2014年12月18日木曜日

詩 「ゲシュタルトの再構築」

三石博行

岩本拓郎作(2014年12月12日)














岩本拓郎氏のフェイスブック

「ゲシュタルトの再構築」


無色濃淡の
色彩を奪はれた記憶が
言うのだ

意識の地層の下で
変性した心象化石が
言うのだ

私たちは
色彩付くこと禁じられています
微妙な表現も許されません

ゲシュタルト崩壊の命令を受けた
形象の生贄たち

抑圧された心象構造の再結晶を
待ちわびる造形たち

ことばの奥に潜んで生きる
沈黙のエロス


すると
偶然の光が点を描き出し
色彩の踊が曲線を舞い出す

すると
真白いキャンパスにことばは散らばりはじめ
奥深く沈んだ天使の羽が羽ばたきだす

そして
エロスは多次元化し始まった
パトスは泉に湧きだした

そして
キャンパスの下から色彩たちが飛び出し
新たな形が生まれ出す


これはゲシュタルトの再構築なのだ

光と色彩の微妙な変化は心象のリズムとなり
エロスの化石は生き返り

私は誰だと踊りだす
私は誰だと歌いだす

これはゲシュタルトの再構築なのだ



三石博行詩集 『心象色彩の館』

三石博行のフェイスブック


0 件のコメント: