岩本拓郎作(2014年11月18日)
岩本拓郎氏のフェイスブック
https://www.facebook.com/takurou.iwamoto.73?pnref=story
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岩本拓郎さんとの会話を通じて思いついた芸術喫茶店論
「愉快な喫茶店にどうぞ」
*** 1 ***
絵画クッキーを口にしたら、音楽が聞こえ
生命の紅い音がし
脈動の蒼い鼓動を感じる
だから、心象響きが伝わり
光と形象にことばが共鳴し
心象スケッチの協奏が始まる
しかし、詩は絵にとって伴奏にすぎない
だから、詩は芸術家の音声を彩る楽器にすぎない
詩人が絵画を観たときに
絵画に混在した音符の粒が踊りだし
心象メロディーが生み出され
不思議な光と形象の協奏曲の始まる
*** 2 ***
言うまでもないことだが、
作品は芸術家の生命力の表現手段なのさ
生きる意味が生きている現実の中で生まれるように
作品の意味は作品活動の結果の中で不随されるのさ
存在していることの意味付けは
存在している現実の中で形成されるのさ
絵の目的や意味付けは
作品形成の結果の中で語られるのさ
絵画行為の後にしか、絵画の意味は存在しようがない
しかし、結果として生じたものが、その存在の理由を問いたがるのさ
ことばは生きている現実から生まれ
その存在理由は、ことば化された世界から始まるのさ
これは、倒錯した存在理由論
存在に必然的に付随した意味を探す
哲学者たちの逆立ち駆けっこゲームなのさ
*** 3 ***
つまり、評論解釈はすべて可能なのだ
作品の意味や評価は、自分以外の誰かによって
くっ付けられた張り紙のようなも
にわかに付けられた地名のようなものだ
不運なことに
芸術家は、作品の存在意味を問うのだ
芸術家は、活動の目的を問うだ
だから、優しい野次馬たちの
ワイワイガヤガヤ評論を騒音を聴きなるのだ
少しピントの外れた
間違いだらけの解釈の狂った音程に
芸術家は耳を澄ますのだ
しかし、不思議なことに
騒音と狂った音色は、
芸術家に休憩時間を与えるのだ
*** 4 ***
間違いでもいい
正しくてもいい
優しい彼の友人たちが立ち寄って
芸術家の作品クッキーをつまみながら
勝手にお茶を楽しんで行く
ここは愉快な「芸術喫茶店」
さあさあ、みなさま新作ケーキはどうですか
さあさあ、みなさま創作料理ができました
ワイワイガヤガヤ
ワイワイガヤガヤ
愉快で真剣なコンサートの始まり
もう、時計は真夜中1時を指している
もう、ピンぼけ哲学者は夢の中
もう、優しい野次馬たちは夜食を終えた
それでも、ピエロ服で新作ケーキを創っていた
それでも、道家姿でレシピ-を描いていた
騒がしい孤独の夜が明けて、
芸術喫茶の準備が始まる
2014年12月8日
三石博行詩集 『心象色彩の館』
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