が作り出す国際文化運動、国際交流活動を、この協会の事業とする。

地域社会での国際文化ベンチャー事業の育成
以上の理念に即した事業課題を挙げる。 
1、定職を持たないで人生を探している人が集まり、事業を起こし、生活を見つけるNPO活動を目指す。つまり、この NPO 活動は新しい事業を創設する機会や可能性を若い人々に提供する。文化や経済活動を通じ生み出される新しいベンチャー活動、文化経済活動を創造する。
2 、退職した人が、今までの人生経験を若い人々に伝え、共に運動と生活を作れるNPO活動を目指す。社会的経験を重ねスキルの高い高齢者は社会の大切な資源である。退職をする団塊世代、リストラで失職した人々が、これまでの経験やスキルを生かす場として若い世代と共に文化経済活動を起こることが可能な活動を行う。
3、学生のインターンシップを受け入れ、大学では経験できない社会活動、文化マネージメントを体験してもらい、その経験を、これからの自分の生活形成に役立てるNPO活動を行う。
4 、海外から来て日本で生活している人が、自分の国の社会文化を地域社会の人々に教えながら、同時に京都や奈良の文化を学ぶことの出来る文化交流を前提とした語学文化学習を企画するNPO活動を行う。
5 、海外の人々との触れ合い、つまり地域社会で生活する人々の生活文化を学ぶ文化研修を企画する。持続可能で自分達の生活文化と絡まりあう国際交流活動は、海外の生活の場での具体的な人々との交流を前提とした文化研修によって始まる。生活場・地域社会の文化経済の発展を目指す海外文化研修を企画提供するNPO活動を行う。
6 、市民が生活の場で日常的に接し理解し合える国際文化交流活動を創るNPO活動を行う。

2007年12月26日

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6. EU関係及びEU協会運動

6-1、生活運動としての国際交流運動

http://mitsuishi.blogspot.com/2007/12/blog-post_14.html

6-2、日欧学術教育文化交流委員会ニュース配信
http://mitsuishi.blogspot.com/2007/12/blog-post_8507.html

6-3、文化経済学的視点に立った国際交流活動
http://mitsuishi.blogspot.com/2007/12/blog-post_26.html

6-4、新しい国際交流活動のあり方を模索して
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/06/blog-post.html

6-5、我々はEUに何を学ぶのか
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/07/eu.html

6-6、東アジア諸国でのEU協会運動の交流は可能か
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/09/eu.html

6-7、東アジア共同体構想と日本のEU協会運動の役割
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/10/eu.html

6-8、欧州連合国の成功が21世紀の国際化社会の方向を決める
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/01/21.html

6-9、Eddy Van Drom 氏のインターネット講座 ヨーロッパ評議会の形成史
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/10/eddy-vandrom.html

ブログ文書集「国際社会の中の日本 -国際化する日本の社会文化-」 から