2011年11月26日土曜日

再生可能エネルギー促進法とその問題点について(4)

持続可能なエネルギー生産社会を目指すために

三石博行


1-3、「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」による再生可能エネルギーの全量買取制度の提案」と「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」(2009年-2011年)

2009年9月に政権を取った民主党のマニフェスト42項で地球温暖化対策を強力に推進すること、同マニフェスト43項で再生可能エネルギーによる電力の全量買い取り方式の固定価格買取制度を導入すること、44項で環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進すること、そして、45項で環境分野などの技術革新で世界をリードすることが述べられていたつまり、これまでの自民党政権の原発推進を基調とするエネルギー政策に対して民主党は選挙前では再生可能エネルギーを重視する政治的視点を持っていたと言える。

2009年9月に成立した民主党政権下では、それまでの原発政策への基本的な方針転換は打ち出されなかった。それでも一応、政治公約に挙げた再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度を検討するグループ「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」が2009年11月に組織された。このプロジェクトチームは政治指導体制で行われ、経済産業省の政務三役と柏木孝夫東京工業大学教授を委員長する有識者5名によって構成された。「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」の会合は2009年11月6日の第1回目から2010年7月23日の5回目まで続き、平成22年8月4日に経済産業省(資源エネルギー庁)からプロジェクトチームの再生可能エネルギーの全量買取制度の基本的な取り決めが報告された。

プロジェクトチームは「再生可能エネルギーの全量買取制度の導入に当たって」の意見の中で三つの基本的な考え方を示した。 一つ目は、「再生可能エネルギーの導入拡大は、「地球温暖化対策」のみならず、「エネルギーセキュリティの向上」、「環境関連産業育成」の観点から、低炭素社会と新たな成長の実現に大きく貢献する」ものであり、二つ目は、「再生可能エネルギーの導入拡大」、「国民負担」、「系統安定化対策」、の3つのバランスを取りながら現実的な全量買取制度の設計に即して、最大限の国民負担の抑制と同時に最大限に導入効果を追求することであり、そして三つ目は、再生可能エネルギーの全量買取制度の大枠について国民に発表し、詳細な制度設計、地球温暖化対策のための税や国内排出量取引制度の議論を行い、その動向を見極めつつ、検討を進めることが大切であるという考え方である。そして、この導入によって、2020 年までに再生可能エネルギー関連市場が10 兆円規模となることを目指すと述べられている。

プロジェクトチームの「再生可能エネルギーの全量買取制度の導入」の提案に即して、政府・経済産業省はあの東日本大震災の日、平成23年3月11日に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」を第177回通常国会に提出すること報告したのである。
この法案には再生可能エネルギーの固定価格買取制度と太陽光発電買取費用を国民が負担するサーチャージ(太陽光発電促進付加金)が導入された。


1-4、3.11(東電福島第一原発事故)以後、問われたエネルギー基本計画と「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」成立(2011年)

平成23年3月11日東日本を巨大地震と未曾有の大津波が襲い、東日本大震災によって甚大な被害が発生した。東京電力福島第一原子力発電所(以後東電福島第一原発と呼ぶ)も地震と津波の被害に晒された。そして、原子力発電所が全電源喪失を起こし、冷却機能を失った原子炉でメルトダウンが進行し、水素爆発を起こし、広島に投下された原子爆弾100個分の放射能物資が大気中に放出されたとも言われている。

東電福島第一原発事故(以後福島原発事故と呼ぶ)は深刻で広範囲の放射能物質による汚染を引き起こしている。そして、未だに原子炉の冷却作業が続いている。原発事故のもたらした被害総額は莫大なものと予測されている。公益社団法人日本経済センターは、「今後10年間で20兆円の処理費用がかかるとの試算結果を7月19日公表した。一方、政府は事故処理には数十年必要との見通しを発表している。」(Wikipedia)さらに、植草一秀は、今後の事故処理や損賠賠償に関して、1999年に発生した茨城県東海村のJOC原発臨界事故と比較し、JOC原発臨界事故での避難エリア(350m)で150億円の賠償責任が生じたので、今回の原発事故での避難エリアは約半径20kmとして、その面積の倍数に賠償金を単純に乗じて得られる約50兆円の数値を示す報告をしている。

こうした広範で長期化を避けられない福島原発事故への賠償問題(東電の賠償金支払い能力を越えた課題)に対して、国は「原子力損害の賠償に関する法律」の3条1項と16条1項に基づき、自然災害によって生じた甚大な事故として福島原発事故への損害賠償への補助を決定した。それに対して、日本弁護士連合は2011年6月20日、「福島第一原子力発電所事故による損害賠償の枠組みについての意見書」を内閣総理大臣及び経済産業大臣に対し提出し、少なくとも東電は5億近い賠償資金を資産売買によって得られることを説明し、東電が事故賠償責任の回避をしないように働き掛けている。

広範な地域の放射線汚染物質の除去、汚染地域での生活や経済活動への被害、健康被害等々、そして風評被害まで含め福島原発事故が与えた経済的打撃は計り知れない莫大な金額であることは疑えない。この事態を重くみた政府はこれまで続いてきた原子力政策とエネルギー基本計画を見直す作業に取り掛かった。

2011年5月10日管直人首相は今後のエネルギー政策について従来の計画を白紙に戻して議論する」と述べ、原発への依存を減らす方針を表明した。管総理はエネルギー基本計画に示された2030年の総発電量のうち50%を原子力と想定したエネルギー基本計画を見直し、太陽光、風力発電などの再生可能エネルギーと省エネ社会実現を2本柱とする意向を示した。新たなエネルギー基本計画では2030年に向けた目標ではエネルギー自給率の向上とゼロ・エミション電源比率の引き上げが掲げられた。

日本のエネルギー政策を決定していた「エネルギー基本計画」の抜本的見直しを検討するために、経済産業省・総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の第1回会合が2011年10月3日、第2回目が10月26日に開催された。

脱原発への社会世論が起り各地で脱原発を訴える市民運動が盛んに行われるようになった。管首相の浜岡原発の稼働の中止要請を受け中部電力は5月9日に原子炉を止めた。また、2009年11月から始まった「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」の提案を実現する「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」作りが始まった。この法案が2002年の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」のように骨抜きにならないために、活発な提案が社会から行われた。

政府もその動きに反応した。例えば、2011年6月12日 太陽光や風力など自然エネルギーの普及について菅直人首相と孫正義氏を含む民間有識者が意見交換する懇談会を首相官邸で開催した。孫正義氏が主導し、全国の35道府県が協力して太陽光や風力などの発電を普及させる「自然エネルギー協議会」(石井正弘・岡山県知事会長)が6月13日に秋田市内で第1回総会を開き、電力の全量買い取りの制度の早期制定など6項目を柱にする政策提言「秋田宣言」をまとめた。

3月11日に閣議決定した「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法案」は与野党協議を経たその修正案(第177回国会閣第51号に対する修正案)が8月23日に衆議院経済産業委員会で可決され、8月26日に成立した。この法律は2012年7月1日から施行される。


参考資料

1、 日本弁護士連合会「福島第一原子力発電所事故による損害賠償の枠組みについての意見書」2011年6月20日 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2011/110617_2.html
2、 原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年六月十七日法律第百四十七号)http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO147.html
3、 Wikipedia 「福島第一原子力発電所事故」
4、 植草一秀 「原発事故加害者が被害額大幅圧縮に突き進む暴挙」http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-ea3c.html
5、 YOMIURI ONLINE 「菅首相、原発依存見直しを表明」2011年5月11日 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110510-OYT1T00978.htm
6、 WWFジャパン公式サイト「エネルギー基本計画」を審議する第1回会合が開催されました」http://www.wwf.or.jp/activities/2011/10/1018105.html
7、 寺島実郎「エネルギー基本計画の見直しで問われるもの」日経BP社 BPnet http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20111028/109141/
8、 産経ニュース msn 「自然エネルギー普及で意見交換 12日に首相と孫正義氏ら」2011.6.10、http://sankei.jp.msn.com/
9、 産経ニュース 「「自然エネルギー協議会」が初総会 「秋田宣言」まとめる ソフトバンク孫社長が主導」2011.7.13、http://sankei.jp.msn.com/
10、 経済産業省 資源エネルギー庁「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案について」 NewsRelease平成23年3月11日 資源エネルギー庁
11、 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案要綱」
12、 電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(平成十四年法律第六十二号)


つづき

1-5、「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の簡単な解説
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_27.html


論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」のダウンロード
http://hiroyukimitsuishi.web.fc2.com/pdf/kenkyu_03_04/cMITShir11a.pdf




--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html


12月8日、誤字修正
--------------------------------------------------------------------------------

再生可能エネルギー促進法とその問題点について(3)

持続可能なエネルギー生産社会を目指すために

三石博行


1-2、住宅用太陽光発電の固定価格買取制度の導入(2008年-2009年)

日本では再生可能エネルギーに対する普及促進策としては電力会社による自主的な買い取り、RPS法や各自治体による助成などが用いられてきた。 これにより太陽光発電パネルをいち早く売り出した日本の電気メーカの供給も重なり、太陽光発電では2004年度まで世界一の生産量や市場を有していた。(Wikipedia)

図表2、2001年から2010年までの世界の太陽光電池生産量(Wikipedia)


しかし、2005年に政府の太陽光発電パネル設置への補助金が打ち切られると、国内の需要が減った。2005年度に約300MWあった生産量が2006年度に減少に転じ、2007年度は約200MWまで減少した。それまで世界一の生産量を誇っていた日本はドイツ、中国、そしてアメリカにまで抜かれてしまった。(Wikipedia)

図表3、日本における太陽光発電池出荷量(国内用と海外用)(Wikipedia)


2005年に補助金がなくなり、しかも、当時、家庭で発電する太陽光電気の買取価格は一般電気事業者10社で少しの格差はあったが1KWh当たり約22円-23円であったため、太陽光電池国内需要は急速に衰えた。何故なら、この売電価格では、太陽光発電施設の設置費用に投資した資金の回収は不可能であるからだ。これまで政府の補助金で僅かではあったが太陽光パネルを設置しようとしていた国民の自然エネルギー活用の意欲は失われたと言えるだろう。

図表4、2001年度から2007年度までの太陽光発電の国内出荷量(MW)
出典:JPEA(太陽光発電協会)ウェブサイト、「統計・資料」)

2005年に新エネルギー財団(NEF)による助成が終了して以降、2007年まで国内市場は縮小し、日本の太陽光発電の国内出荷量は減少し、総出荷量も伸びず、結果的に太陽光電池生産量世界一の座をドイツに奪われた。明らかにこれは日本のエネルギー政策の不備によって生じたといえる(それについては日本の太陽光電池産業の問題を指摘する考えもあるが)。世界一の太陽光電池の生産国となったドイツでは固定価格買い取り制度を導入した。ドイツは1990年のStromeinspeisungsgesetz (StrEG電力供給法)、そして2001年のErneuerbare-Energien- Gesetz(EEG、再生可能エネルギー法)、および2004年のEEG法改正と3段階の固定価格買い取り制度を導入することで太陽光発電の普及を促したと言われている。

日本の太陽光発電の国内出荷量の減少に危機感を募らせた政府(経済産業省)は、2008年に福田ビジョン(2008年6月9日、第91代内閣総理大臣福田康夫により発表された日本の地球温暖化への対策としてポスト京都議定書の枠組み作り、国際環境協力と技術革新の三つの提案・クールアース推進構想の温暖化ガス排出量削減構想)による太陽光電池の大幅な増産を目標に掲げた。そのビジョンにそって2009年1月に経産省が緊急提言に沿って補助金を復活させた。また、また2009年2月には環境省も再生可能エネルギーの導入に伴う費用や経済効果の試算を発表し、太陽光発電の普及政策として固定価格買い取り制度の採用を提案した。(Wikipedia)

2009年2月の環境省による太陽光発電を含む再生可能エネルギーの普及による費用や経済効果の試算によると、2020年までに太陽光発電37GWp、2030年までに79GWpの導入を仮定すると、再生可能エネルギー全体の導入の費用は2030年までに25兆円にのぼり、その経済効果はその2倍以上になる。そして、数十万人の雇用を生み出すだろうと述べられた。環境省の発表と同じ時期に、経済産業省も太陽光発電設備の初期投資を10年程度で回収できる助成策を導入することを発表した。環境省と経済産業省が共に太陽光発電の推進を行うことで一気に普及政策として固定価格買い取り制度の土台が整った。

2009年9月16日、民主、社民、国民新の3党連立政権が発足した。民主党は同年の衆議院選挙公約(マニフェスト)43項「全量買い取り方式の固定価格買取制度を導入する」の中で、再生可能エネルギー固定価格全量買取制度の早期導入、効率的電力網(スマートグリッド)技術開発・普及促進を公約した。民主党政権の成立によって更に2008年の福田ビジョンにそって2009年2月の環境省と経済産業省が具体化しようとした太陽光発電の推進構想が展開したといえるだろう。
2009年11月から固定価格による余剰電力買取制度が始まった。買取期間を10年とした日本の固定価格全量買取制度が出発したのである。この制度では、10KW未満の住宅用の太陽光発電は1KWHあたり48円(2011年申込みでは42円)で、非住宅用では24円(2011年申込みで40円)で、10KW以上で500KW以下では住宅用でも日住宅用でも1KWHあたり24円である。しかし、大型の発電施設、500KW以上では一般電気業者の買取は行われない。

図表5 買取期間10年の太陽光発電余剰分買取価格(Wikipedia)



10kW未満

10~500kW

500kW以上

住宅用

48円/kWh

(42円)

24円/kWh

買取なし

非住宅用

24円/kWh

(40円)

24円/kWh

買取なし

発電用

買取なし

買取なし

買取なし



( )は2011年度契約申込みの場合


不十分とは言え、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)施行から7年後の2009年に太陽光発電施設による新エネルギー等電気のうち、太陽光発電の剰余電力買取制度」が始まった。つまり、2009年11月から太陽光発電の剰余電力を電気事業者は買取る義務を負う制度(特定太陽光電気買取制度)が出発した。それは、RPS法第3条により政府が定める新エネルギー電気利用目標に対して同法第4条及び第5条により電気事業者は基準利用量の使用が義務とされたことを意味する。これが2002年に小泉政権によって成立し福田ビジョンで展開した自民党発のRPS法の功績であったと言える。

言い方を変えるなら、2009年11月から始まった固定価格による余剰電力買取制度は、2005年に政府の太陽光発電パネル設置への補助金が打ち切られたため太陽光電池の国内需要が減少、その結果としての国際競争力の減退が生じたことへの対策として始まったと言える。日本の先端産業部門である太陽電池産業の危機を救うためにRPS法を活用した政策、2008年6月の福田ビジョンが示された。そして、政府(環境省と経済産業省)は太陽光発電の普及政策として固定価格買い取り制度の採用を提案したのである。つまり、住宅用太陽光発電の固定価格買取制度(RPS法の実施)は日本の先端産業部門の危機を救うために導入されたと言ってよい。そのため風力等の他の新エネルギーに関する固定価格買取制度は作られなかったのである。

住宅用太陽光発電の固定価格買取制度(FiT)が2009年11月から始まったにしろ、原子力を中心したエネルギー基本計画がある限り再生可能エネルギーの活用の普及は基本的に進展することがなかったと言える。この流れは2009年9月に民主党政権が発足した後も変わらず2011年3月11日の東電福島第一原発事故まで続くことになる。


解説

FIT(FiT)法とは、1978年アメリカ合衆国カルフォルニア州での風力発電の普及のために、固定価格買取制度が始まった。その制度を定めた法律をFIT(Feed-in Tariff)法と呼んでいる。(Wikipedia)


参考資料

1、 Wikipedia「太陽光発電」http://ja.wikipedia.org/wiki/
2、 太陽光発電協会 HP http://www.jpea.gr.jp/
3、 Wikipedia「固定買取制度」http://ja.wikipedia.org/wiki/
4、 Wikipedia「福田ビジョン」http://ja.wikipedia.org/wiki/
5、 Wikipedia「クールアース推進構想」http://ja.wikipedia.org/wiki/
6、 経済産業省HP 「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチームの動き」 http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004629/index
7、 経済産業省HP「再生可能エネルギーの全量買取制度の大枠について」2010年8月4日資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部 電力・ガス事業部http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004629/framework.html
8、 再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム「再生可能エネルギーの全量買取制度の導入に当たって」 平成22年7月23日 3p
9、 再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム「再生可能エネルギーの全量買取制度の導入に当たって」参考資料 15p
10、 資源エネルギー庁 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案について」 News Release経済産業省平成23年3月11日 
11、 経済産業省「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案の概要」平成23年3月 経済産業省
12、 資源エネルギー庁 「新たなエネルギー基本計画の策定について」News Release経済産業省平成23年6月18日
13、 Wikipedia「固定価格買取制度」


つづき

1-3、「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」による再生可能エネルギーの全量買取制度の提案」と「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」(2009年-2011年)  
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_5505.html


論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」のダウンロード
http://hiroyukimitsuishi.web.fc2.com/pdf/kenkyu_03_04/cMITShir11a.pdf


--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html


12月8日、誤字訂正

--------------------------------------------------------------------------------

再生可能エネルギー促進法とその問題点について(2)

持続可能なエネルギー生産社会を目指すために

三石博行

1-1、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)(RPS法)について(2002年から2007年まで)

日本社会の「聖域なき構造改革」を訴えて成立した小泉政権下、2002年6月7日に「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)が成立し、同年12月6日から施行された。この法律は、「経済的社会的環境に応じたエネルギーの安定的かつ適切な確保に資するために、電気業者による新エネルギー等の利用に関する必要な措置を講ずること」を義務化し「環境の保全」と「国民経済の健全な発展」を目的として公布された。この法律で定める新エネルギーとは、風力、太陽光、地熱、水力とバイオマス等とされていた。

2007年3月30日に「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行令」(平成19年3月30日政令第97号)が出され、RRP法が施行された。この法律によって平成19年度(2007年)以降8年間、2014年度までの新エネルギー等電気の利用目標量が示された。2007年度は86.7億KW、2008年度は92.7億KWであった。2009年度に出された新エネルギー等電気の利用目標量では同年度(2009年度)の新エネルギー等電気の利用目標量は103.8億KWであった。

2011年度の電気事業者53社(一般電気事業者10社、特定電気事業者5社、特定規模電気事業者38社)に、総量約110.1億KWの新エネルギー等電気の利用の義務が課せられた。2007年度の日本の年間総発電量が約12000億KWである。2011年度の新エネルギー等電気の利用目標量を2007年度年間総発電量に比較したとしても、その総発電量の1%弱しか新エネルギーの占める電力は生産されていない。

図表1 日本の一次エネルギー供給量
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2010年版)

また、IEA 統計における再生可能エネルギー導入量と対一次エネルギー総供給シェアの1990年と2006年の比較から、日本はその16年間(1990年1.7%と2006年1.8%)で0.01パーセントしか増加していない。デンマークは(1990年6.1%と2006年14.5%)で8.3%、 スウェーデンは(1990年11.1%と2006年18.2%)で7.1%、ドイツは(1990年1.1%と2006年5.3%)で4.2%増加している。

中でも平成22年度(2010年度)の新エネルギー等電気の総量は102.5億KWであり、その中で太陽光発電は13.4億KWを占めている。つまり、日本の年間総発電量が約12000億KW(2007年度)であるとしてもその総量の0.1%しか新エネルギー電気量は占めていないのである。このことから2002年6月7日に「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)は、その法律の目的であった電気事業者による新エネルギー等の利用を促進することは出来なかったと理解すべきである。

言い換えると、2002年の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」の目的である「環境の保全」と「国民経済の健全な発展」のために、自然エネルギー(風力、太陽光、地熱、水力とバイオマス等)の生産とその利用を促進し「経済的社会的環境に応じたエネルギーの安定的かつ適切な確保に資する」と謳ったが、現実には、電気業者による新エネルギーの利用量は僅かなものであり、経済システムを改革する力にはなりえなかった。

21世紀になり国のエネルギー政策は大きな課題を抱えていた。一つは地球温暖化防止を進めようとする国内外の政治や社会の傾向である。非化石エネルギー利用の開発が急がれていた。もう一つは中国を始め急速に経済成長し始めた国々によるエネルギー需要の増加とそれに伴うエネルギー価格の上昇である。こうした課題に素早く対応するために、政府、経済産業省の総合資源エネルギー調査会需給部会は2002年3月に「2030 年のエネルギー需給展望」を示した。そして、自由民主党の議員立法により2002年6月7日にエネルギー政策基本法(平成14年法律第71号成立、同月14日公布)が施行された。このエネルギー政策基本法の第12条第4項の規定に基づき総合資源エネルギー調査会総合部会基本計画委員会が発足し、2003年10月に「エネルギー基本計画」が作成された。
 
「エネルギー基本計画」はその後、2007年、2010年と出された。2003年の「エネルギー基本計画」と2007年のそれを比較するなら、国のエネルギー政策が原子力発電に大きくシフトしていることが理解できる。言い換えると、原子力エネルギーの利用によって、2 030年に向けた国のエネルギー基本計画の基調である非化石エネルギーの利用拡大政策を推し進めた。このエネルギー基本計画(エネルギー政策基本法)と新エネルギーの利用拡大を目的にしたRPS法「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)は基本的にその方向性を異にすることになる。当然、原子力発電を基本とする電気エネルギー生産を中心におくエネルギー基本計画が再生可能エネルギーを利用するRPS法よりも優位に立っていたために、地球温暖化対策として二酸化炭素を排出しない原子力発電によって電力は十分に補給でききると考えていたために、地球温暖化対策や脱化石燃料エネルギー利用の切り札としてコスト高の再生可能なエネルギー(風力、太陽光、地熱、水力とバイオマス)の開発に敢えて投資する必要を感じていなかったのである。

2007年6月と2010年6月のエネルギー基本計画によると、政府は原子力を非化石エネルギーの代表とし、2020年までに9基(ゼロ・エミッション電源比率50%)、2030年までに14基(ゼロ・エミッション電源比率70%)の原子力発電所を新増設する計画を出していた。政府が非化石エネルギーである原子力も新エネルギーの中に入れ、原子力エネルギーを中心とするエネルギー基本計画を立てるなら、他の再生可能エネルギーを活用する必要はないのである。つまり、このエネルギー基本計画によって再生可能エネルギーを生産する社会経済システムは進行しないことになる。RPS法によって電気事業者が風力、太陽光、地熱、水力、バイオマス等の新エネルギー等を利用することを促進しようとしても、エネルギー基本によって、このRPS法は形骸化されてしまったと言えるだろう。


解説

1. 電気の単位
1Wは 約0.860cal (1ccの水を約0.86度C上げるエネルギー)
1000Wが1KW(キロワット)
1000KWが1MW(メガワット)つまり100万W(0.1万KW)
1000MWが1GW(ギガワット)つまり10億W(100万KW)
1000GWが1TW(テラワット)つまり1兆W(10億KW)
  例えば
3KWが平均的な家庭用エアコンの能力、40KW- 200KWが一般的な自動車の出力、6MWがドイツの電気機関車の定格出力、18.2MWが新幹線500系電車の編成出力、2.074GWがフーバーダムの最大発電電力、3GWが世界最大の原子炉の最大発電電力、1.7TWが世界の平均消費電力(2001年)、3.327TWがアメリカ合衆国の平均消費仕事量(ガス・電力など全ての合計)、(2001年)13.5TWが世界の平均消費仕事量(2001年)(Wikipedia)

2. 一般電気事業者10社とは現在は、「北海道電力㈱、東北電力㈱、東京電力㈱、中部電力㈱、北陸電力㈱、関西電力㈱、中国電力㈱、四国電力㈱、九州電力㈱、沖縄電力㈱」である。特定電気事業者5社とは「限定された区域に対し、自らの発電設備や電線路を用いて、電力供給を行う事業者(六本木エネルギーサービス㈱、諏訪エネルギーサービス㈱が該当)」である。特定規模電気事業者38社とは「契約電力が50kW以上の需要家に対して、一般電気事業者が有する電線路を通じて電力供給を行う事業者(いわゆる小売自由化部門への新規参入者(PPS))」である。
参考 経済産業省 資源エネルギー庁 「我が国の電気事業制度について」
電気事業の概要 (1)電気事業者の種類 (図:電気事業者の概要)
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/genjo/genjo/index.html
Wikipedia 「電気事業法」

3. 特定太陽光電気とは、「太陽光発電施設による新エネルギー等電気のうち、太陽光発電の剰余電力買取制度により電気事業者に買取義務のある電気であり、RPS法の義務履行に充当できないもの」を言う。
参考 経済産業省資源エネルギー庁 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法の平成22年度の施行状況について」 News Relesse、平成23年7月15日

4. RPSとは「Renewables Portfolio Standard」の略語で、日本語に訳すと「再生可能エネルギー利用割合基準」となる。


参考資料

1、 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)平成14年6月7日公布
2、 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行令」(平成14年法律第62号)改正 平成19年3月30日政令97号
3、 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則第二十条各号に規定する手続を行う者に係る計算機に係る基準」平成14年経済産業省告示第410号 平成14年12月6日公布(平成15年2月3日一部改正、平成15年2月13日最終改正、平成15年4月1日施行)
4、 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則」(平成14年12月6日 経済産業省令第109号)改正 平成15年2月3日、法律第62号)改正 平成19年3月30日政令97号
5、 経済産業省「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)と下位法令との対比表
6、 「平成19年度以降8年間について電気事業者による新エネルギー等電気の利用目標」 経済産業省告示第279号 平成21年8月31日公布
7、 IEA, Renewables Information, Energy Balances of OECD Countries 
8、 総合資源エネルギー調査会需給部会 『2030年のエネルギー需給展望』平成17年3月 http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g50328b01j.pdf
9、 経済産業省 「エネルギー政策基本法」平成十四年六月十四日法律第七十一号)http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO071.html
10、 Wikipedia 「エネルギー政策基本法」
11、 経済産業省 資源エネルギー庁『エネルギー白書2009年』p148
12、 経済産業省資源エネルギー庁 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法の平成22年度の施行状況について」 News Relesse、平成23年7月15日
13、 経済産業省 (2003)『エネルギー基本計画』平成15年10月、37p
14、 経済産業省 (2007)『エネルギー基本計画』平成19年3月、69p
15、 経済産業省 (2010)『エネルギー基本計画』平成22年6月、65p


つづき

1-2、住宅用太陽光発電の固定価格買取制度の導入(2008年-2009年) 
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_4777.html


--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html


12月2日 誤字修正
--------------------------------------------------------------------------------

再生可能エネルギー促進法とその問題点について (1)

持続可能なエネルギー生産社会を目指すために

三石博行


目次

持続可能なエネルギー生産社会を目指すために
 

1、再生可能エネルギー促進法とその問題点について
 
1-0、はじめに

1-1、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)(RPS法)について(2002年から2007年まで)
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_9263.html

1-2、住宅用太陽光発電の固定価格買取制度の導入(2008年-2009年) 
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_4777.html

1-3、「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」による再生可能エネルギーの全量買取制度の提案」と「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」(2009年-2011年)  
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_5505.html

1-4、3.11(東電福島第一原発事故)以後、問われたエネルギー基本計画と「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」成立(2011年)
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_5505.html

1-5、「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の簡単な解説 
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_27.html

1-6、「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の問題点  
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_3610.html

1-7、まとめ 
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_3610.html


論文「再生可能エネルギー促進法とその問題点について」のダウンロード
http://hiroyukimitsuishi.web.fc2.com/pdf/kenkyu_03_04/cMITShir11a.pdf



はじめに

今年「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」(FiT法)が成立し、来年7月に施行される。この法律の成立過程を2002年に公布された「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS法)から振り返ってみる。

法律は政策の道具である。政策は政治的方針を実現する手段である。政治的方針とは政治理念を具体化するための方法である。こう考えると、再生可能エネルギー電気の利用普及や、その固定価格買取制度も、この国の将来計画、将来ビジョンに基本的な課題があることを理解できる。我々はどのような社会を実現しようとしているのか。そのためには、どういう政策をどの時代にどのように適用するかということが政治家や政策立案者たちの作業となるだろう。

今回、「電気事業者による再生可能エネルギー等の利用に関する特別措置法」の簡単な解説とその問題点について語るのであるが、その前に、それらの問題がどこから来ているかを説明するために、上記したようにRPS法からFiT法への成立過程を分析した。

この議論は、当然、これからの再生可能エネルギー社会を実現するための議論の一端であり、その長い困難な政治的(政策的)、経済的、技術的、生活文化的課題に対する議題の提供を行うためのものである。この法律に関する評価と課題分析を行うことは、明日の再生可能エネルギー社会の実現に役立つものと信じるのである。

この文書は2011年11月19日おおつ市民環境塾講座で行った講演の資料を基にして作成したものである。


つづき

1-1、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)(RPS法)について(2002年から2007年まで)
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_9263.html


見引用・参考資料

1. 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(平成14年法律第62号)平成14年6月7日公布
2. 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行令」(平成14年法律第62号)改正 平成19年3月30日政令97号
3. 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則第二十条各号に規定する手続を行う者に係る計算機に係る基準」平成14年経済産業省告示第410号 平成14年12月6日公布(平成15年2月3日一部改正、平成15年2月13日最終改正、平成15年4月1日施行)
4. 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則」(平成14年12月6日 経済産業省令第109号)改正 平成15年2月3日、法律第62号)改正 平成19年3月30日政令97号
5. 経済産業省「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)と下位法令との対比表
6. 「平成19年度以降8年間について電気事業者による新エネルギー等電気の利用目標」 経済産業省告示第279号 平成21年8月31日公布
7. IEA, Renewables Information, Energy Balances of OECD Countries 
8. 総合資源エネルギー調査会需給部会 『2030年のエネルギー需給展望』平成17年3月 http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g50328b01j.pdf
9. 経済産業省 「エネルギー政策基本法」平成十四年六月十四日法律第七十一号)http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO071.html
10. Wikipedia 「エネルギー政策基本法」
11. 経済産業省 資源エネルギー庁『エネルギー白書2009年』p148
12. 経済産業省資源エネルギー庁 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法の平成22年度の施行状況について」 News Relesse、平成23年7月15日
13. 経済産業省 (2003)『エネルギー基本計画』平成15年10月、37p
14. 経済産業省 (2007)『エネルギー基本計画』平成19年3月、69p
15. 経済産業省 (2010)『エネルギー基本計画』平成22年6月、65p
16. Wikipedia「太陽光発電」http://ja.wikipedia.org/wiki/
17. 太陽光発電協会 HP http://www.jpea.gr.jp/
18. Wikipedia「固定買取制度」http://ja.wikipedia.org/wiki/
19. Wikipedia「福田ビジョン」http://ja.wikipedia.org/wiki/
20. Wikipedia「クールアース推進構想」http://ja.wikipedia.org/wiki/
21. 経済産業省HP 「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチームの動き」 http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004629/index
22. 経済産業省HP「再生可能エネルギーの全量買取制度の大枠について」2010年8月4日資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部 電力・ガス事業部http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004629/framework.html
23. 再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム「再生可能エネルギーの全量買取制度の導入に当たって」 平成22年7月23日 3p
24. 再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム「再生可能エネルギーの全量買取制度の導入に当たって」参考資料 15p
25. 資源エネルギー庁 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案について」 News Release経済産業省平成23年3月11日 
26. 経済産業省「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案の概要」平成23年3月 経済産業省
27. 資源エネルギー庁 「新たなエネルギー基本計画の策定について」News Release経済産業省平成23年6月18日
28. Wikipedia「固定価格買取制度」
29. 日本弁護士連合会「福島第一原子力発電所事故による損害賠償の枠組みについての意見書」2011年6月20日 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2011/110617_2.html
30. 原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年六月十七日法律第百四十七号)http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO147.html
31. Wikipedia 「福島第一原子力発電所事故」
32. 植草一秀 「原発事故加害者が被害額大幅圧縮に突き進む暴挙」http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-ea3c.html
33. YOMIURI ONLINE 「菅首相、原発依存見直しを表明」2011年5月11日 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110510-OYT1T00978.htm
34. WWFジャパン公式サイト「エネルギー基本計画」を審議する第1回会合が開催されました」http://www.wwf.or.jp/activities/2011/10/1018105.html
35. 寺島実郎「エネルギー基本計画の見直しで問われるもの」日経BP社 BPnet http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20111028/109141/
36. 産経ニュース msn 「自然エネルギー普及で意見交換 12日に首相と孫正義氏ら」2011.6.10、http://sankei.jp.msn.com/
37. 産経ニュース 「「自然エネルギー協議会」が初総会 「秋田宣言」まとめる ソフトバンク孫社長が主導」2011.7.13、、http://sankei.jp.msn.com/
38. 経済産業省 資源エネルギー庁「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案について」 NewsRelease平成23年3月11日 資源エネルギー庁
39. 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案要綱」
40. 電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(平成十四年法律第六十二号)
41. 「電気業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号) 第五章 調達価格等算定委員会 
42. 調達価格等算定委員会令
43. 経済産業省 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」の概要、発表資http://www.meti.go.jp/press/20110311003/20110311003.html
44. 神田慶司、溝端幹雄、鈴木準 経済社会研究班レポートNo4「再生可能エネルギー法と電気料金への影響」大和総研、2011年9月2日、15p  http://www.dir.co.jp/souken/research/report/japan/mlothers/11090201mlothers.pdf
45. EICネット「ドイツ、太陽光発電に対する電力買い取り補償価格を15%引き下げる提案を公表」http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=24613&oversea=1  2011.01.20
46. bloomberg.co.jp(News)「太陽光エネルギー業界で大規模再編が加速-価格下落で提携か廃業へ」http://www.bloomberg.co.jp/  2011/08/31
47. 新華社通信 「独、太陽光発電産業が窮地に陥る 中国産業への影響も」2011年09月15日、http://www.xinhuajapan.com/open/2011/09/post-85.html 
48. 日経ビジネス 「原発5基分の電力が燃料費タダで手に入る 廃棄物発電の潜在力と再生可能エネルギー全量買取法の弱点」2011.09.30 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110930/222923/
49. 経済産業省「平成23年度の太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)の単位の確定に伴う電気料金の認可について」 News Release経済産業省平成23年1月26日


--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html


12月2日 誤字修正
--------------------------------------------------------------------------------

2011年11月2日水曜日

PBL教育を日本の大学に普及させよう(「PBL教育フォーラム2011」に参加して2 )

参画型授業の開発(2)


三石博行



社会の教育力を活用して成立するPBL教育

同志社大学PBL推進支援センターが主催して2011年10月22日に同志社大学新町キャンパスで開かれた「PBL教育フォーラム2011」で配布されたフォーラムのプログラム(予定項目)の副題に「学生のヤル気を引き出すPBL ‐実践的な学習をサポートする支援としかけ‐」と記されているようにPBLの教育目的は学生の学習意欲を引き出すことである。

学習意欲とは学習課題への関心であり、その課題を探究したいという要求である。まず、この課題への関心は、無理に作ることは出来ない。学びを強制されて、また卒業要件を満たすための手段として受講している科目に対して、始めから積極的な学習意欲を感じる訳がないのは当然である。PBL教育は学生が企画し運営する授業である。そのため、学習意欲を持つことが、この教育の成立条件の必要十分条件となっている。

しかし、PBL教育の第一の難関は、まさにこの課題となる。積極的な学習姿勢を予め学生に要求することは困難である。その姿勢が無ければしかし、PBL教育は成立しない。PBL教育が成立しなければ「主体性をもって学ぶ」姿勢を教育することは出来ない。学ぶ姿勢はPBL教育の目標であり、その成立条件である。つまり、どのようにしてPBL教育を成立させるのかが、実は、多くの大学がPBL教育を導入するにあたって抱え込んでいる問題の一つであると言える。

今回の「PBL教育フォーラム2011」に参加した大半の大学のPBL教育に共通している点は企業活動、大学教育改善活動、国際支援活動を課題にし、そこで問題となっている課題の解決をプロジェクト科目のテーマにしていたことであった。学生は、直接、現実の問題を触れ、そこで問われている課題を受け止め、その解決を巡ってプロジェクト科目の授業が始まる。つまり、問題提起者としてこれらのPBL教育が活用したのは社会の教育力であった。社会には解決しなければならない問題は山のようにある。その現実を知らせる。そしてその現実を受け止めることからプロジェクト科目が始まるのである。

アメリカの医学教育に導入されているPBL教育でも、まず学生は大学付属病院の臨床の現場で患者さんの治療を考えることから始まる。そして日本では看護学部に導入されているPBL教育も看護現場の問題を受け取る形で学習プロジェクトが始まる。つまり、PBL教育で必要な問題提起者はつねに現実の社会であると言える。換言すると、社会の教育力を大学教育のシステムに導入することが出来ない限りPBL教育は困難であるとも言える。


悩みぬく力を身に付けた

「PBL教育フォーラム2011」の第2部「学生による取組発表」で、早稲田大学プロフェッショナル・ワークショップのグループは「2011年KUMON×早稲田プロフェッショナル・ワークショップ」のについて発表した。明治大学商学部特別テーマ実践授業のグループは「グッド・イノベーション講座 ~新聞のプロモーション~」の成果について報告した。広島経済大学興動館教育プログラムのグループは「インドネシア国際貢献プロジェクト ~インドネシアの復興を目指して~」について国際支援活動の経験を報告した。甲南大学 CUBEプロジェクト科目のグループは「‐MyKONAN改善プロジェクト 学生が欲しい学内ポータルサイトの企画」について発表した。そして最後に同志社大学プロジェクト科目のグループは「京都の織物文化活性化計画!~織物の伝統技術について考えよう~」を発表した。

そのすべてのPBL教育プログラムが企業、自治体、NGO、地域社会、大学で働く人々の参加によって運営され、それらの現場や職場の課題解決をテーマにしていた。学生は協力してくれた会社、学校法人やNGOに解決策を提案し、それらの提案が受け入れられ、実際に活用されているケースもあった。つまり、学生は学ぶ立場でなく、問題解決に参画する立場を自覚していた。そこで与えられた責任を全うするために努力していた。

第3部のパネルディスカッション「学生と共に考える学習環境」の中で、学生の発言したことは、多くの参加者にとって貴重な意見であり、そこから多くのことを学ぶことができたと思えた。PBL教育プログラム(プロジェクト科目)に協力した企業の人々から学んだことや実際の社会統計作業に必要な社会統計の学習を専門の教員から受講したこと等々の経験、成果や反省点を述べた。そのすべてをここで紹介することはできないがどの発言や提案も素晴らしいものであった。発言の中には、大学へのPBL教育のための体制や施設充実の要求、PBL教育を担う教員への要求、その一つひとつが教える側には身にしみる内容であった。真剣に学習に取り組できた学生の意見だけにそれらの発言には迫力があった。そして、何よりもそれれの提案には説得力があった。

ディスカッションの中で、パネラーの甲南大学マネジメント創造学部3年生の川井健太さんの「このPBLを通じて、悩みぬく力を身に付けることができた」という発言は、このPBL教育の成果の大きな一つであると感激した。学ぶ姿勢、いやもっと問題を解決するために、それと格闘し続けるために、問題を持続して受け止め続ける力、悩みぬく力が必要であと知った。そしてその力を付けることを課題にした。これがPBL教育の成果なのだ。これ以上の教育は日本の大学学部教育にはないだろうと思う。


問われた大学と教員(私)

このフォーラムに参加して、素晴らしい教育成果(学生)に出会い、そして、彼ら彼女らの姿勢や発言から真剣に問われていることは、学生の学ぶ姿勢を問いかけたPBL教育の成果として、教える側、大学、教育環境と教職員の教育力の質を問いかけており、現在の高等教育の在り方や教育者としての大学教員の問題の解決なくしてはPBL教育を普及することは出来ないことに気付かされるのである。

今後、同志社大学で開催された「PBL教育フォーラム2011」のように、PBL教育を参画した学生が主役となるフォーラムを続ける必要がある。各大学で、各大学コンソーシアムで、各地域、関西で、そして全国で、多くの大学にPBL教育を普及する活動を行い続けなければならないと思う。

PBL教育の普及によって、学ぶ姿勢を身に付けた学生から教員や大学に対して、真剣に、そして切実に大学教育改革の具体的な問題が提起され、我々(大学教職員)は、正に彼らと(学生たちとともに)その問題解決のための研究をしなければならいだろう。つまり、我々は学生と同じ立場でPBL教育に関わり、我々、大学の教職員がこのPBLの参加者となり、教える側でなく、共に学習する仲間の一人として、そのプロジェクト科目を参画する(PBL教育活動を行う)中で、我々(教職員)自体が成長する機会を得ることができると確信できた。その確信こそ、PBL教育を普及する力になるだろう。そのためにはまず、始めなければならない。そして、PBL教育を模索検討している仲間(学生、社会の協力者、大学教職員)と協働して、相互の経験を語り合わなければならない。


参考資料

1、2011年10月22日に同志社大学新町キャンパスで開かれた「PBL教育フォーラム2011」2009年度の文部科学省大学教育・学生支援推進事業「プロジェクト・リテラシーと新しい教養教育 -課題要求能力を育成するPBL教育の方法論的整備‐」の研究成果の発表の場として提供された。

2、三石博行 同志社大学「PBL教育フォーラム2011」参加して
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/pbl2011.html

同志社大学PBL推進支援センター 
http://www.doshisha.ac.jp/academics/institute/ppsc/suishin.php


三石博行 河村能夫
「最先端医学教育 UCSFのJMB(Joint Medical Program)・複数専門知識修得の意味 」 
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/ucsfjmbjoint-medical-program.html

A

--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html


--------------------------------------------------------------------------------



2011年11月4日 誤字と文書表現の修正

同志社大学「PBL教育フォーラム2011」参加して

参画型授業の開発(1)


三石博行



PBL(Problem Based Learning )教育の必要性

2011年10月22日、同志社大学の新町キャンパスで同志社大学PBL推進支援センター(山田和人センター長)の主催、株式会社SIGELの共催で、「PBL教育フォーラム2011」が開催された。このフォーラムの参加定員は300名であった。私はこのフォーラムに関する情報を河村能夫龍谷大学経済学部教授や高等教育研究会事務局の佐々江さんから教えてもらって、開催日前の19日になって慌てて参加登録をお願いし、何とか参加することが出来た。

PBL教育に関しては、以前から非常に興味を持ち、河村能夫龍谷大学教授とUCSF(カルフォルニア大学サンフランシスコ校)のM.Kevin教授(不幸にして8月に交通事故で他界された)を龍谷大学の教育開発研究センターの協力を得て、2回龍谷大学に招待し講演会を開催したことがあった。

PBL教育は世界中の大学で課題となっている。何故なら、大学は高度に発達してゆく知識社会を担う人々を育てなければならない。自ら学ぶ力、つまり学ぶ姿勢を持つ人材教育が大学教育の重要な柱となっている。そして、参画型授業の一つとしてPBLが開発されてきた。しかし、PBL教育は日本の大学教育では十分に普及している訳ではない。

早稲田大学や同志社大学のようにいち早くPBL教育を大学教育制度改革に取り入れようとしている大学がある。そして、今回、同志社大学で開かれた「PBL教育フォーラム2011」はこれまでのPBL教育成果を報告した始めての試みであったと言える。


同志社大学PBL教育、社会連携型PBL教育方法によるプロジェクト科目

同志社大学ではPBL教育の土台となるプロジェクト科目を2006年に全学共通教養教育科目に設置した。このプロジェクト科目はPBL教育をベースにした学生主体の社会連携型のチームで行われた。このPBL教育方法でのプロジェクト科目は2006年度の現代GP(文部科学省による大学教育支援プログラムの一つで「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」)にも採択され、2008度末までPBLをめぐるシンポジウムや報告書、調査訪問、PBL研究会の活動等を同志社大学は行ってきた。

2006年からのPBL教育方法でのプロジェクト科目の試みは、2009年度「プロジェクト・リテラシーと新しい教養教育~課題探求能力を育成するPBL教育の方法論的整備~」として展開され、その斬新的教育プログラムは評価されGPに採択されました。2006年度のGP採択は学生主体の社会連携型のチームを課題にしたプロジェクト科目による地域連携教育であったのに対して、2009年度GP採択は、教養教育PBL(プロジェクト科目)が目指すプロジェクト・リテラシーの育成が評価の対象となった。

こうした社会連携型、つまり社会の教育力を大学に取り入れるPBL教育でのプロジェクト科目や、全学部対象の教養教育PBL 推進を進める中で同志社大学では共通教育センターに所属したPBL推進支援センターが2008年11月に発足したのである。


同志社大学PBL教育推進支援センターの活動と教育思想

同志社大学のPBL教育推進支援センターが主催した2011年10月22日の「PBL教育フォーラム2011」で、同センター長の山田和人教授が挨拶を行った。山田教授は「PBL教育フォーラム2011」の主人公は学生であると述べた。この「PBL教育フォーラム2011」はPBL教育を実現した学生たちが中心となって、PBL教育をサポートした企業関係者、大学職員や教員と共に、その経験を交流する会であること、また、フォーラムでの発表を通じて、学生が自らの成果を確認し、さらには、他の大学でのPBL教育を実践した学生たちの発表を聴き、その成果や反省と自らのそれとを比較検討しながら、今後の学習に活かして欲しいと山田和人教授は話した。

そして「PBL教育フォーラム2011」で発表し討論する学生の姿(姿勢)を通じて、PBL教育の成果を理解することが出来ると、山田教授は参加者(企業関係者、大学職員、教員)に述べた。このPBL教育を実現するために、協力した企業の関係者、大学職員も今回のフォーラムに多数参加していた。このフォーラムがPBL教育プログラム(プロジェクト科目)に参画した学生たちが参加していることと同様に、PBL教育を支援した企業関係者や大学職員が多数参加している点も、これまでの大学でのフォーラムとは異なっていた。


山田和人教授の挨拶(YouTubeで公開)
http://youtu.be/8av13DzsUTA





PBL教育には、明らかにこれまでの教師の立場から観た教育スキル論である大学教授法と異なる視点や思想が求められていた。そのことを山田和人教授は「このフォーラムは学生さんが主役です」と述べた。つまり、学ぶ姿勢を身に付けるためには、学生が自ら、学ぶ場の主体となり(学生による授業企画や運営)、学生のための授業内容が検討され(学生が授業進行段階で授業評価を行う)、学生によってその成果が評価される(参画した学生の主観的な満足度や充実観が評価の大切な基準となる)。

つまり、PBL教育を推進するためには、大学が、教員や職員が自らを変えなければならないことが問われているようだ。


PBL教育の成果としての学生の姿

フォーラムは3つの課題(三部)に分けられて構成されていた。第一部では、アップル・ジャパン株式会社の益田玲子さんの「社会で求められている実力とは Why PBL?」と題する基調報告が行われた。 益田玲子さんはアップル社がその創設期から教育という課題を常に追求してきたことや、現在でも教育へ貢献する企業戦略を持ち続けていることを述べた。

第二部はPBL教育を経験した学生たちの発表で、早稲田大学、明治大学、甲南大学、広島経済大学と同志社大学のPBL教育を担当した教員とそれを企画した学生たちが発表した。殆どの大学の発表者は一回生から4回生までの学生たちで、学年を越え学部を越えてプロジェクト科目に参加しPBL授業を運営していた。それらのすべての発表はどれも素晴らしいものであった。ここまで、学生が成長するのだと、参加した我々は痛感したと思う。

しかし、これらの学生の成長を痛感させてくれたのは第三部のパネルディスカッキョンの時だった。全く、予行練習もなく、発表した5つの大学から一人づつパネラーが壇上に上がり、ディスカッションの司会役の山田教授が「このパネルディスカッションは学生によって運営されるため、私(山田教授)は司会といっても、ディスカッションの中には入らない」と最初に述べた。一体、このパネルディスカッションのどうなるのだろうかと参加した多くの人々は思っただろう。しかし、パネラーの中から早稲田大学教育学部3回生の池ヶ谷英里さんが自然と司会者役を担い、他の4つの大学のパネラー達の発言を誘導し、ディスカションの進行を務めた。

この彼女のみごとな司会ぶり(みごとなパネルディスカッションのリード)に、参加した我々から一種の驚きや最高の評価としての「笑い」が生じた。そして、会場は活気づいていった。参加したパネラーは堂々と自分たちのグループで議題になったことや、自分の意見を述べた。

まさに、この学生たちこそがPBL教育の成果である(フォーラムの挨拶で山田和人教授が冒頭に述べとことば)のだと深く感じ入ったのであった。


参考資料

GP(大学教育の充実 –Good Practice)
文部科学省ホームページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/gp.htm)
「文部科学省では、国公私立大学を通じて、教育の質向上に向けた大学教育改革の取組を選定し、財政的なサポートや幅広い情報提供を行い、各大学などでの教育改革の取組を促進するため、「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」、「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」及び「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」を実施しています。
 平成21年度からは「大学教育・学生支援事業」のテーマA「大学教育推進プログラム」において大学教育改革の取組を推進しています。」

文部科学省大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラムシンポジウム
2009年度「未来を切り拓くPBL-「教育」の壁を越えて-」
同志社大学PBL推進支援センターホームページ
http://www.doshisha.ac.jp/academics/activity/sympo100220.php

同志社大学PBL推進支援センター 
http://www.doshisha.ac.jp/academics/institute/ppsc/suishin.php


三石博行 河村能夫
「最先端医学教育 UCSFのJMB(Joint Medical Program)・複数専門知識修得の意味 」 
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/ucsfjmbjoint-medical-program.html


--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html


--------------------------------------------------------------------------------



2011年11月4日 誤字修正

2011年11月1日火曜日

大学教育改革の課題としての「知識、スキルと学ぶ姿勢」の教育方法の開発

科学技術文明社会での大学改革の課題(5)


三石博行


スキル教育が重視される社会的背景

日本の大学教育で、15年程前から、「知識、スキルと学ぶ姿勢」という三つの教育課題が取り上げられるようになった。知識の向上は以前からある課題である。しかし、スキルの向上や学ぶ姿勢に関しては、新しい教育課題である。こうした大学教育に投げかけられた新しい教育課題は日本の社会や時代的背景から生じている。そのため、この三つの教育課題を展開するためには、大学内の教育改革のみでは不可能な問題を投げかれられている。スキルの向上と学ぶ姿勢を課題にするようになった日本の大学(世界の大学も)の時代や社会的背景を一通り理解して置く必要がある。

例えば、急速に進む情報化社会に対応するため、大学では情報処理教育(スキル教育)が1990年代から教養教育の中に取りいれられ、教育環境の情報化が進んだ。スキル教育の向上はこの時代的ニーズを背景としている。スキル教育は、現在、大学教育の社会貢献を問われる重要な要素となろうとしている。

つまり、伝統的に日本の企業は企業内教育制度が充実していた。学生は卒業後、就職して企業活動に必要なスキルを、企業内教育によって学んでいた。しかし、次第に日本の企業が終身雇用制度を廃止し、即戦力のある労働力を市場に求めるようになることで、実務作業の基礎的スキルを持つ人材を採用するようになってきた。

就職のために学生が実務作業の基礎的スキル資格を取るのは、企業がその資格を重視しているからであった。そのため大学では、スキル教育を重視しなければならなくなった。勿論、そればかりでなく、情報処理機能を活用する大学教育にとっても学生のスキル教育(情報処理能力の開発)は重要な課題であることは言うまでもないだろう。


学ぶ姿勢を教育するという課題の社会的背景

さらに、「学ぶ姿勢」については、大学教育の基本的な課題の変換がその背景にあることを理解しなければならない。少なくとも1960年代までの古い大学教育のイメージをもっている教員にとって、学ぶ姿勢を教えることは大学教育の課題ではないと思っているだろう。何故なら、大学とは学生が自分で学ぶことを前提にして教育が成り立っていると信じているからである。この考え方は、今や古い大学のイメージとなろうとしている。

急激なスピードで大衆化した大学・大学教育が「学ぶ姿勢」を教育課題にしなければならない背景にある。大学教育の大衆化の背景にはこれまた急激なスピードで進む科学技術文明社会(知識社会)が背景にある。1950年代や1960年代中期までは大学進学者の割合は10%台であった。その時代、大学生は知識人であり、大卒はエリートに属していた。

しかし、1970年代以後、大学進学率は増えはじめた。そして、1990年代になると同世代の半分以上の若者が高校卒業以後、大学、短大や専門学校に進学している。現在では、その殆どが何らかの高等教育を受けている。高度な科学技術の知識が生産現場で必要となり、それなしに機能しなくなった社会では、基礎教育の底上げが必須であり、そのため、大学教育が大衆化することになる。もはや、大学を卒業した人はエリートコースの入り口にいるのでなく、社会一般の仕事の基礎的知識を持つと判断された集団となっている。

大衆化した大学には、学力のみでなく、主体的に学習するという学び方を知らない若者も多くいることは避けられないのである。これらの若者を古い大学教育のように、試験で振い落し、留年させ、最後はそれの学生が中退していくことを学生の自己責任であると言うことが、社会から求められている大学の教育機能(高等教育の大衆化を行う役割)を満たしていないことになる。その意味で、古いエリート教育主義を貫くことで、大学の社会貢献度は低下することになる。

そして、大学で「学ぶ姿勢を教えること」が深刻な教育課題になるのである。だが、学ぶ姿勢を教えるということは殆どの大学教員にとって苦手な課題の一つである。何故なら、教員採用時に、研究成果に関する評価のみが重視されているため、教授法は教育学に関する知識はそれが専門でない限り、殆ど持ち合わせていないのが現実だろう。

もし、現在の大学教育で「知識、スキルと学ぶ姿勢」を真剣に課題にするなら、この問題を解決する方法を提案しなければならないだろう。そうでない限り、大学教育改革が進むことはない。


「学ぶ姿勢」の教育に必要なこと

伝統的に卒業研究は大学の学部教育の最も大切な教育であった。そのため、学部では1年次で、教養教育の殆どを終了し、2年次と2年次に掛けて専門基礎教育がなされた。4年次は殆ど授業はなく、学生は卒業研究に没頭することが出来た。

この時代では、大学教育が学ぶ姿勢を課題にする必要はなかった。何故なら、1年間掛けてその殆どの時間を研究室に所属し卒業研究を行うことで、学ぶ姿勢は自ずと身についていた。卒業研究を重視する理工系学部では学ぶ姿勢の教育は卒業研究時に十分可能であると言えるだろう。

しかし、多くの大学が教養教育を4年間の猶予をもって終えるようにしている。つまり、現在の学部教育は教養教育化しているのである。仮に専門科目を履修したとしても、専門基礎教育のレベルであると評価されている。そのため、卒業研究に一年間掛けて、しかも、他の科目の履修を殆ど行わない条件で卒業論文に時間を割くことは出来くなってきた。

そればかりではない、卒業研究を必修としていない学部もある。また、卒業研究までの学部教育の段階が必修科目として配置されていない場合もある。一年次の基礎ゼミ(前期と後期)、二年にゼミ1(前期)とゼミ2(後期)、そして2年次に専攻分野別に行うゼミ3(前期と後期)等々。卒業論文を書くための基礎的知識やスキルを習得する段階を十分配慮し配置していない場合には、卒業研究は不可能である。

つまり、学ぶ姿勢の教育は講義式の教育でなく、参画型教育でなければ不可能である。その意味で、卒業研究のレベルに目標を与え、それを学部で一貫して教育する制度、ゼミ教育を充実しなければならないだろう。

さらに、学ぶ姿勢はインターンシップなど社会での経験で大きく成長する。主体的にかかわる姿勢を育てることが学ぶ姿勢の基本である。企業での実習、ボランティアへの参加、さらにはクラブ活動なども学ぶ姿勢を育てる教育である。大学は教育環境の充実の一環として、インターンシップ、海外短期留学のサポートのみでなく、ボランティア活動やクラブ活動の部室や大学の支援体制を作る必要があるだろう。

その時、大学が社会の力を教育資源として活用することが出来れば、さらに豊かな「学ぶ姿勢を教える」大学教育が可能になると思われる。


参考資料

ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html



--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html


--------------------------------------------------------------------------------




2011年11月2日 誤字修正

2011年10月31日月曜日

Eddy Van Drom 氏のインターネット講座 ヨーロッパ評議会の形成史

i-ミニ講座1(YouTubeでの三石博行公開講座)


Eddy Van Drom Hiroyuki Mitsuishi


i-ミニ講座の紹介

EU連合が形成される過程で重要な役割を果したヨーロッパ評議会の歴史についてミニ講座を行った。この講座は英語、フランス語、日本語で行われた。I-ミニ講座は龍谷大学経済学部の西本秀樹教授が始めたもので、彼と共に、我々は幾つかの講座を作った。その一つ、「ヨーロッパ評議会の形成史」を紹介する。

Eddy Van Drom 氏の講義テキスト

For this mini-lecture, I will present briefly the oldest European organisation, namely the Council of Europe. First, I will describe the historical background of its foundation. Secondly, its structure and functions will be reviewed. Thirdly, I will underlined differences with other European organisations before drawing some conclusions.

To better understand why the Council of Europe became necessary, let’s first examine the history of wars in Europe.

Today Europe may seem peaceful but it would be an error to think that it has been always the case.
With the collapse of Ancient Rome, which had brought a long period of peace in Europe, the continent became the theater of incessant conflicts.
(http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_conflicts_in_Europe)

From the 13th century, more than fifty battles, wars, and insurrections tore the European nations. On the following graph, the number of conflicts by century shows a sharp increase from the start of the 19th century toward the middle of the 20th century. Indeed, Europe entered then the darkest period of its history, with two World Wars. The Second World War was the most destructive conflict in humanity’s history which caused the death of more than 70 millions people in the world.

The Allies overcame the forces of the Axis (Germany, Italy, and Japan) but to make sure that such a disaster doesn’t happen again, the United Nations was founded.
In Europe, particularly affected by these world conflicts, the idea of an integration began to appear as the only guarantee against the repetition of such tremendous devastations.

The best representation of the sadness of the war in Europe can be found in Strasbourg, in Alsace, which is a region at times part of Germany, some other times part of France, both nations being enemies of each other during wars. In the center of this town can be found a park called “Place de la Republique” and a monument in memory of the victims. As you can see, it represents a mother mourning her two sons killed during the war, one being French, and the other German. On the commemorative plaque, one can read “A nos morts”, to our dead, where “our” refers to France as well as to Germany.

In May 1948, three years after the signature of the second World War armistice, a congress of more than a thousand government representatives, politicians and civil society was held at The Hague to discuss the creation of a European organisation to foster the reconciliation of the people. The congress adopted a “Message to the Europeans” requiring the coordination of economic policies, a European Assembly, the integration of Germany, a Charter of the Human Rights, a Court of Justice and a center of childhood, youth and culture.

That is how the Council of Europe came to life. Indeed, on May 5, 1949, was signed the Treaty of London which created the Council of Europe. It is today the oldest political organisation of Europe.

The original signatories were
Belgium, Denmark, France, Republic of Ireland, Italy, Luxembourg, Netherlands, Norway, Sweden and United Kingdom, joined the same year by Greece and Turkey.

Today, the Council is composed of 47 countries which are here classified by historical order of membership.

For the reasons we have mentioned above, the headquarters of the Council were established in Strasbourg. More precisely, in the Palace of Europe (Le Palais de l’Europe in French). Let's have a look at it.

As you can see on the picture, the name is in French as well as in English. The reason is that they are both official languages of the organisation.
On the next slides you can see the drive leading to the building entrance.

Here are the flanking flags of the 47 members.

You can see here two other wider views of the front part of the Palace of Europe.

You have here a view of the reception desk room where are displayed all the publications of the organisation.
Computers are also at your disposal to access electronic libraries of the Council.

Since one of its goal is European unity, the flag and the anthem of the Council are the same that European Union ones. The flag is a circle of 12 golden stars on a blue background, and the anthem is the orchestral version of "Ode to joy" from Beethoven's 9th symphony.
The logo is a reproduction of that flag superposed with a large "e" standing fo "Europe".

But first what is the structure of this organisation?
The Council of Europe is composed of a Secretary General and four bodies:
The Commitee of Ministers
The Parliamentary Assembly
The Congress of Local and Regional Authorities of the Council of Europe
The Conference of International Non-governmental Organisations

The Secretary General is elected by the Parliamentary Assembly for a five-years term.
Since 2004, It is Terry Davis from the United Kingdom which is at the helm of the Council.
With the help of the secretariat, his or her role is to implement a Programme of priorities to be approved by the Committee of Ministers.

The Committee of Ministers is the Council decision-making body. It is composed of the foreign ministers of the 47 member states or representatives in Strasbourg. It decides on the political outline of the organisation, it votes the budget, it adopts European conventions. It also makes sure that member states's comply with their commitments, allows or not the admission of new members, and sees to it that European Court of Human Rights' rulings are implemented.

The Parliamentary Assembly is formed of 318 members and 318 substitutes appointed by their own national parliaments. That is the consultative organ of the Council. Four times a year, they meet together to discuss big issues of the moment, it makes recommandations to the Committee of Ministers, it launches many conventions as well. They also elect the Secretary General.

Created in 1994, the Congress of Local and Regional Authorities is a consultative body which comprises two chambers of 318 full members and 318 substitutes. It appoints its president which remains in office for two ordinary sessions. The Congress, meeting once a year in Strasbourg, is the voice of Europe's regions and municipalities. Its role is to consolidate the local democratic structures, in particular in new democraties.

The Conference of International Non-governmental Organisations groups 370 organisations together.
Thanks to this consultative body, the Council of Europe can include them in its activities, fostering the dialogue between the members of the parliament, local and regional authorities, and associations with social aims.

But what are the functions of these five bodies? There are 13 fields of actions that we will class according to the main objectives of the organisation.


The first and most important aim is to protect human rights, pluralist democracy and the rule of law.
The related field of actions are 1. the Human Rights field, including protection, promotion and prevention; 2. the Media and the democracy; and 3. the legal co-operation

The second aim is to promote and encourage the development of Europe's cultural identity and diversity.
Three fields of actions are to be noted: 4. the European culture, 5. Culture and Heritage, and 6. Natural heritage, landscape protection and sustainable development.

The third aim is to find solutions to challenging issues facing European society.
7. Health's protection and promotion, 8. sports, and 9. youth are some of the related targets of actions.

The fourth and last aim is to consolidate democratic stability in Europe.
Fields of actions are 10. the social cohesion, 11. the development financing, 12. the North-South relations, and 13. education.

Let’s close here the brief description of the Council. But what are the relations with Japan?
Indeed, with Canada, the Holy see, The United States of America, Israel, and Mexico, Japan has the status of observer with the Council. In order to keep tight links with the organization, Japan has an Consul general at Strasbourg in France.
Eventhough Japan is only an observer nation, it is asked to abolish the death penalty still applied today. However for the moment Japan does not agree yet with the idea of human rights established by the Council of Europe.

To conclude this mini-course, we would like to stress the main difference with the European Union.
EU is a political union of European countries trying to create a single legislative, administrative, and judicial organs. On the other hand, the Council is a body of nations aiming at the spread throughout the world of the European cultural values like the ideas of Human Rights and democracy.


YouTube動画


Eddy Van Drom ヨーロッパ評議会1
http://www.youtube.com/watch?v=VCqw8gkBHF8

参考資料

Eddy Van Drom ヨーロッパ評議会形成史2
http://www.youtube.com/watch?v=OmDU7OIr3Vo



日本語での紹介

英語のテキストを日本語で紹介しています。

作成者 Eddy Van Drom、 三石博行
講義課題 「ヨーロッパ(欧州)評議会の歴史とその政治的機能」
http://hiroyukimitsuishi.web.fc2.com/tensou/Europe1.files/frame.htm



参考文献

1、 欧州評議会 Wikipedia 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E8%A9%95%E8%AD%B0%E4%BC%9A

2、 Council of Europe  Wikipedia
http://www.coe.int/lportal/web/coe-portal

3、西本秀樹研究室(龍谷大学経済学部)の紹介 Nisimoto Seminar 
http://www.nisimoto-semi.homeip.net/index.html

4、西本秀樹のProject_U 「大学は変わる」
http://housenisimoto.wordpress.com/


------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
6. EU関係及びEU協会運動

6-1、生活運動としての国際交流運動

http://mitsuishi.blogspot.com/2007/12/blog-post_14.html

6-2、日欧学術教育文化交流委員会ニュース配信
http://mitsuishi.blogspot.com/2007/12/blog-post_8507.html

6-3、文化経済学的視点に立った国際交流活動
http://mitsuishi.blogspot.com/2007/12/blog-post_26.html

6-4、新しい国際交流活動のあり方を模索して
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/06/blog-post.html

6-5、我々はEUに何を学ぶのか
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/07/eu.html

6-6、東アジア諸国でのEU協会運動の交流は可能か
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/09/eu.html

6-7、東アジア共同体構想と日本のEU協会運動の役割
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/10/eu.html

6-8、欧州連合国の成功が21世紀の国際化社会の方向を決める
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/01/21.html

6-9、Eddy Van Drom 氏のインターネット講座 ヨーロッパ評議会の形成史
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/10/eddy-vandrom.html

ブログ文書集「国際社会の中の日本 -国際化する日本の社会文化-」 から

--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html



--------------------------------------------------------------------------------

脱原発を訴えた瀬戸内寂聴さんのお話し

現世に悔いを残してはならない。

三石博行


10月16日、円山公会堂で開催されていた「反戦、反貧困、反差別集会 in京都」の会場で、瀬戸内寂聴さんがお話(説法)をされた。
ここでいちいち解説するより、お話しを聞いてください。本当に、魅力的です。



YouTubeでの公開説法 脱原発



瀬戸内寂聴のお話し1

http://www.youtube.com/watch?v=kSgFaB9LZoE





瀬戸内寂聴のお話し2

http://www.youtube.com/watch?v=2nadEciOw4o





瀬戸内寂聴のお話し3

http://www.youtube.com/watch?v=ET90XxCxzzE






参考資料


1、瀬戸内寂聴 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%80%AC%E6%88%B8%E5%86%85%E5%AF%82%E8%81%B4


2、瀬戸内寂聴の悩み人生相談室
http://www.jakucho.com/


3、瀬戸内寂聴 寂庵へようこそ!
http://www.jakuan.com/


4、みどりの未来
http://www.greens.gr.jp/


5、みどり京都
http://midorikyoto.buzzlog.jp/


--------------------------------------------------------------------------------

東日本大震災関連ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html


2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html


3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html


4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html


--------------------------------------------------------------------------------

ドイツ緑の党副代表 ベーベル・へーンさんとの出会い

世界の緑の党との連帯。


三石博行


京都を歩く

10月16日、みどり京都の代表者杉山廣行さんの紹介で、ドイツ緑の党副代表で連邦議会議員のBarbel Hohn さん、LeMondの記者のSuzan Boosさん、ドイツで会社を運営されている高田知行さんとお会いした。みどり京都代表者杉山廣行さん、瑤子さんと私の6人で、京都の清水寺に行った。京都の有名な観光コースを歩きながら、へーンさんからドイツの緑の党の活動やボースさんからEUでの脱原発への動きや市民運動についてお話が聞けた。ゆっくりと食事をしようと美濃吉に行った。



ヘーンさんのお気に入りは、やはり京都の伝統的な食事と京都の庭だった。





へーンさん、ドイツ緑の党からの連帯の挨拶



食事の後、すぐ横の円山公会堂で開催されていた「反戦、反貧困、反差別集会 in京都」の会場に向かった。丸山公会堂での集会でへーンさんはドイツの緑の党から日本の脱原発運動への連帯のあいさつをされた。


YouTubeで紹介しました。

ドイツ緑の党副代表B.Hohn(ヘーン)さん京都講演1.mpg

http://www.youtube.com/watch?v=moiXalxb7tg





ドイツ緑の党副代表B.Hohn(ヘーン)さん京都講演2.mpg

http://www.youtube.com/watch?v=bN6a4Ph4_Eo





参考資料


1、緑の党 Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%91%E3%81%AE%E5%85%9A

2、みどりの未来
http://www.greens.gr.jp/

3、みどり京都

http://midorikyoto.buzzlog.jp/


--------------------------------------------------------------------------------

東日本大震災関連ブログ文書集


1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次

http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html



2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次

http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html



3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次

http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html


--------------------------------------------------------------------------------



2011年10月22日土曜日

私企業としての報道活動と電波伝達空間の所有権

民主主義と報道機能(2)


三石博行


マスコミ報道は二つの要素を宿命として持っている。一つは、現状の政治権力の擁護機能である。もう一つは企業としての利益維持である。つまり、企業運営の成立しない報道(生産)活動はしない。その意味で、報道(情報生産)活動は市場原理に即して行われる。政治権力と真っ向から対立することは、経営上得策ではない。宣伝広告を出す企業を名指しで批判することは営業上不味い。一方市場(国民)のニーズを無視して紙面を編集することは顧客を失うため注意しなければならない。

こうした企業組織としてのマスコミについて理解をしておくことによって、国家のエネルギー戦略、つまり国策の原発設置の推進や巨額の広告費用を払う電力会社が推進する原発設置に対してマスコミがこれまで何遍となく繰り返された原発事故に対して根本的な批判を避けてきたのは当然の行為であると理解できるのである。また、日本の戦中のマスコミの果たした役割こそが、マスコミ報道機能の真の姿であることも納得できるのである。

また、東電福島第一原発事故によって、国民的な批判が盛り上がる中で、もし、マスコミが「原発推進」を言い続けるなら、多分、そのマスコミに対する国民的な批判が生じるだろう。そのことは顧客の喪失を意味する。そのリスクを冒してまで、いままでの主張(原発推進の主張)を言い続けることは得策ではないと判断するだろう。おまけに、原発事故処理で東電は今までのようにマスコミに広告を出すことは出来ない。もし、東電が広告を出すなら、その代金を被害者救済に回すべきだと国民から批判されるだろう。その意味で、マスコミが東電を批判することによる不利益は消えたことになる。そして、今まで、原発推進を言い続けたトーク番組が、原発批判をするようになるのである。金の切れ目が縁の切れ目であることは資本主義社会の道理であるが、マスコミの報道(情報生産)活動は端的にそして直接的にそのことを物語っている。

マスコミ活動に政治的志向性や社会的理念を求めることが間違いなのである。それらの報道(情報生産活動)は資本の論理で行われている以上、首尾一貫しない、また事実を報道しない、そして積極的に真実を隠蔽するマスコミをまじめに批判することが実は滑稽なのだろう。そして、こうした私企業としてのマスコミの情報生産活動の到着地点をアメリカのマスコミ報道に見ることが出来る。世界で何が起こっているか、マスコミの報道から聞こえてこない。ゲームはトーク、スポーツ、娯楽番組が殆どである。

そして、これらの私企業活動のマスコミの究極の姿を見るとき、公共性を持たない(持ち得ない)私企業の営業活動で、公共空間の電波伝達という資源を独占している彼らに対する対策が必要となることを痛感するのである。この空間は国民のものである。つまり、その電波を伝える空間を所有しているのは私企業ではない。彼らは、自分たちの企業利益のために、国民の所有する電波伝達空間を利用しているのである。


参考資料

ブログ文書集「民主主義社会の発展のための報道機能のありかた」


1、民間報道機関の公共性と報道の自由の確立に必要な改革

1-2、「私企業としての報道活動と電波伝達空間の所有権」  
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/10/blog-post.html

1-3、「民間報道の報道の自由とその国民的監視機能の必要性」  
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/12/blog-post_02.html


2、公共報道機関の必要性とその独自性を擁護するために必要な改革

2-1、国家の利益を擁護する情報機能としての公共報道の宿命 
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/12/blog-post_527.html

2-2、公共報道機能の独立権の成立条件とは
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/12/blog-post_5219.html 

--------------------------------------------------------------------------------
東日本大震災関連ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html


--------------------------------------------------------------------------------



2011年11月1日、誤字修正

2011年10月19日水曜日

12月3日、谷口修一医師の講演会「原発作業員に対する自己造血幹細胞事前採取の提言」

12月3日(土)14時から17時(京都・奈良EU協会第五回京都講演会)

三石博行


京都奈良EU協会の第五回京都講演会のご案内

前回9月3日に予定していました谷口修一先生の講演が台風のため中止となり、改めてお忙しい谷口先生にご無理をお願いして、12月3日に講演会を開催する予定になりました。ご存知のように、10月17日のNHKプロフェショナル仕事の流儀で谷口先生の白血病治療が紹介されました。番組でも、ごく短い時間ではありましたが、谷口先生が福島原発事故現場にすぐに駆けつけ、原発事故処理を行っている従業員の方々の病気(白血病)の対策を行ったことや、今回、先生が報告される自己造血幹細胞事前採取による予防治療が紹介されていました。
今回の講演会では、今後、福島第一原発事故処理のために働く人々の被曝障害の発生を防ぐための治療についてお話を聞くことが出来ます。この治療、自己造血幹細胞事前採取による白血病治療(谷口プロジェクト)は世界的に有名になろうとしています。
また、一回目の講演を行ってくださいました平岡諦先生が今回の講演会の司会をして下さいます。平岡先生も血液内科の専門医ですから、谷口修一先生のお話と相まって、専門的なお話を聞くことが出来ます。
12月3日の谷口修一先生の講演と平岡諦先生の司会での「原発作業員に対する自己造血幹細胞事前採取の提言」に関する谷口修一先生の講演会に是非とも参加していただくように、お願いします。


日時 12月3日土曜日 14時から17時
場所 クリニックサンルイ
   京都市山科区安朱南屋敷町35番地 木下物産ビル4階
   電話 075-583-6866
   地下鉄山科から徒歩3分
   JR山科駅から徒歩4分
   http://www.cslk.jp/clinic/access/index.html


講演スケジュール

講演者 谷口修一 医師 (虎の門病院血液内科部長)
司会者 平岡諦 医師 (大阪中央病院顧問)

講演タイトル 「原発作業員に対する自己造血幹細胞事前採取の提言」



谷口修一先生からの講演についての説明

3.11東日本大震災に伴う東電福島原発事故は現時点で解決の糸口もつかめていない。INESレベル7に相当する多量の放射性物質が放出される中、事故の早期収束を目的に多くの生身の人間が我が身を犠牲に作業に従事している。我々は不測の大量被爆に備え、緊急の治療体制を整えると共に、命を救う最大の武器になり得る自己造血幹細胞の事前採取・保存を提言した。講演では、急性放射線障害に対する造血幹細胞移植の役割について論ずる。


講演会のチラシ

講演シリーズ「医師・専門家からみた福島原発事故」第5回京都講演会(9月3日)
「原発作業員に対する自己造血幹細胞事前採取の提言」のチラシをダウンロードできます。
http://hiroyukimitsuishi.web.fc2.com/pdf/syakai_01_01/lecture111203.pdf


参考資料

1、谷口修一 「なんとしても原発作業員は守らねばならない」MRIC by医療ガバナンス学会Vol.85 (2011年3月25日)
http://medg.jp/mt/2011/03/vol85.html#more

2、谷口修一 「高齢の白血病患者でも治療できるさい帯血ミニ移植」
http://www.gsic.jp/cancer/cc_21/ht/cr.html

3、NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 「生きたいその願いのために 血液内科医 谷口修一 再放送 10月28日午前0時15分から午前1時3分
http://www.nhk.or.jp/professional/
   

-------------------------------------------------------------------

谷口修一医師講演「原発作業員に対する自己造血幹細胞事前採取の提言」をYouTubeで紹介
YouTubeで紹介


--------------------------------------------------------------------------------
ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

--------------------------------------------------------------------------------

2011年10月20日 誤字修正


2011年10月18日火曜日

NPO太陽光発電所ネットワーク(PV-Net)の「再生可能エネルギー促進法」施行後のあり方について

NPO市民運動の課題(2)


三石博行


環境問題への意識の高い人々の集まりとしてのPV-Net

2011年8月28日 NPO太陽光発電所ネットワーク関西地域連絡会の第一回交流会が大阪市内で開催され、交流会の参加者は約30名であった。現在、PV-Netの関西地域の会員は約200名、全国の会員は約2000名である。私はこの会に2009年に参加した。

NPO太陽光発電所ネットワーク(PV-Net)は2003年に結成された。当時は太陽光発電用のパネル設置に対して少しだけ国からの補助金が出されていた。しかし、作った電気は電力会社から安く買われていた。その料金が見直されたのは2010年になってからである。採算の合わない太陽光パネルへの出資をしたとしても自然エネルギー(太陽光)を活用することが環境保護に少なくとも意義を持つと感じている人々がこの会を作り、これらの人々は太陽光発電所をより多く作る運動を行ってきたのである。

この会は現在進行しつつある地球温暖化や原発事故による地球規模の環境破壊の原因である私たちの生活や経済活動を支えるエネルギーを出来る限り再生可能な自然エネルギーに依存することを課題にしている。そして、各家庭に太陽光発電所を設置するとうい些細な力を集め、そのネットワーク(太陽光発電所ネットワーク)を創り、それらの太陽光発電所の発展と維持のための活動を行うことを課題にしている。


PV-Netの黎明期の終焉としての国家の「再生可能エネルギー促進」政策への転換

3.11の東日本大震災と東電福島第一原発事故は災害に強い日本社会の構築や原子力発電所の安全性を問い掛けている。そして、今後の日本経済の基本課題としてのエネルギー政策の変換を求めている。その第一歩として「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」、通称「再生可能エネルギー促進法」が制定された。この法律については、多くの課題が指摘されているが、これまでの原発依存型の社会から脱却するための一歩を日本社会が踏み出したと言える。

そして同時に、この日本社会の変化は、これまで太陽光発電所のネットワークを創ってきたPV- Netの在り方をも問い掛けているように思える。何故なら、再生可能エネルギー促進を積極的に勧める社会では、太陽光発電所を設置する経済的メリットが法律によって保障される。そのため、太陽光発電所を設置する人々が急増してゆくだろう。これらの人々の意識は、太陽光発電所を先駆的に設置したPV-Netの創始者達とは異なり、太陽光発電を行うことの経済的メリットを前提にして、投資活動の一環として太陽光発電を行うことになる。

勿論、経済的メリットを度外視して太陽光発電を行ってきたPV-Net形成の黎明期を担う先駆的な人々も、「再生可能エネルギー促進法」によって発電料金が上がり、高価な投資が回収されることを願っているし、国のエネルギー政策の変換を歓迎している。このためにこそ、これまでの自分たちの活動があったと自負しているのである。

と同時に、今後、太陽光発電を行うことの経済的メリットを前提にして太陽光発電施設の設置に投資する多くの人々を、PV- Netの組織に参加してもらうことが、現在の市民運動型のPV-Netの人々の課題となるのである。国が積極的に再生可能エネルギーを活用する政策を打ち出すことによって、今までのように環境問題への意識の高い人々の集まりを前提にしたPV- Netの活動スタイルが、逆説ではあるが、変更を余儀なくさせられるのである。このことに気付く必要がある。これが今までのPV- Netを組織運営してきた黎明期の時代と発展期の時代の境界に横たわる問題であると言える。


再生エネルギー生産政策とPV-Netの課題

換言すると、市民運動体から事業集団としてのPV- Netの変換が問われていると言える。これまで環境問題への関心・太陽光発電所設置から経済的メリットへの関心・環境問題への関心と経済メリットの両立を課題にする市民運動・事業団体への変換を自覚的にPV-Netの組織と運動が取り組まなければならないことになる。

この変換を意識的に行うことが、これからの時代の波にPV- Netが社会的存在意義を示すことが出来るのかを試されていると言える。その変換期での対応次第で、PV-Netの組織と運動の存在意義が発展展開するか、それとも消滅していくか、の方向が決定されることになる。言い方を変えれば、社会全体の環境意識や国家の自然エネルギー活用政策の登場は、PV- Netの存在意義の喪失につながっているとも解釈できるのである。

つまり、国家が本腰を入れて再生可能エネルギー生産を奨励し、その対策を積極的に推進する時代になることによって、逆に、市民運動としてのPV- Netの存在理由が失われるため、今までの環境問題に対する高い意識を持つ人々によって形成され展開してきた市民運動体としてのPV-Netのあり方から、経済的メリットを前提にして太陽光発電を設置する人々の要請にあった大衆的な利益保護機能を持つ組織への変換が必要となるのである。この組織の展開を行うことによって、PV-Netの今後の社会的存在意味が再編構築されるか、それともその存在意義が消失するかの選択を社会から受けることになる。つまり、PV-Net等の環境保護運動によって導かれる再生可能なエネルギー生産を促進する社会システムは、その創始者達を逆に淘汰選択し、次の段階に進化した組織や運動のみを存続させるのである。

再生可能エネルギーを中心として社会経済システムを再構築しようとする社会では、自然エネルギーの活用を社会全体が大衆的に、また生活経済活動の一環として行うことになる。それをPV- Netの運動は望んでいた。その社会経済システムの構築を目指して活動してきた。つまり、PV- Netをはじめ環境保護運動の成果として、再生可能エネルギー社会が実現されようとしている。そうであれば、当然、PV- Netは次世代(再生可能エネルギー生産消費・コンシューマー社会)をリードしていく組織となるべきであろう。この方向性を見出すために、PV- Netに参画するという組織運営上の課題、つまり今までの市民運動論的視点から、NPO型社会経済活動的視点を取り入れた方向を模索しなければならない。


NPOへの組織転換のための課題

2011年8月28日に開催された第一回関西地域交流会の全体交流会やその後の意見交換で話し合われた課題について、PV-Net.KA(NPO太陽光発電所関西地域交流会)事務局長の岸本康子さんが纏め、今後の関西地域交流会の組織や運動の方向を提案した。その概略を説明すると、PV-Net関西連絡会の組織機能を大きく3つに分類している。一つは事務局体制、二つ目は各府県世話人会、三つ目は課題別研究会の提案である。

A,事務局体制の検討

市民運動の事務局は、活発な人々の奉仕活動によって支えられている。PV-Netの活動も例外でなく、現在、岸本康子さんが運営する国際学園を拠点とし、物質的、人的両面において岸本康子さんに支えられながら活動している。こうした活動スタイルはある少数の人々の無償の努力の上に成り立っている。その意味で、市民運動のスタイルを維持し、NPOつまり、事業体の経営スタイルを未だに所有していないとも言える。そして、活発な中心人物を失うことで、この活動が中断するという可能性を持っている。その意味で、決して持続可能な運営体ではない。

運動体では事務局と呼ばれる機能は、NPO・非営利事業体では実務を担う部署である。つまり、以下にしめす、業務を担う。

1、会員へのニュース配信 
2、世話人会の意見交換
3、全体交流会、イベント
4、会計(財務)
5、PV-Net本部との意見交換、総会参加
6、会員募集等の資料作成
7、事業計画等の企画や提案の収集と意見交換の場の設定
8、遂行事業の管理

これまで市民運動体では、個人が奉仕的に事務局作業を担ってきたが、NPOでは、その考え方を改めて、有給の事務局員によって作業が担われることになる。NPOである以上、組織運営のための経営活動が前提となる。そして、理事はその意味でこれらのNPOの運営上の責任者、つまり企業で言えば役員であり、経営上の責任を持つことになる。


B,各府県交流会とその世話人(会)

PV-Net.KAの活動は会員の主体的な参画によって運営されてきた。組織的な司令によって活動する運動体でなく、地域的なグループによって、PV-Netの趣旨に即した独自の活動が寄り集まった運動体を目指している。そのため、PV-Net.KA では事務局はそのサポート役であると位置付けられていた。この考えはPV-Netの原則であり、今後もこの考えの上に、PV-Net.KA.は活動を続けるだろう。

つまり、活発な各府県世話人会の活動が存在し、地域社会に根づく市民活動・太陽光発電所ネットワークを展開し、地域社会が再生可能エネルギー社会に発展進化するために活動する。これが結成から今日に至るまでの一貫したこのPV-Netの基調であり、NPO活動としての存在理由なのである。PV-Net.KA(関西地域交流会)は和歌山県を除くすべての府県に地域交流会が組織されている。これらの大阪、兵庫、京都、滋賀と奈良の会には会員の活動をサポートするための世話人がおり、その世話人の集まりが世話人会である。

今後に課題として、これらのPV-Net.KA.の府県交流会の活動を活発にするための、世話人会の役割について議論する必要がある。


C,課題別研究会

特に注目したいのは課題別研究会の提案である。この課題別研究会は岸本康子さんから四つ提案されている。

C1,環境・教育・文化・PRとその事業化の研究
この研究会の課題は、PV-Net.KA として、環境問題やエネルギー問題の関心を高めるための活動について検討することである。学校教育へのボランティア授業、講演会、他の団体との協同イベントへの参画等が考えられる。特に、教育に従事した(教育活動のスキルを持った)会員に積極的に参画してもらい、学校でのボランティア授業や教員への教育サポートを行う活動である。

C2,行政・地域社会システム、コンサルタントとその事業化に関する研究
この研究会の活動は、再生可能エネルギー促進法案が成立し運営されるこれからの社会経済システムでPV-Netの役割を検討することである。特に、企業、公共団体や行政が太陽光発電所を設定する場合、その運営に関する助言、メンテの相談や請負作業等が生じると思われる。それらをPV-Net.KA のビジネスとして展開し、Bの各府県世話人会が担うための運営や組織に関する研究を行う。

C3,PVのハード面・診断・相談とその事業化に関する研究
この研究会のテーマは、PV-Net会員へのサービスをビジネス化しようとするものある。特に、PV-Netには、電気や建築関係の技術スキルを持つ会員がおり、事業を行っている場合もある。それらの会員達がPV-Netの事業に参画し、自らの事業とPV-Netの事業の共同・協働化を図り、より多くの会員を獲得し、また会員へのサービスを事業化するための検討を行う。
特に、こうしたPV-Netの事業は地域密着型が前提となるため、また、PV-Net の理念に基づく事業化を展開するために、各府県の世話人会が担える事業組織化を展開する必要がある。こした、地域密着型の事業の運営組織上の課題を研究する必要がある。
また、この課題は、上記したC2の課題、行政・地域社会システム、コンサルタントとその事業化に強く関係している。そのためにも、PV-Net.KA として太陽光発電所設置やメンテナンスの技術者を確保しなければならない。その場合、それらの技術者には会の趣旨を理解してもらう必要がある。その意味で、会員がそれを担うようにC3の課題を運営する組織を作る必要がある。

C4、再生可能エネルギービジョンとその事業化に関する研究
この研究会では、PV-Netの基本趣旨(基調)を国家や地方社会の政策に展開するための課題を検討する。例えば、再生可能エネルギー促進法案の施行に伴なう、課題を分析し、その改善案を提案し、他の再生可能エネルギー事業団体との交流を企画し、再生可能エネルギーですべての社会経済システムが運営される未来社会のためのビジョン、政策提案、イベント等を企画する。その意味で、上記した事業、C1の環境・教育・文化・PRとその事業化やC2の行政・地域社会システム、コンサルタントとその事業化課題と関連することになる。


NPOへの組織転換のための戦略

PV-Netの今後の課題は、一言で言うなら、市民運動体からのNPO事業体への脱却である。そこで、市民運動体的体質を強く持つNPOの今後に課題について考える必要がある。

1、 NPO化によって事業中心主義が生まれ、市民運動体の良さ、利点を失う可能性はないか。
2、 行政からの要請を受ける、事業を展開しなければならないが、逆に、行政のサービス機関の下請けになる恐れはないか。
3、 経営上の利益配分を賃金や役員報酬にしないことがNPOの運営上の規則である。しかし、事務局員への報酬、会員や役員の活動費、研究会活動への資金等々の財政が確保されなければならない。NPO経営のスキルと技術を身に付けなければならない。

簡単に以上の課題を指摘しておく。そして、これらの課題の解決は、上記した市民運動体から市民事業運動体への発展、つまりNPOへの組織転換によって具体的に得られるだろう。それ以外に、解決の方法はないように思える。

そして、常に、市民運動体がNPO化への進化過程で問われる課題は、
1、 物理的(科学的)に発電効率に関する問題は解決しているのか
2、 経済的(経営的)に太陽光発電の導入は成り立っているのか
3、 社会的視点から太陽光発電による効果があるか。つまり、再生可能エネルギー社会化に対するインパクトや効果はあるか。
4、 倫理的視点から太陽光発電所設置の運営、再生可能エネルギー社会への努力は評価されているか。
以上四つである。


参考資料

1、三石博行 現代社会のニーズに答えるための市民運動のNPO化
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/09/npo.html

2、PV-Netホームページ
http://www.greenenergy.jp/

3、PV-Net関西地域交流会ホームページ
http://kansai.greenenergy.jp/



--------------------------------------------------------------------------------
東日本大震災関連ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html


--------------------------------------------------------------------------------






2011年10月20日 誤字訂正

2011年9月5日月曜日

マスコミの本音と報道の自由

民主主義と報道機能(1)


三石博行


野田政権が成立して、突然、多くの政府支持率や民主党支持率を獲得する状況をどう理解すべきだろうか。つまり、この支持率の変化は、野田民主党政権への評価と言うより、野田政権への期待であると言える。つまり、これまでの管政権への不満、政治への不信が、野田内閣が出来ることで、まるですべて解決したかのように思いたい国民の切ない気持ちだと思う。

現実の世界では、野田政権はまだ何もしていない。だから、本当は、国民は野田政権へプラスにもマイナスにも評価など下せるはずもない。ましては、つい昨日まで民主党政権を不支持であった国民が、政権を支持する筈もない。

つまり、このアンケート自体に何の意味もない。意味のないアンケートを新聞やマスコミは大々的に報道する。その意味のなさに関する説明は全くない。実は、ここにこそ、管政権の最悪のアンケート結果を書き続け、アンケート結果をまるで神様の声、世の中の正論として報道し続けてきた、マスコミの姿がある。

社会はその時その時のマスコミの報道に踊らされる。昨日まで原発推進だったマスコミが、こんどは原発反対を言い出す。昨日まで戦争に国民を借り出していたマスコミが、終戦と同時に民主主義を語り出す。マスコミと呼ばれる怪物に踊らされ、操作され、彼らの意図で世の中が動き出す、そうした間違った情報操作主義をマスコミに与えている原因は何か。

そろそろ、我々は、批判精神をもって世の中の動きを見るべきだろう。そろそろ、東電の支払う巨額の宣伝費に依存してきた私企業としてのマスコミの経営至上主義を見抜くべきだろう。そして、それがマスコミという企業の自然な姿である以上、そしてそれが企業マンとしてのジャーナリストである以上、いつまでも今までのようにマスコミ批判やジャーナリズム批判していて、基本的に民主主義社会の必要十分条件としての報道の自由と事実を報道するジャーナリズムの社会的機能(役割)の必要性を満たすことは出来ない。この問題解決には、マスコミという経営組織が必然的に持つ、企業としての定め・宿命を理解してあげなければならない。

つまり、マスコミ批判から自立した報道機能の形成へと課題を展開しなければならない。つまり、安全な食品を手に入れるように、利益追求型の食品企業にたよるのでなく、自分たちで安全な食べ物を作る運動を起こしたように、そろそろ、我々の自分の意見を発信する報道機能を持つべきだろう。持たなければ、我々の民主主義社会は作れない。

そのうち、もっとインターネット上で情報を発信する人々がウンカのように発生するだろう。そして、北アフリカや中東のように、その力を無視できない日が、この巨大マスコミ国家・情報管理国家・自主情報発信の後進国にも登場するだろう。

つまり、企業化した情報発信と社会や生活運動としての情報発信の在り方の違いについて市民が理解する日が遠くないような気がするのだ。

--------------------------------------------------------------------------------
東日本大震災関連ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html


--------------------------------------------------------------------------------



2011年10月4日誤字修正

2011年9月1日木曜日

現代社会のニーズに答えるための市民運動のNPO化

NPO市民運動の課題(1)


三石博行



PO(企業)化する21世紀の市民運動

私は二つのNPO活動に参画している。一つは国際文化交流運動を事業活動とするNPO京都・奈良EU協会であり、もう一つは太陽光発電所のネットワーク形成と太陽光発電所の維持管理を事業活動としているNPO太陽光発電所ネットワーク(PV-Net)である。

これらの二つの組織は、NPOの本来の姿、つまり社会貢献度の高い企業活動を行っていると言うよりもむしろこれまでの市民運動的な活動スタイルを維持したままで運営されている。NPOという組織形態が、市民運動的な活動も保障しているからこそ、それが可能になっている訳である。

そのことは、この二つのNPOの事業団体としての在り方が問われていることを意味する。何故なら、この二つのNPOは、NPO本来の経営事業体としての機能を十分に活かしきれていないからである。NPOとは営利を目的にしない企業である。その意味で、株式会社や有限会社などの企業と同じように定款で定められた企業活動を行っている。理事会(役員会)がNPO法人の経営責任を持ち事業を行う。NPOは利益を上げることを企業活動の第一の目的としない。しかし、その事業や組織、そしてその運営は株式会社と同じである。

それでは、この二つの市民運動が敢えてNPOでなければならない理由はどこにあるのだろうかという疑問に答えなければならない。何故なら、NPOにしなくてもそれらの国際文化交流団体や太陽光発電所ネットワーク組織は、それぞれに十分に社会貢献を果たす活動が出来るからだ。

しかも、市民運動を経営組織にすることに多くの反対もあった。何故なら、1990年代の市民運動の中では、市民運動体が経済的活動を企画することは到底考えられなかった。また市民運動が会社化すること自体、否定的に理解されていた。市民運動とは、人々が手弁当で創りだす社会活動であると理解されていた。その運動を通じて利益を得る経営活動をすることは不純なこと、許されないことであると考えられていた。

伝統的に(これまで一般的に行われていた)市民運動の組織運営は会員制である。つまり、運動の意義に同意する人々が会費を集め、その会費で会の運営を行う。これがこれまでの市民運動の在り方であった。その意味で、会員制の市民運動体が営業活動を行うことは出来ない。営業活動とは組織が金銭的利益を目的にした活動であるために、利益(収益)とその利益配分という、会員制の市民運動組織体の目的に不具合を生み出すことになる。

しかし、2000年以降は、手弁当での市民運動論から持続可能な社会貢献活動を担保するためにNPOとして活動する市民運動的組織が生まれてきた。その流れに乗って私も国際文化交流運動をNPOとして組織した。そして環境問題を考えるライフスタイルや活動を太陽光発電所ネットワークというNPOに参加して展開しようと考えている。この私個人に現象している市民運動のNPO化にはそれなりの時代的社会的な意味が存在しているのではないかと思う。何故なら、市民運動のNPO化は近年非常に一般化しつつあるからだ。

そこで、その(市民運動のNPO化)の意味を敢えてここで問いかけたいと思う。何故なら、この問いかけに21世紀の企業や社会活動の意味を考える契機が潜んでいると思うからである。


NPO化する市民運動の原因

経営的基盤を持たない限り市民運動を持続することは出来ない。私自身の個人的経験、1970年代に京都大学安全センター運動が市民社会の中に入り込み、労働組合や市民と共に関西労働者安全センター事務局を創った経験からも、持続可能な市民運動を創りだすためには大変な労力が必要であると理解している。

多くの組織がその萌芽期において、運動体的性格を持ち、ボランティアによって組織が運営されている。そして、その運動体の事務局を担う人々は自己犠牲的な貢献を要求される。それらの人々の生活を犠牲にした働きによって、運動体は持続し、また広がり、市民権を得る。つまり、次第に会員(会費)が集り、組織はその資金で運営される。言いかえると、市民運動とは市民の必要性が無い限りその組織を維持することは出来ない。資金が生まれない市民運動の組織とは、市民からのその存在意義を認められていない組織であると言うことにほかならない。その意味で、資金が集まる(会員が集まる)ことがその運動に対する社会(市民)の評価のバロメータであると言える。

それに対して、企業は市民に商品を提供して企業体を維持している。企業にとって商品が売れないことは、社会からその企業活動の存在意義がないことを意味する。そのため、企業は消費者が必要な商品開発を行い続ける。また株式会社は、自社株を売り会社の利益を株主に配当することで社会から広く資金を集めることが出来る。また優秀会社の株価は上がることになる。しかし企業は原則として生産活動によって得られる利益によって組織を維持しているのである。

NPO化する市民運動とは、上記した会員制の市民運動をやめて企業的な要素、つまり組織が提供するサービスで市民運動的な理念を持つ活動と組織を維持しよとしているのである。企業活動と市民活動は基本的に相いれないものがあるにも関わらず、何故、市民運動がNPO化しようとしているのだろうか。その理由を以下にのべる。

1、 これまでと違い質の高いサービスが市民運動に求められている。つまり市民運動へのプロフェショナルな仕事内容が社会的ニーズとして発生している。そして、今までのようにボランティア的な活動やサポートでは市民運動の社会的意味が失われつつある。市民運動体はその市民のニーズにこたえるために、専門的な組織になろうとしている。

2、 持続して事務局を担う人々を維持するために運動体は会費以外の収入を創らなければならない。その原因の一つが少子化による若い世代の減少によってボランティアで事務局を担う若い世代が少なくなったことである。そして、そのことによって、生じる課題がその二つ目の理由となる。つまり、市民運動体はその運動を支えるボランティアを集めるためのプロフェショナルな知識や組織運営のスキルを持つ人々が必要となっている。それらの人々を確保するための財源が問題となる。その財源を見つけ出せない組織は衰退していくことになる。

以上の二つの原因は、一つ目が組織外部の社会的な状況によって生じているものであり、二つ目が組織内部の運営の課題によって生じているものであると言える。


NPO化する市民運動の社会文化的背景

研究開発によって形成される産業(第四次産業)によって牽引される21世紀の社会、つまり科学技術文明社会の形成が市民運動のNPO化の背景にある。高度に発展した知的社会は、高学歴、知的生産に従事する人口の増加、科学技術情報(知識)の大衆化、高度情報化社会、国際化社会が進む。市民は進歩しつづける科学技術社会によって変化し続ける生活や社会環境に順応していくためにより高度な知識を必要とする。

そのニーズに答えるための新しい産業が登場する。例えば教育産業などはその一つである。本来教育活動は学校(法人)の社会的活動である。しかし、質の高い教材を学校法人が作成したとしても、それを社会に商品として売買することはしない。教育産業では先端的な教育技術が開発され、商品化される。そして、それらの商品が市場に登場する。具体的な例として、英語などの語学学習サービス(商品)を提供する企業が、語学学習用の音声教材(商品)を市場に提供している。その教材を活用し、英語学習が市民の日常的な生活風景の中に入り込んでいる。国際化する社会で必要とされる英語学習の需要にヒットした新しい産業・語学教育サービス業が成立するのである。

1970年代までの日本社会では海外旅行や海外生活する人々は少なかった。この時代までの国際文化交流は海外文化の紹介が中心となる。特に欧米社会文化について知りたいと希望する人々は多く、それらの人々のニーズに答えて文化交流活動のイベントが組まれ、欧米文化の紹介や学習が市民の国際交流運動の主な課題となった。

しかし、1980年代以降、多くの日本人が海外に出かけ、大学では短期留学制度を設け、観光産業は観光ツアーを企画し、多くの日本人たちが海外に出かけた。海外、特くに人気の高い欧米社会文化と市民の多くが直接接する機会が生じたのである。海外文化交流の大衆化によってこれまでの海外文化紹介イベントを中心とした国際交流運動の存在意義は希薄化することになる。当然、マスコミを通じて日常的にお茶の間に登場するようになった海外の社会文化の紹介によって、さらに海外文化紹介型国際交流運動の存在理由は失われていったのである。

1980年代から1990年代にかけて、異文化を学ぶことでなく、異文化に触れること、さらに異文化交流を行うことにと、国際理解は講義型学習から旅行などの訪問型学習へと異文化理解の学習スタイルは進化して行った。さらに2000年に入り、学習することから交流することにと異文化理解の在り方がさらに進化してきた。国内には多くの海外からの留学や仕事で滞在している外国人が生活している。それらの外国人との交流を通じて異文化理解を進める市民運動が形成されてきた。文化会館や講演会場、市民センターの学習教室から市民の生活の現場に国際文化交流の活動の舞台が移動しようとしている。その具体的な姿として英語喫茶やレストランで食事しながらの異文化交流会等々である。

大衆化する異文化交流を支える市民の国際文化交流活動の在り方が大きく変化する中で、今までの国際交流活動の在り方も問われている。会員が国際文化交流の主体となり国際文化交流に参画する運動が問われる。NPO京都・奈良EU協会の奈良での英語クラブやフランス語クラブは、その意味で、語学学習の場ではなく、地域の外国人達と海外文化に興味を持つ人々の交流の場を創っている。この場の提供というサービスの商品価値を売り、組織の運営を行うために市民運動体・京都奈良EU協会はNPO法人となった。つまり、会費によって組織運営を行うのでなく、市民が必要とするイベントの提供によって財源を確保すると決意したからである。

英会話やフランス語会話を学びたい市民人口は増え続けているだろう。それらの人々は、語学教育産業の売り出している英語会話学習教材を購入しているだろう。しかし、市民の要求は英語を話せるようになりたい理由があった。それは英語を使って海外の人々と交流したいのである。その要求を語学教育産業は満たすことは出来ない。そこにNPO市民運動の役割が発生するのである。つまり、語学の実践的な学習(海外に人々とのコミュニケーション)の場の設定こそが、NPO市民運動の売りであり、商品なのである。

高度知識社会によって進行する科学技術文明化(情報化社会、高学歴社会等々)や国際化(海外の社会文化情報や生産物の日常化、増加する地域社会での外国人居住者等々)によって、これまでの市民生活環境や生活様式(ライフスタイル)は変化していく。地域社会では異文化共生のための行政サポートが生まれ、学校では自分たちの地域社会での異文化理解に関する教育活動が取り組まれる。そして、市民社会では街角の異文化交流イベントが日常的に開かれる。市民運動組織はそれらの市民の日常生活で求められている要求や需要をくみ取り、それを市民参画型の商品として提供することを求められている。その作業はヒットする商品(イベント)を企画できる専門的な知識を持つ人々(事務局)によって可能になる。その意味で市民運動を専門的にリードするスタッフが必要となっている。それを保障するために市民運動のNPO化が進むのである。


参考資料

三石博行 「生活運動としての国際交流運動」 2007年12月14日
http://mitsuishi.blogspot.com/2007/12/blog-post_14.html


三石博行 「文化経済学的視点に立った国際交流活動」2007年12月26日
http://mitsuishi.blogspot.com/2007/12/blog-post_26.html


三石博行 「新しい国際交流活動のあり方を模索して」2009年6月29日
http://mitsuishi.blogspot.com/2009/06/blog-post.html

三石博行 「街に生れるイングリシュカフェ文化の意味」2010年8月21日
http://mitsuishi.blogspot.com/2010/08/it-21-1-2-3-70.html

三石博行 「第三期国際交流運動を展開した歴史」2010年8月23日
http://mitsuishi.blogspot.com/2010/08/blog-post_23.html



--------------------------------------------------------------------------------
東日本大震災関連ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html


--------------------------------------------------------------------------------



2011年10月4日誤字修正