2010年8月21日土曜日

街に生れるイングリシュカフェ文化の意味

生活空間でのグローバリゼーションとは

社会の国際化を推し進めた原動力は市場経済である。その具体的な現れが、工業国としてのわが国の場合、国内生産物の輸出と工業生産に必要な原料であった。
その結果が、日本製品、例えば日本製の電気器具や自動車が世界中の国々で使われ、また日本国内では海外から輸入したエネルギー、鉱物や食料資源に依存する社会や生活空間が登場してきた。
日本の国際化は、戦後、日本が高度経済成長期を迎えた時代から始まり今日に至っている。

社会経済活動が国際社会との関係、つまり海外からの輸入や輸出を抜きには成立しえない社会を国際化した社会と呼ぶことができる。一国経済体制では国家運営が成り立ったない社会がグローバリゼーションの進んだ社会である。その意味で、世界のほとんどの国々が、今やグローバリゼーションの影響を抜きに存立しないとといえる。例えば、経済鎖国状態の北朝鮮ですら、実際には経済の国際化の流れから孤立して、国家が存続している状態ではない。

経済活動の国際化が生じる状態を第一期の国際化社会と考えれば、その次に生じる国際化は社会現象の国際化である。つまり、第二期の国際化社会では国際政治情勢、社会文化等々に関する社会情報が豊富に提供される。例えば国際政治経済に関するニュース、番組が多く報道され、また海外のドラマや文化紹介がテレビを通じて頻繁になされる。

明治維新以来、欧米社会を見本としながら国家の体制を構築してきた時代、近代化の過程では、多くの欧米文化が紹介されることになる。しかし、これらの欧米文化化が伝統文化とぶつかり合った時代も生れた。そして、近代化への反動として国粋主義や反西洋文明主義を生んだ。これらのプラスマイナスのすべての社会文化の反応も国際化社会で自然に生じる社会文化現象である。

さらに、経済的にアジアとの交流が主流を占める中で、必然的に生み出されるアジアへ文化との交流も、例えば韓流ドラマの国民的人気や中国映画の流行を通じて生じる。これらの社会文化現象も、大きく第二期の国際化社会の一こまの現実である。

第二期の国際化社会では、交通機能、IT技術の爆発的進歩によって、物資のみんでなく人々や情報(社会文化情報)の流れも爆発的に流動化、交流化するようになった。

以上の国際化社会の発展によって、日常的に人々は海外の文化に接することができ、また海外へ旅行することも日常化し、海外から日本に来日する人々も増え、それまで第二期初期の時代の欧米からの指導的立場の人々とアジアや発展途上国からの低賃金労働者の入国ではなく、欧米から日本への留学生やアジアから知的エリート達の日本企業での就労も行われるようになる。

日本での国際関係が、欧米志向性からアジアや発展途上国との対等な国際交流関係へと変化する時代を迎えてきた。

日本では、21世紀を向かえ、新しい国際化社会が生まれ発展してきた。これを第三期の国際化社会と呼ぶことにする。
その特徴は、
1、生活空間で日常化する国際化
2、人々の生活意識の中で距離を失う海外文化 
3、多文化共存社会と呼ばれる地域社会の文化が生れる
以上を挙げることが出来る。


第三期の国際化社会での国際交流活動とは

第一期の国際化社会では、それ以前の先進国、つまり欧米社会文化の啓蒙活動として国際交流活動の流れを汲んだ活動、例えば米、英、仏、独、伊なのの欧米先進文化の紹介を通じて、ある意味の啓蒙活動としての国際交流運動が存続していた。そのため、国際交流では、それらの文化紹介活動となる。

第二期の国際化社会では、日本の国際交流運動に多様性が生じる。つまり、主流である欧米文化先進国との国際交流活動のみでなく、アジア、中南米、アフリカとの政治的視点でなく文化的視点からの交流活動が盛んに行われる。欧米中心の国際交流運動が相対的に小さくなる時代を意味する。

第三期の国際化社会の現象が今進行している。それは、日常生活の中で、国際交流が生み出されるという現象である。
その代表的な例として、町の喫茶店で自然発生的に生れるイングリシュカフェを挙げたい。
勿論、今まで、英語喫茶はあった。それは交流と言うよりも英会話の機会を喫茶店がつくり、その英会話チャンスを喫茶店の付加価値にしていた時代、70年代後半の次回の英語喫茶の姿である。しかし、現在では、英会話の勉強という教育的側面よりも、英語でシャベラナイト的な英語は交流のツールとなり、カフェの目的は日常的で人的な交流を目指している。

その点が、大きな違いを生み出すことは間違いないだろう。


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