詩集 『心象色彩の館』を作ります
三石博行
私に書かれた詩たちが集まって
会議を開いたらしい。
彼らの主張は
「ほかの文章と一緒に並べないで下さい」
「特に論文なんの横に置かないで下さい」
という事だ。
私は、それらの詩の要求を聴きいれて、
他の文章たちと別にすることにした。
他でもない、ほかの文章たちも、
「否、詩などの横に置かないで下さい」
「彼らは、論理的思索過程を無視しています」
「彼らは、合理的説明義務を放棄しています」
と言い出した。
すると
詩達が集まって
「ボクらは直観と感性を表現できることばや文章を探し、
ことばは本来の意味から逸脱させられ、
新たに加わる通時性的風に吹かれて、
彼方に飛んでゆきたいのさ」
と合唱し出した。
私は、いそいで詩達の館を造らなければならなくなった。
私は、詩達が舞い上げることばの落ち葉を集めなければならなくなった。
そうして、詩集という詩達の館作りの計画が持ち上がった。
そうして、詩達も満足し、もっと天に舞い上ろうと言い出した。
「しかし、夜も遅いので、寝ましょうよ」と、一つの詩が言った。
三石博行のフェイスブック
0 件のコメント:
コメントを投稿